日本共産党京都市会議員団
福島第一原発事故は、世界最悪のレベル7に達し、放射性物質を現在も放出し続け、収束の見通しも立たない状態となっています。これまでの原子力行政を推進してきた安全神話は完全に崩壊しました。深刻な放射能汚染に対し、これからも原発に依存したままでよいのか、多くの国民が真剣に考え始めています。
地方自治体が、原発事故を想定した防災計画の見直しを行うのは当然ですが、現状では、一旦原発事故が発生すれば、市民の安全が守れないことも明らかです。立地自治体では、休止している原発の再稼働を認めないとしている福井県知事など、「脱原発」を目指すべきとの首長の発言が相次いでいます。
市内全域が福井原発から80キロ圏内に入り、市民の水資源である琵琶湖は30キロ圏内に入る京都市で、門川市長の態度はどうでしょうか。4月20日の記者会見では「原子力発電所による放射能の問題について、京都市域にはあまり大きな影響はないわけですが」との認識を示しました。さらに5月市会では、日本共産党議員が、「原発の安全神話は崩壊したと考えないのか」、「若狭湾の運転停止中の原発の再開を認めるべきでない」と質問したのに対して、まともに答弁しませんでした。6月の交通水道消防常任委員会では、京都市長も連名した関電に対する緊急要望書(立地県に準ずる防災協定などを求めたもの)に対して、理事者は「京都市の独自要望ではない」と全く他人事の答弁に終始しました。これは市長の認識を反映したものに他なりません。
京都市が株主でもある関西電力株式会社の株主総会には「放射能の処理ができない原発はやめる」、「原発の安全性が保証されるまで、すべての原発を停止すること」「プルサーマル事業計画の凍結」などの株主提案がされました。市長はこれら17議案、全てに反対し、原発依存から脱却していない姿勢が、改めて明らかになりました。原発に対する市民の不安が深刻さを増す中で、門川市長の原発に対する見識の無さは、市長としての資質が問われる問題です。
党議員団は、市民の安全こそ最優先の市政への転換、原発事故を盛り込んだ防災計画への見直しを求めるとともに、原発からの撤退を政府が決断することを強く求める運動を大きく広げていく決意です。