3月26日京都市会・閉会本会議で、日本共産党は、予算を組み替えるよう動議を提案しました。
組み替え動議の詳細はこちらです➜20210325 2021年度京都市予算案の組み替え提案.pdf
玉本議員の提案説明の内容は、以下の通りです。
2021年度京都市予算案の組み替え提案
玉本なるみ議員(北区)
日本共産党京都市会議員団は、2021年度一般会計予算案ほか市長が提案している予算について、組替えの動議を提案していますので、私は日本共産党京都市会議員団を代表し、その内容と理由について説明いたします。
まず、大前提として、新型コロナウイルス感染症による影響は長期にわたりかつ甚大であり、市民の暮らしや経済は深刻な事態となっていること、さらにその影響はしばらく続くことを踏まえなくてはなりません。
2021年度予算案は、コロナ禍と財政危機を「改革の契機に」と惨事に便乗し、「今の施策を続ければ財政再生団体になり、国保料や保育料が値上げ、敬老乗車証が廃止になる」と市民を脅かし、市民生活を応援してきた施策削減のオンパレードとなっています。
市長が諮問した「持続可能な行財政審議会」の審議と連動する集中改革期間(2021年~23年)の初年度の予算案でもあります。
今やるべきことは、「持続可能な行財政改革」の名による市民大リストラ計画を中止し、新型コロナウイルス感染症を収束させるための検査や医療体制の充実を行うこと、営業や事業の継続が危ぶまれている中小企業・小規模事業者への直接支援を行うこと、市民の命と健康を守ることに最大限の力を注ぐことです。
よって、日本共産党京都市議団は、以下5点にわたって予算の組み換えを行うことを提案いたします。
第1に、新型コロナウイルス感染症封じ込めのための大規模な検査、医療機関に対する支援を実施し、各行政区で感染症対応ができるように、保健所を区役所にもどし公衆衛生行政を拡充することが必要です。
第2に、事業や雇用を継続できるだけの抜本的な補償と支援を実施することです。中小企業や小規模事業者への支援は新たな事業実施の際の補助などではなく、家賃や光熱水費等の固定費補助や社会保険料への補助等、いわゆる真水の支援が必要です。
第3に、コロナ禍で市民の生活は厳しさを増しており、すべての市民の生活を支援するために、市民への負担増とサービスの削減をやめることが必要です。
たくさんの事業削減・廃止等の問題がありますが、3点について述べます。近年、大型台風や大雨が相次ぐ中で、雨漏りや浸水などの被害が多発し、国の制度だけでは何も救いの手がない中で、京都市の被災者住宅再建等支援制度の適用は15,621件にのぼり、市民から「本当に助かった」と喜ばれているものです。今後の起こり得る災害で、支援策がないということになっていい訳がありません。命の問題としては、女性の癌の罹患率1位である乳がんは30代後半から増加傾向にあります。京都市の30代の乳がん検診は継続すべき事業です。さらに負担の限界にきている介護保険料については値上げではなく、下げることこそ必要です。
第4に不要不急の大規模投資事業の見直しです。総事業費約2.1兆円と言われている『北陸新幹線』及び『リニア新幹線誘致』や高速道路で計画されていた時には1,200億円と言われていた『堀川・油小路地下バイパストンネル計画』は中止するべきです。学校統廃合による小中一貫校建設では、西陵中学校区では70億円、小栗栖中学区では80億円となっていますが、教育リストラを狙うものであり、中止すべきです。総事業費が約290億円の建設費用となっている市立芸術大学移転整備についても凍結することが必要です。
第5に財源確保についてです。法人税超過課税を現行8.2%から8.4%とすることで、約4.5億円を確保できます。まずは儲けている企業に負担を求めるべきではないでしょうか。企業立地促進制度補助金も見直し、対象を中小企業に限定するなど、直接中小企業や小規模事業者を応援することが必要です。
以上、京都市予算案等に対する組替えの内容と理由について申し述べました。新型コロナウイルス感染症の収束の目途が立たず、変異株による感染の新たな拡大の可能性が指摘される中、市民の命と健康を守ること、中小業者の仕事を守ること、市民の暮らしの底上げをはかるために、京都市としての責任を果たすよう求めて、提案といたします。