議第129号(ワクチンの補正予算など)に賛成する討論 くらた共子議員 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

議第129号(ワクチンの補正予算など)に賛成する討論 くらた共子議員

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終了本会議 討論
くらた共子 議員
 日本共産党議員団は議第129号に賛成の態度を表明しております。私は議員団を代表し質疑を通して明らかとなった補強すべき点等について、その理由を述べ討論いたします。

新型コロナウイルスワクチン接種に対する補正について
 まず、新型コロナウイルスワクチン接種に対する補正は必要なものです。今回4回目のワクチン接種費用として41億6400万円を補正することとしています。4回目ワクチンについてはオミクロン株による重症化の傾向分析から感染後の重症化リスクが高いとされる基礎疾患を有する方を対象としていますが、通知連絡は18歳以上を対象としていることから、問い合わせなどへの対応を万全にする必要があります。質疑の中で第三回目ワクチン接種の最大規模時と同様の220回線220人体制を予定しているとのことでありましたが、問い合わせる市民が自身の疾患を正しく理解しているか等も含め丁寧な対応が必要になります。また、3回目までのワクチン接種において一時的な副反応にとどまらず、死亡事例など深刻な被害の報告もあることから、国における「予防接種健康被害救済制度」が正しく運用される必要があります。質疑の中で、担当部長は「京都市に寄せられた相談については専門職員が対応し、相談内容はすべて国に通達している」と答弁されましたが、1件毎の審査と被害に対する確実な救済が必要であることを強調し求めておきます。ワクチンや治療薬の安全性を確保するために国内基準を踏まえることの重要性はいうまでもありません。

生活困窮者自立支援金4億7800万円の補正について
 次に、生活困窮者自立支援金4億7800万円の補正について、求職活動の条件が、これまで月2回以上のハローワーク等の求職相談と、週1回以上の求人閲覧チェック等の実績が必要とされていたものが、困窮者の社会生活実態に応じてそれぞれ月1回以上へと緩和されたことは前進であり歓迎します。しかし、この生活困窮自立支援金の申請対象者は、社会福祉協議会における緊急小口資金や総合福祉資金など貸付制度を申請受給し、借り入れた資金を計画的に返せることが前提となっており、「借りたお金を返せる自信がない」と思う市民にとってハードルは高く、結果として支援を必要とする市民が利用できない状況となる問題があります。よって制度の間で苦しむ市民が生まれることのないよう生活困窮者への直接給付する制度が必要です。低所得者、子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金についても必要なものです。昨年度の給付実績をもとに大半がプッシュ型で給付するとのことですが、市民に分かりやすい広報と周知を求めておきます。

自宅療養者及び施設内療養者に対する医療提供体制の強化8億2500万円について
 最後に、自宅療養者及び施設内療養者に対する医療提供体制の強化8億2500万円についてです。
 第6波までにコロナ感染の蔓延で高齢者施設内でクラスター感染が発生し重症化リスクの高い高齢者等が医療機関の感染症専用病床などに入院できず、施設に留め置かれたまま必要な医療が受けられず死亡するという痛ましい事態が発生しました。
 また、若年者で高熱を発症し救急病院に搬送されたのち、コロナ陽性が判明しても再び自宅に帰らざるを得ない状況や、さらには自宅療養中に急死されるという事態も発生しました。こうしたことを繰り返すことのないようにすることが大事です。自宅療養者や高齢者・障害者施設入所者への医療を供給し、これまでの不十分な医療供給の実態を何とか改善しようとすることは大切なことです。
 しかし、一方で感染症医療の決定的な弱点となった感染症専用病床及び一般病床の拡大確保や医師や看護師などのマンパワーの拡充対策がないことは問題があります。
 とりわけ、高齢者施設で感染者が発生した場合に、リスクの高い高齢者を第6波までは「原則入院」としていた診療基準を緩和し、必ずしも入院しないことを前提とした対策としています。その理由に「高齢者にとっての最善の療養は何か」や「高齢者が入院し環境が激変することで日常生活動作が落ちる」などとしていますが、では療養場所となる施設の感染症対策が万全となるのかといえば、その保障はありません。
 質疑の中で紹介した通り、コロナ感染重症者、中等症者の治療を担当された医療機関関係者は「そもそも高齢者施設・障害者施設はウイルスに対応できる物理的ゾーニングができず、入所者一人が感染することによりフロア全体に感染が広がりクラスターを起こしやすい。だからこそ、感染者を速やかに特定し、特定された方を早く治療するために入院していただき同時に、施設の感染症対策を徹底することが大事。そして入院された方が一日も早く施設に戻れるようにすることが基本」と指摘しています。
 市民の求めはどこにいても「必要に応じて入院でき治療が受けられること、命を守る医療」であること。看取りの場はどこが良いかや家族が面談できるか否かなどは必要な医療を提供できる条件をつくった上での個別の検討事項であります。感染者数が一定落ち着いているとされる今こそ、抜本的な医療供給体制の拡充を図るよう京都府と国に求めることが必要です。
 衛生環境研究所にPCR検査機器を増設されることは求めてきたことです。この機能も活用し感染の拡大防止を徹底するためにエッセンシャルワーカーや施設入所者等への定期的なPCR検査等、無症状者に対する無料検査体制をしつかり構築することが必要です。
 また「電話をかけてもかからない」保健所であっては医療供給体制の強化にも齟齬を生じることになりますから、職員体制を強化し各行政区単位に保健所機能を再構築し地域医療連携の要としての役割を発揮する必要があることを申し述べ、私の討論といたします。ご清聴ありがとうございました。

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