請願「学生への定期的なPCR検査の実施等」の採択を求める討論 くらた共子議員 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

請願「学生への定期的なPCR検査の実施等」の採択を求める討論 くらた共子議員

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本会議 討論
くらた共子 議員
 日本共産党議員団は、「学生への定期的なPCR検査の実施を求める請願」を採択すべきとの立場を表明しております。私はその理由を述べ、討論いたします。

 本請願は、未だ収束の目途がたたない新型コロナウイルス感染症の影響を受け、苦悩する学生のみなさんが、大学で定期的なPCR検査を実施すること、学生の学ぶ権利を保障すること、学生の命を守ることを求めるものです。

 教育福祉委員会における審査の場で市当局は、コロナ対策の一般的な本市の取組について説明し、「安心して学生生活を送りたいというお気持は分かるが、検査が感染を防止するものではない。検査はワクチンでも予防薬でもないので、定期的なPCR検査を実施する考えはない」と、新型コロナウイルス感染者の早期発見・早期治療と感染拡大防止に不可欠な検査を否定し、学生の立場に立った感染の早期発見と感染拡大を防止する具体策を示しませんでした。
 ところが、感染防止にならないといいながら、MICE開催にあたっては社会経済活動と感染防止を両立するためとして、PCR検査による陰性証明のための予算措置をとったり、ワクチン検査パッケージという考え方さえ認めているではありませんか。その考え方を応用すれば、大学生に対しての独自の取組は十分に行い得るのではないでしょうか。ビジネスのためにはPCR検査が有用としながら、学生の学びに際してはPCR検査は無駄という二枚舌はやめるべきです。
 また、日本共産党以外の委員から「心配なら、無料検査を受けたらよい」との主張がありましたが、まんえん防止措置の一環とされてきた無料PCR検査は4月末で終了となっており、ワクチン・検査パッケージにおける無料検査は帰省や、イベント参加など限定した対象者しか受けられず、全ての学生のニーズに応えるものにはなりません。実際に、学生がどれだけ無料PCR検査を受けられているかも不明です。

 そもそも、新型コロナウイルス感染症の特徴は、感染しても症状の出ない方が実在し、その無症状者が自覚できないまま他者にウイルス感染を広げてしまうことにあります。PCR検査は、検出の対象とするウイルスのDNAもしくはRNAを、10万倍から100万倍に増殖して検出する技術であり、ウイルスの最小検出感度、つまりどのくらい微量まで検出できるかという検査性能は5コピー、唾液などの検体中にウイルスが5個あれば陽性と判定されます。だからこそ、PCR検査は、献血に基づく輸血製剤の安全性チェック、すなわちHIVウイルスやB型・C型肝炎ウイルスのスクリーニング、また、DNA鑑定などの法医学の検査技術として非常に高い感度・精度を持つものです。

 したがって学生のみなさんが求めるように、大学構内で誰もが気軽にPCR検査を受けることで感染の有無を確認できるようにすること、その機会を定期的に設けることは、感染拡大を防ぐうえで理にかなっています。
 本市は、「学生のまち」を標ぼうし、大学政策をすすめるとしています。大学、及び高等専門学校の主役は学生であります。その学生がコロナ禍で、自分自身と他者の生命に対する危機感を持ち学びに不安を抱いています。こうした学生の切実な声に応えることは、議会の責任であり、本請願は採択すべきであることを申し述べて、私の討論といたします。

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