11月 関西広域連合議会 くらた議員の質疑 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

11月 関西広域連合議会 くらた議員の質疑

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11月 関西広域連合議会
くらた共子 議員

○くらた共子議員  京都市のくらた共子です。

まず1点、新型コロナ感染症対策について伺います。

新規感染者数が低減化傾向となり、飲食店等の時間短縮営業や、酒類提供の規制が緩和され、イベントの人数基準も感染症対策をしっかりやることを条件に引き下げられてきました。一見、町中の人出が増えて経済が回復してきているように映りますが、非正規労働者などの雇用環境はすぐには回復しません。さらに追い打ちをかけるように、この間、原油等の高騰が経済の再起動を抑え込み、家計も直撃する実態です。このことへの対策となる経済補償が求められます。

また、住民は、第5波で全国の病床使用率が80%を超えるなど、医療体制が逼迫し、入院すべき患者が入院できず、自宅療養中、また施設療養中に病状が急変し、多くの方が死亡した事実から、第6波に備えた保健や医療の体制がしっかり確保されるかについて懸念しています。

厚生労働省は、病床の増床や保健所運営の改善策などを含めた、保健医療提供体制確保計画をこの11月末までに策定するよう各県に通知していますが、医療スタッフへの負担の増加や一般治療の抑制とならない方策が求められます。そして、医療崩壊を繰り返さないためには、新規の感染を封じ込めるために、症状のない人を含めた大規模な検査の実施を徹底することが決定的であります。PCR検査をはじめ、抗原定量検査など、今こそ科学的知見に基づいた検査体制を速やかに構築する必要があります。

ワクチンについては、成人に対する第3回目のワクチン接種は、当初、第2回目の接種後8か月の期間を空けて取り組むとしていたものが、この間、各県の判断で6か月から接種も可能とするなど、しかし、その直後にまた再び8か月を基本とするなどと、国の方針の迷走ともいえる変更により、現場や住民の中に混乱をもたらしかねません。

改めて、新型コロナウイルスの特性の解明や対策について、開発されているとされる治療薬やワクチンの効能と安全性などについて、国民への適切な説明と理解を得る必要があると考えます。

そこで、関西広域連合としてのお考えを4点伺います。

まず1点目、生活困窮者に対する給付金、また事業者への持続化給付金の再給付が求められますが、ご認識はいかがでしょうか。

2点目、保健所をはじめとする公衆衛生体制の強化をどのように進める必要があるとお考えでしょうか。

3点目、再び医療崩壊を来さないことが最重要課題でありますが、そのためにも不顕性感染者の早期発見を目的とした大規模検査を行うこと。また、一般医療の抑制を前提とせず、感染者を受け入れるベッドを確保し、医療供給体制を整えることが必要でありますが、そのお考えはいかがでしょうか。

最後に4点目、12歳未満の子どもに対するワクチンについては、これは慎重であるべきと考えます。また、成人への第3回目のワクチン接種の取組はどのように進めるべきか、その見通しについてもお答えをいただきたいと思います。

ひとまずここまでのご答弁をお願いいたします。

○議長(山本敏信)  仁坂広域連合長。

○広域連合長(仁坂吉伸)  議員ご質問のうち、第1問目に関するお答えを申し上げたいと思います。

現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた生活困窮者に対する支援として、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金が11月まで申請受付されております。売上げが前年同月比50%以上減少している事業者に対する持続化給付金は、上限は200万円とされ、令和3年2月で受付が終了しております。

関西広域連合としては、全国知事会を通じ、生活困窮者へのさらなる支援や持続化給付金の再度の支給、要件緩和、企業規模に応じた支給額の引上げを行うことなどを要望したところでございます。

こうした中で、岸田首相は令和3年1110日の記者会見で、困窮世帯に対する10万円の現金給付や、事業者向けに持続化給付金並みの支援を行うことを表明しておりまして、その状況を見ながら、必要な要望をしてまいりたいと考えております。

○議長(山本敏信) 飯泉委員。

○広域医療担当委員(飯泉嘉門)  新型コロナウイルス感染症対策についての残りのご質問についてお答えをさせていただきます。

連合管内の構成府県市におきましては、この夏における最大の感染拡大時と同程度の状況がもし生じた場合、対応できる体制を確保するために公衆衛生体制、また医療提供体制の強化に取り組んでいるところであり、11月末までに保健医療提供体制確保計画、こちらを取りまとめる予定といたしております。

このうち、保健所等の公衆衛生体制についてでありますが、感染拡大時の対応に必要となる体制を整理いたしますとともに、感染拡大フェーズに応じた人員の確保、また地域医療の医療機関との連携など、取組による体制強化を位置づけ、取組が進められているところであります。

また、医療提供体制につきましても、この夏の感染拡大時の病床稼働率を踏まえ、最大確保病床の設定、また病床逼迫時に一時的に患者さんを受け入れる臨時医療施設の整備などを規定し、病床などの確保が行われているところであります。

加えて、1112日に公表されました国の新型コロナ対応の全体像におきまして、健康などの理由でワクチン接種できない方が無料検査を受けられるようにするとともに、感染拡大時では府県の判断でその対象を幅広く、無症状者に拡大できるような方針が示されたところであり、今後必要な検査体制を確保するため、国としっかりと協議を進めてまいりたいと考えております。

次に、追加接種及び12歳未満へのワクチン接種についてご質問いただいております。

追加接種につきましては、現在、各構成府県市では、2回接種を完了してから8か月以上たった18歳以上の方を対象とし、12月から開始することができるように必要な準備を急ピッチで進めているところであります。一方、先週15日の厚生科学審議会では、標準的に2回接種完了から8か月以上たった方を対象とするものの、地域の感染状況、あるいはクラスターの発生状況など非常に特殊な状況が生じた場合には、2回目接種から6か月以上の間隔が空いた方について、事前に厚生労働省と相談をした上で追加接種の対象に加えることが認められているところであります。

このため、関西広域連合としては、追加接種の対象の拡大が、もし認められた自治体が出た場合に対し、必要となるワクチンが十分供給されるよう、こちらにつきましても国にしっかりと申入れを行うとともに、どうも今、8か月と6か月といったことに対して、マスコミの報道などを通じ混乱が生じている。特に予防接種法上の接種主体である市区町村において混乱が生じているところもございますので、先ほどの関西広域連合委員会におきまして、しっかりとこれに対しての提言、取りまとめを行わさせていただきまして、国にあらゆる機会を使いまして提言をしてまいりたいと、このように考えております。

なお、12歳未満の方へのワクチン接種につきましては、先日、5歳から11歳向けのファイザーワクチンの薬事承認申請が行われたところであり、現在、国において慎重な検討が続いている、このようにお聞きしており、今週15日の厚生科学審議会におきましても、諸外国の状況に基づく議論が行われておりますことから、引き続き、厚生科学審議会でのご審議をはじめとする国の動きに対し、最大限の注意をもって臨んでまいります。

○議長(山本敏信) くらた共子議員。

○くらた共子議員 今、ご答弁いただきましたが、やはり科学的知見に基づいた、一番大事な対策についてのご答弁がなかったことは大変残念に思います。いわゆる第5波のような爆発的な感染を起こさせないために何が必要か。大規模な検査をやる。そのための体制を速やかに拡充する。このことがどうしても大事であります。そして、入院医療が必要となった方々の、こうしたベッドを確保するに当たり、その弊害となっておりますのが消費税を財源とした病床削減法、これはいかにも矛盾をする中身でございますから、これらをやはり廃止し、保健医療体制の再構築の必要性をしっかりと国に求められるべきだと私は思います。

また、この間、直近でワクチン検査パッケージ制度、新たなこうしたものが出てきました。これは緊急事態宣言下でも条件付でイベントや飲食の参加人数の上限を撤廃するというものですが、これも安全性の根拠が明らかとされる必要があると思います。全く感覚的にこういったものが出てくることに非常に問題があると私は思っております。

2点目の質問に移ります。カジノ・IR事業についてです。

カジノを中核とする統合型リゾートをめぐり、20201218日、当時の菅政権がIR誘致自治体が国に区域整備計画の認定を申請する時期を当初の2021年1月から7月までを、同年10月1日から2022年4月28日へ延期するなど、IRの制度設計の細目を示す基本方針を決定し、今日に至っています。

しかし、この間のコロナ禍で世界最大のカジノ企業である、米ラスベガスサンズは日本からの撤退を表明し、米、ウィンリゾーツは横浜事務所を閉鎖しています。さらにカジノ業界は地上型カジノからオンラインカジノへとその事業形態の転換を加速させるなど、もはやIRの収益エンジンとなる強大な地上型カジノを作り、そこに客を詰め込み、24時間365日、3密の空間で賭博漬けにするというビジネスモデルは破綻しています。

また、2020年1月、野党がカジノにも廃止法案を提出したほか、横浜市はIR事業中止へと舵を切り替えています。そもそも賭博場を呼び込むことに対して、今でも300万人となっているギャンブル依存症や反社会的勢力の拡大につながること、青少年の健全育成に逆行し、ひいては社会全体をむしばむ根源となることなど、様々な角度から非難の声が上がり、国民の6割以上が反対していました。

賭博の目的は、株価の引上げとアメリカの要求に応えることにあります。民営賭博を解禁するカジノ実施法が成立させられていますが、日本共産党は、日本人、特に高齢者の資産をカジノ企業に差し出す仕組みを作るものであることを指摘し反対してきました。

そこで伺います。関西広域連合においては、IR事業を関西の経済成長を図る戦略の一つとして位置づけられてきていますが、今この時点でカジノを呼び込むIR事業の事業誘致はぜひ断念されるべきと考えます。ご所見はいかがでしょうか。お答えください。

○議長(山本敏信) 西脇副連合長。

○副広域連合長(西脇隆俊) カジノ・IR事業についてでございます。

IRにつきましては、国会での十分な議論を経て、平成2812月に公布施行されました特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律に基づきまして、各構成府県市がそれぞれの地域の事情に応じて誘致を判断されているものでございまして、関西広域連合として誘致を行っているものではございません。

関西広域連合では、IRが関西に設置された場合には、その影響が広範囲に及ぶことから、同法案の公表を受けて設置いたしました関西統合型リゾート研究会の中間報告を踏まえまして、国に対してギャンブル依存症をはじめとするマイナスの影響への対策などを求める提言を行い、ギャンブル等依存対策基本法の制定や、20歳未満及び暴力団員等のカジノ施設への入場禁止など、厳しい規制の実現につながったところでございます。

一方、特定複合観光施設はカジノだけでなく、大規模なMICE施設、伝統文化芸術等の公演施設、宿泊施設等からなります複合施設でありますので、雇用創出、観光誘客や関西広域への送客、文化・芸術活動の発信にもつながるプラスの効果がございます。

関西広域連合といたしましては、国の動きなど今後の動向等を十分に見守りながら、ギャンブル依存症などのマイナスの影響を最小限に抑えますとともに、観光振興など、プラスの効果が最大限に発揮できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

○議長(山本敏信) くらた共子議員。時間がございませんので簡潔に。

○くらた共子議員 申し上げます。経済成長に必要なことは、経済不況の原因の一つである消費税率を引き下げること。経済活動の主役である中小企業への抜本的支援を行うことであります。岸田政権が掲げる新しい資本主義は、中小企業を淘汰することを目指しており、これは断じて認めることができません。IR事業も、ぜひ関西広域連合の経済の健全な発展のためには、私はこれは断念を迫る必要があるということを申し上げます。

終わります。

○議長(山本敏信) くらた共子議員の質問は終わりました。

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