2020年度一般会計予算に反対する討論 ほり信子議員  - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

2020年度一般会計予算に反対する討論 ほり信子議員 

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終了本会議 討論
ほり信子議員


 日本共産党市会議員団は、議第1号令和2年度一般会計予算案、議第3号国民健康保険事業特別会計予算案、議第4号介護保険事業特別会計予算案、議第5号後期高齢者医療特別会計予算案に反対の立場を表明しておりますので、その理由を述べて討論します。

 国の悪政から市民のいのちと暮らしを守り、福祉の増進を果たすことは地方自治体の責務です。明らかに景気が下降状況にある時、国が、消費税増税を行い、公共料金や使用料に上乗せ転嫁し、それに追随したのが京都市です。こういう時こそ、市民の懐を温め、中小企業を直接支援する施策を打ち、経済を内需主導で健全な成長の軌道に乗せることを通して税収を増やすことこそが王道です。国に対して、地方交付税の総額確保と社会保障の充実を求めるべきです。国が押し進めてきた「三位一体改革」で、地方に負担をおしつけ、国言いなりになってきたことで、現在の財政危機を引き起こした背景があります。
  内閣府が発表した昨年10~12月期の国内総生産の改定値は、年率換算で7.1%もの大幅な落ち込みです。これは、安倍政権の経済失政によるものです。もともと安倍政権が進めてきた経済政策「アベノミクス」は、大企業や大資産家を潤しただけで、国民の所得も消費も増やさず、貧困と格差を拡大しました。そこへ消費税増税の打撃が加わり、経済を冷え込ませ、さらに追い打ちをかけるように、新型コロナウイルスの感染拡大によって、観光産業だけでなくあらゆる産業に影響が及び、京都経済は危機的な状況といっても過言ではありません。

  今回の京都市予算案に反対する第一の理由は、こうした状況の元でも、安倍政権の進める「地方創生」「自治体戦略2040構想」の路線を持ち込み、大企業優遇、大型公共事業の優先、観光インバウンドを推進する一方、市民の暮らしや中小企業を抜本的に応援する予算になっていないからです。新型コロナウイルス感染対策は、中小企業の家賃や光熱水費等の固定費の補助などの支援策がなく、融資中心の支援にとどまっています。観光産業関連の補助制度が創設されましたが、損失補填を行うものになっていません。新型コロナウイルスの感染拡大対策と中小企業支援への思い切った財政措置がありません。国に消費税減税を求めるよう追及しましたが「消費税増税は社会保障を将来に渡って持続可能なものとするためのものと考えている」との従来通りの答弁を繰り返し、減税を求める立場には立ちませんでした。また、企業立地促進制度補助金は、その約4割・12億円が十分儲けのある大企業に使われたのが実態です。一方で、内職事業助成をカットし最終的には廃止、さらに、市民の暮らしに影響のある夏季歳末特別生活資金貸付の廃止、保育料の値上げ案、児童デイサービスを含む障害児通園事業の補助金カット、わずか4カ月の間に保護者のみなさんの願いのこもった23778筆の署名を市長や教育長に提出した全員制の温かい中学校給食も子どもの医療費助成も前進なし、給付制奨学金制度には背を向けたままです。今こそ、家計や中小企業をしっかり支える支援が求められています。

 第二の理由は、京プラン実施計画に基づく職員削減と公務の産業化をさらに押し進めようとしているからです。市長就任以来12年間で3401人の職員を削減しています。教育や福祉、市民の暮らしと大きく関わるところで予算を削減しています。学校統廃合、業務の委託化、集約化で、市民サービスの低下、災害時の対応にも支障をきたしています。「帰国者・接触者センターに電話をかけてもつながらない」という市民の苦情があるように、保健所を一か所だけにして衛生部門の集約化を進めてきたことが感染症対策に苦慮する事態を招いています。PCR検査体制について京都市は京都府との協調で一日60検体の検査が可能としてきましたが不十分です。また、時間外労働 月100時間を超える職員は74人。過労死ラインを超える働き方をしているブラックな職場と言わざるを得ません。自民党議員からも「職員削減」は限界に来ていると指摘されています。にもかかわらず、来年度予算の中で「民間にできることは民間に」と委託などさらに205人の職員を削減しようとしています。清掃職場では、委託化が進み、技術職員の採用がなく、技術力の向上やノウハウの引き継ぎが難しくなっています。この間、郵送サービスなど委託化により、市民の信頼を失うような業務の遅延を生みました。そして、今度は、介護保険制度発足時から窓口業務を担ってきた嘱託職員130人を解雇し、介護認定・給付業務を民間企業に委託しようとしていますが、介護認定・給付業務の民間委託に反対する市民の声を受け止めずに強行することは認められません。委託化は撤回すべきです。

 第三の理由は、財政が厳しいといいながら、いくらかかるか分からない不要不急の事業を推進しようとするのは無責任だからです。リニア・北陸新幹線延伸推進の予算が示されていますが、地下水や井戸水への影響、土砂の処理等問題が山積しています。環境影響評価方法書について、審査会では、「詳細は分からない状況で、どうやって環境を評価するのか」との意見が出されました。防災上の安全性を徹底的に無視し、いくらかかるかわからないのに、延伸ありきで進めるのは問題です。白紙撤回するよう鉄道・運輸機構に求めるべきです。鴨東線第3工区や堀川バイパストンネルなど大型事業は推進、高速道路の3路線の廃止手続きもしていません。また、文化庁の移転に関しても、移転の土地の無償提供、庁舎建設費用の応分の負担、そして、職員等の受け入れの協力を約束したことにより、本来、国の予算でやるべきものを、京都府と京都市が進んで出すからということで応分の負担額が生じ、「全体で86億円くらいを見込んでいるが、京都市の負担分は決まっていない」との答弁があり、これからどれだけふくれあがるか分からないものです。大型事業に固執する一方で身近な歩道の改修や公共事業は後回しです。さらに、教育の場で進められようとしているGIGAスクール構想は、産業界の要請に応えるものであり、のちのち、多額の財政負担が生じる問題があります。この構想の背景にある経済産業省の提言では、同じ教室にいても端末を使って一人一人が異なる教科や単元を学ぶ「個別最適化された学び」を目指すべき方向としています。教育現場のICT環境の整備や、個々の子どもにあった学習をきちんと保障することは大切ですが、教育においては「共同の学び」が必要です。個性豊かな子どもたちが集団で学びあってこそ、考えが深まり、教育本来の豊かな深い学びが保障できます。

 第四の理由は、観光インバウンド一辺倒で京都のまちこわしをさらに進めようとしているからです。「宿泊施設拡充・誘致方針」で掲げた宿泊施設は2018年末で目標の4万室を超え、1年前の時点で4万6000室を超え、5万7000室の見通しになっており、明らかに過剰です。市長は1月6日の記者会見で「市民生活との調和を最重要視した持続可能な観光都市の実現に向けた新たな取組」を打ち出しましたが、観光客や宿泊施設の総量規制をしない不十分なものと指摘せざるを得ません。そのうえ元植柳小学校跡地、仁和寺門前、南禅寺参道前に住民合意のないままホテルの建設計画を呼び込もうとしています。東京や海外からの大手企業の呼び込みや観光インバウンド一辺倒のやり方では、「住環境の悪化」「地域コミュニティの破壊」「地価高騰」「若者の市外への流出」という事態を招きます。民泊・簡易宿所を含む宿泊施設の立地規制をする実効性のある施策への転換を求めます。

 第五の理由は、高すぎる国民健康保険料や介護保険料、高齢者差別の制度である後期高齢者医療保険料等の引き下げをせず、市民の願いに背を向けているからです。今回の国民健康保険料の改定は低所得層の法定軽減対象を一部拡大し、中間層の負担を和らげることにはつながりますが、全体として保険料は高止まりのままです。国民皆保険制度の元で、「国民健康保険」の加入世帯は低所得者層が多く、一般会計からの繰り入れを増やし保険料を据え置くことは可能です。生まれてきた赤ちゃんにまで保険料がかかるのは問題です。せめて、18歳までの子どもたちにかかる均等割りは免除することが必要です。すべての人に保険証を渡し、保険料を引き下げるべきです。また、今回の介護保険事業特別会計には、事務費として介護認定・給付業務にかかる委託費4億4000万円が含まれており、到底認めることはできません。高い介護保険料・利用料の引き下げが求められています。さらに、後期高齢者医療保険料の軽減措置を段階的に廃止しようとしています。医療費の窓口負担も、1割から2割負担の人ができるという方針を今年7月ごろ決める方針が打ち出されていることも容認できません。また、市営住宅の立て替えで管理戸数を減らし、空いた敷地を賑わいゾーンとし、民間の儲けに提供しようとしています。市営住宅は安価で住みやすいと、高齢者・若年層を問わず期待が高く、単身者住宅の拡大、LGBT等の方の入居を可能にするなど、入居基準を柔軟にすることが求められます。「住まいは人権」の観点から住環境の充実が必要です。

 また、自衛隊への18歳と22歳の若者の個人情報を「宛て名」シールにして提供することは撤回すべきです。2015年の安全保障法制で自衛隊の任務が大きく変わり、命の危険にさらされる状態になりました。近年自衛隊への募集が減少していることで、防衛省は都道府県だけでなく、市区町村にまで依頼を出すようになりました。宛て名シールでの提供は6つの市町村です。さらに、情報公開・個人情報保護審査会の審査結果が届き、付言として、「市が自衛隊と交わした覚書には疑義があること、宛て名シールの提供を希望しないものに対してはより簡便かつ利用しやすい仕組みの構築を検討すべきこと」が付されています。この事を踏まえ、京都市は、この付言を実行していくべきであることを指摘して討論とします。

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