日本共産党市会議員団は、「大飯原発再稼働に反対する意見書」に賛成し、また日本維新の会が提出されている「安易な原発稼働をしないよう求める意見書」に反対していますので議員団を代表して討論を行います。
関西電力は、強い反対の世論を押し切って、3月14日に大飯原発3号機を再稼働させました。このことは断じて認められません。その理由は、第一に、福島原発事故から7年が経過した現在でも人命に関わる問題が解決していないことです。これに追い討ちをかけるように、自主避難者に対して、住宅無償提供打ち切り等の縮小と切捨てが行われています。そうした中、全国各地で原発集団訴訟が行われており、京都地裁の15日の判決では自主避難の方々に対して、国が定めた20シーベルトの基準を退け、当時の状況によって自主避難するのは、社会通念上に照らし認められるとしました。続いて16日、東京地裁の判決は「放射性物質による健康への侵害の危険が一定程度あるとして、避難を開始した判断は合理的」と認めています。国と東電は、自主避難者への縮小と切り捨て路線を改め、4度にわたる判決の加害責任を重く受け止めるべきです。
第二に、原子力規制委員長自らが昨年10月20日付けの毎日新聞のインタビューに応じ、原発の集中立地については、「リスクについての議論を始めていく必要がある」と述べています。国内では集中立地が目立ち、特に高浜と大飯原発など若狭湾に集中して原発を抱えています。現行基準では集中立地を禁止していない状況のもと、複数の原発が同時事故を想定していないことは重大です。
第三には、こうした情勢のもとで、福島原発事故の教訓を踏まえて、東京新聞の世論調査では、原発は将来ゼロといますぐゼロがあわせて7割を超える結果が出ています。9日、立憲民主党、日本共産党、自由党、社民党の野党4党は「原発ゼロ基本法案」を提出しました。また、これまで原発を推進されてきた元首相経験者もその姿勢を改め、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟をつくり、運転している原発を直ちに停止すること、再稼働は認めない等の画期的な提案を行っています。国民の世論に応える方向へと舵をきるべきであり、大飯原発の再稼働はやめるべきです。
なお、日本維新の会から提出されている意見書は、表題から安易な稼働をしないようとありますが、安易でなければ稼働ができるというものであります。先ほど3つの点を指摘しましたが、ただちに原発再稼働をストップし、ゼロにすること。原発廃炉へと舵を切ることこそ、今求められています。2014年5月の福井地裁の判決で述べられている「人格権」は、国民の生存を基礎とし、「最高の価値を持つ」と述べられています。被災地の方々は7年の歳月が経過しても、平穏な生活が奪われ、ふるさとを取り戻せない状況にあります。再稼働はするべきでないことを重ねて申し上げ討論とします。