玉本なるみ議員の代表質問 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

玉本なるみ議員の代表質問

写真
本会議代表質問
玉本なるみ議員
外交交渉による北朝鮮問題の解決を 
 北区選出の玉本なるみです。日本共産党京都市会議員団を代表し市長に質問します。
 安倍首相が本日9月28日開会した臨時国会の冒頭で衆議院解散しました。「森友学園、加計学園等の疑惑隠しと言わざるを得ません。同時に、安倍政権の国政私物化と憲法破壊の政治への厳しい批判、東京都議選での自民党の歴史的惨敗など、国民のたたかいと野党の共闘による新しい政治の流れが作り出した結果にほかなりません。今回の解散・総選挙を、安倍政権を退場に追い込む歴史的チャンスととらえ、国民が主人公となる政治の実現に向け奮闘する決意を表明し、質問に入ります。
 北朝鮮のミサイル発射及び核実験の問題の対応について質問します。
 北朝鮮の弾道ミサイルの発射や核実験の強行は、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安全保障理事会決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙であります。いまの最大の危険は、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が生まれ、強まっているということです。万が一にもそうした事態が引き起こされるならば、その被害は日本にも深刻な形で及ぶことになります。おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に回避しなければなりません。しかし、安倍首相は今月20日に国連総会の一般討論で「必要なのは対話でない。圧力だ」と述べ、対話と交渉による解決を全面否定しました。
 北朝鮮の暴挙をやめさせるために、国に対して、第1に「経済制裁を強めながら、外交交渉で解決をめざすこと」、第2に、「北朝鮮に核兵器を放棄させること」を求め、日本が「核兵器禁止条約」に参加することが北東アジアの平和につながります。市長の認識はいかがですか。そして、国に対して働きかけるべきです。お答えください。
(総合企画局長)ミサイル発射や核実験の暴挙に対し、平和都市宣言をおこなった都市として厳重に抗議声明を出している。国際社会の結束が重要、国連安保理での新たな制裁決議など懸命の外交努力が行われていると認識。平和首長会議の加盟都市会議で、核兵器廃絶に向け核保有国と非保有国の橋渡しを国に要望しており、国も国際社会を主導する決意が示されている。歴史都市会議等の国際交流や平和祈念事業などの実施により引き続き平和の重要性を訴える。
憲法遵守の立場で安倍首相の9条改憲に反対を
 次に、安倍首相が日本国憲法9条改憲表明を行ったことについて質問します。
 今年は戦後72年目です。私はあらためて戦死した祖父の話を母から聞きました。我が家には若くて制服を着た男性の写真がありました。それが母の父でおじいちゃんだと説明されても、子どもの頃は理解できなかったことを思い出します。祖父は捕鯨船の漁師で船ごと招集され、戦地で銃弾にあい亡くなりました。母が4歳の時でした。その後母子家庭となり、とても苦労して育った話は母からよく聞かされました。戦争が起こると、若い遺影写真がある家をつくることになるんだと胸が締め付けられる思いになります。今、戦争体験者が少なくなる中、ふたたび戦争への道を歩まないためにと戦争体験を聞く会や体験談をまとめ冊子をつくる活動が行われています。体験談の冊子を読むとほとんどの手記に、「戦争はあかん」「平和憲法は守ろう」とあります。
 安倍首相による9条改憲を阻止するため、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が結成され、3000万人を目標にした改憲に反対する一大署名が提起されました。その発起人19人のうち、梅原猛さん、瀬戸内寂聴さん、有馬頼底さん、益川敏英さん、浜矩子さんなど京都ゆかりの方が5人おられます。こうした声に応えるべきではないでしょうか。そもそも、最も日本国憲法を順守し政治を行わなければならない首相が2020年施行を目指すと期限を決めて改憲表明するのは大問題です。そして、市長として、憲法を遵守する立場に立ち、横暴な改憲の動きについて、反対の意を表明すべきです。お答えください。
(総合企画局長)憲法の平和理念は人類普遍の原理であり、基本的人権の尊重、主権在民とともに、遵守されるべき基本的な原則である。同時に制定から70年以上経過し、国内情勢や国際環境が大きく変化。理念・原則を大切にしつつ国民が関心を高め議論することは意義がある。憲法のあり方について国民全体で議論が深められるべき。
介護現場の実態を把握し総合事業の見直しを
 次に、介護保険について質問します。
 84歳で寝たきりとなった妻を85歳で介護度1の夫が介護する老々介護の方がおられました。訪問看護や訪問診療、介護ヘルパーなどのサービスは利用されていましたが、24時間安心できる体制とはいえない状況でした。親せきの援助もあり看取りまでされましたが、共倒れ寸前の状況でした。今の介護制度では支えきれず、家族介護に頼らざるを得ず、老老介護の大変な実態を目の当たりにしました。制度の充実こそ今、必要です。以下具体的にお聞きします。
 まず、総合事業について質問します。今年の4月から介護認定により要支援と判定された方々へのホームヘルプとデイサービスが大幅に変更となりました。介護保険の給付枠から外され、自治体独自の仕組みや報酬額を設定することになったのです。全国で格差も生まれ、介護保険制度そのものがどんどん複雑化しています。
 京都市でも多くの問題が生じておりますが、今回は矛盾が広がっている訪問型サービスについて伺います。ヘルパーさんが自宅に訪問し、掃除や買い物、調理、洗濯を行う生活援助サービスの問題点は、総合事業に移行したケースから、事業所に入る報酬額が15%も少ない額になったことです。同じ資格をもつヘルパーが訪問するのに、報酬に格差が生じ、事業所の収入が減ることから、事業所登録は進まず、不足している状態です。事業所によっては人数や時間の制限をする等、要支援の方の介護プランを立てる地域包括支援センターの皆さんが事業所探しに大変苦労されています。今後、来年3月までにすべての介護認定者が認定を更新され、要支援となったすべての方が総合事業の対象となるわけですから、現状よりさらに生活支援型ヘルプサービスの訪問介護は不足する状況になります。このような状況を踏まえれば、一刻も早く対策が必要です。さらに、新規事業の『支え合型ヘルプサービス』は無資格者の方がわずか8時間の研修を受け、家事援助の訪問介護を行うものです。守秘義務の問題や初期の認知症対応など専門知識が必要な訪問介護の事業であり、介護プランに取り入れにくく、利用が進んでいません。本来有資格者のヘルパーが対応すべきで、支え合い型ヘルプサービスはやめるべきです。
 このように混乱する総合事業について、京都市は順調に実施できていると報告しています。順調どころか、総合事業の実態は厳しくなるばかりです。介護現場の実態をどのように認識していますか。「順調」という認識を改めるべきです。高い保険料を払っているのに、利用が抑制されることになり、「保険あって介護なし」、「国会的詐欺」と厳しく批判されているのも当然です。
 国に対して、総合事業の仕組みは、元の予防給付に戻すよう求めるべきです。そして京都市として当面、家事援助中心の生活支援型ヘルプサービスは介護型ヘルプサービスと同じ報酬額に戻すべきです。お答えください。
(市長)総合事業は一人ひとりの状況に応じた多様なサービスを提供するもの。元気な高齢者にサービスの担い手として活躍していただくことで、健康、介護予防に寄与する。生活支援型と支え合い型は318事業所が参入、順調に移行が進んでいる。
介護の担い手が不足する中、支え合い型ヘルプサービスは専門職でなくても可能なサービスを担ってもらい、生きがいとなっている。報酬単価は要介護認定の生活援助と同じ単価であり、適切なもの。見直す考えはない。
第7期計画の策定にあたって負担の軽減、必要な介護を 
 次に、来年4月からの第7期計画の策定について質問します。
 まず、介護保険料についてです。現在、第1号被保険者の基準保険料は制度スタート時の2倍以上の月額6,080円となっています。年金生活者の年金は削減され、天引きが増えることは、生活費がどんどん削られていくことになり、年金生活の方々の負担感は大変重く半端ではありません。現在審議会で議論は始まっていますが、保険料は上げない決意をすべきだと考えます。いかがですか。
 次に介護利用料についてですが、これまでから、所得により2割負担となっている方に、利用抑制が起こっていることを指摘してきました。しかし、その実態調査や検証を京都市は実施していません。この上に、3割負担の導入はさらなる利用抑制となり大問題です。3割負担となる方は京都市で約1700人と試算をされていますが、実際、対象となる方の利用料を計算し、介護サービスの利用を手控えることが起こらないか検証すべきです。仮に導入すれば、前年度所得によって、保険料と利用料は決められますので、前年まで働いて所得を得ていた人が、要介護状態になって所得が激減しているのに3割負担を強いられ、減免も受けられないことが明らかになっています。3割負担の導入はやめるよう国に求めるべきです。また、市独自の軽減策をつくるべきです。いかがですか。
 次に、新たな給付抑制としての問題です。
 政府は財政的インセンティブの導入で、介護保険制度の利用そのものを卒業させようとしています。確かに、介護状況を改善することは大切です。住宅環境のバリアフリー化などで、暮らしやすくすることや、リハビリが必要です。しかし、高齢者の場合、加齢化もあるわけですから、リハビリを続けることが重要なのです。無理やり介護保険を卒業させるための点検会議のようなものを設置するのではなく、一人ひとりの状況に合わせたケアが適切に行われているかを専門職が知恵を出し合い、話し合うことこそが重要ではないでしょうか。いかがですか。
(保健福祉局長)来年度からの介護保険料は給付費増が避けられない中、上昇を見込まざるを得ない。
 利用料3割負担は、保険料上昇の抑制、制度の持続可能性を高めるもの。全国一律の制度であり、財源構成は独自に変更できない。国に必要な要望をしている。
 財政的インセンティブは自立支援や重度化防止を目的としている。地域ケア会議は点検会議ではなく、ケアマネジメントの質の向上、適切なケアを進めるためのもの。ケアプランに対する助言や研修を通じてケアマネージャーの支援充実に取り組む。
国保都道府県単位化で保険料を上げない決意を
 次に、国民健康保険について質問します。
 2018年4月から開始予定の国保の都道府県化は、開始を目前にし、混迷を極めています。それは、都道府県化によって、自治体の努力を採点し、給付抑制・徴収強化をすすめる『保険者努力支援制度』の導入や『給付に見合った保険料への誘導』による保険料の値上げがすすめられようとしているのです。さらに、都道府県が司令塔になり、医療費適正化計画を推し進め、給付費抑制を行うなど、市民にとっても、これまで保険者として取り組んできた自治体にとっても、不安だらけの制度と言えます。
 そもそも、国保料の算定方法は「加入者が支払えるかどうか」という観点から設定されていないことに、根本的な問題があります。必要な医療費を加入者で割り振るしくみとなっており、加入者の負担能力や生活実態を把握し、負担できる保険料が課せられるしくみになっていないのが問題です。この改善こそが求められています。加入者の現状は京都市の場合、無職・年金者が54.8%、非正規雇用等が含まれる被用者は33.8%という特徴があり、負担能力は高くないのに、国保料が高く、滞納せざるを得ない構造になってしまうのです。そこで、国と自治体が繰り入れを行い、市民の負担を軽くする必要があります。1984年に国保の総収入に対し、50%あった国庫支出金は、2016年度は約21%にまで削減されました。当然そのしわ寄せが自治体と市民にまわり、自治体は国保財政の運営に苦しみ、市民は高い保険料に苦しめられてきているのです。高い保険料を下げるには、国保会計の国庫負担率を上げるべきです。根本の問題を解決しなければ、国保の運営は改善されません。
 国保料の負担は限界にきていることは、これまでも周知の事実であり、市長も認めてこられました。給料収入400万円の夫と、主婦、子ども2人の4人家族の場合の保険料を計算しますと、東京都23区と人口100万人以上の大都市を比較すると、なんと京都市の保険料が42万円となり、日本一高くなりました。市長はどのように認識されますか。単身者の場合でも、20歳代で年収180万円の方の場合国保料は14万3,100円になり、高すぎます。都道府県化で保険料が上がるということは絶対に避けなくてはなりません。各自治体に課せられる納付金がどうなるかなどの詳細がわからない中で、来年4月にスタートすることは、自治体としても市民としても不安が大きいと思います。大事なことは、国民健康保険料の値上げはせず、引き下げこそ必要です。市長の認識を伺います。国に対して、国庫負担率を引き上げを求めること、府に対しては補助を求め、京都市として、一般会計からの繰入をこれまで以上に行い、保険料を上げないよう最大限の取り組みをすべきです。いかがですか。
 ここで一旦、答弁を求めます。
(保健福祉局長)172億円の一般会計からの繰り入れで、料率を引き下げた平成27年度から保険料率を維持している。被保険者一人あたりの平均保険料は政令市では低い方から3番目。特定の世帯や大都市のみの比較で「日本一高い」は誤った認識。
 都道府県単位化は、3400億円の公費の拡充など、制度の安定、国民皆保険の堅持のためのもの。保険料は、公費拡充による収入、医療費の動向、現在の保険料水準等踏まえて検討し、一般会計繰り入れも含めて本市の判断で決定する。府には円滑な移行や安定運営のため必要な意見を述べる。国に対しては、すべての医療保険制度の一本化、国庫負担率引き上げを求める。
 北朝鮮や憲法改正問題など、国政の重大な問題に対して、政治家としての市長の答弁がなかったのは大変残念です。市長は基本的な理念を尊重し、改憲の動きに対して反対の意を表明すべきです。
 さらに、市長は介護の総合事業は順調に進んでいるという認識を示されましたが、介護現場の実態を見ない答弁と言わざるを得ません。国保料についても、京都市平均保険料が低く出るのは他都市との所得格差によるもので、高い保険料に市民が苦しんでいる実態をみるべきです。保険料の引き下げに取り組むことを求めておきます。
敬老乗車証制度の効果を検証し、現行制度を守れ
 次に、敬老乗車証制度について質問します。
 京都市は、8月15日付の市民しんぶん(区版)に「敬老乗車証制度の現状や課題について」というチラシを挟み込んで配布しました。さらに5000人を対象に、「敬老乗車証にかかる京都市の負担額をどうするのか」、「高齢者の負担割合をどうするべきか」についてのみを聞くアンケートを実施しました。
 市民に聞くべきは、今の制度の存続を希望されるかどうかです。「高齢化でお金が今後たくさんかかります。市の負担がこれからも増えてもいいですか」というような質問は、敬老乗車証にかかる経費の削減のために、市民負担の増大への了解を得ようとする誘導的なやり方です。しかも、チラシには「4年後には10億円も市の負担が増える見込み」「敬老乗車証に使っている46億円の市負担額で、保育所を整備すると、2万4千人分に相当します」と高齢者と子育て世代の対立をまねく説明を行っています。これには多くの市民から、市民を対立させるような記述は問題と意見が寄せられています。高齢者の福祉も子どもへの福祉も、両方大切なものであり、自治体が積極的に取り組むものです。福祉に対する市の姿勢が問われる問題です。今後、市民の中に対立を持ち込むのはやめるべきです。いかがですか。
 市民から「宝物」として喜ばれている敬老乗車証は、高齢者の社会参加を保障し、介護予防や健康増進に役立つとして、京都市が実施してきた事業です。それを乗る度に運賃の一部を負担する方式に変えることを検討すると発表してから、市民からは、「今のままの制度を守ってほしい」とこれまで、33257筆の署名が寄せられています。この多くの市民の声に応えるべきです。そして、市民が繰り返し提案しているように、敬老乗車証の効果をもっと検証すべきです。実施した名古屋市では、社会参加の効果、健康増進の効果、経済への効果、環境負荷の低減効果などを検証し、京都市と同じ方式の現行制度を継続されています。京都市においても、同じことが言えると考えます。市民が求めているように敬老乗車証の効果を検証し、現行制度を継続させるべきです。いかがですか。
(市長)敬老乗車証の客観的な効果の検証は困難だが、高齢者の社会参加、健康長寿のまちづくりに重要な施策。廃止する考えはない。市税を46億円投入、4年後には58億円、現行制度のままでは破綻しかねない。世代間の負担のバランスを考慮した制度とする。交付率は5割に留まっており、広く利用してもらう制度に見直しが必要。広く市民に現状や課題を知らせ、意見をいただくため、市民しんぶん折り込みやアンケートを実施した。その結果や市会での議論を通じ、市民の理解が得られ、持続可能で使いやすい制度になるよう検討する。
LGBT等の方への京都市の対応について
 次に、LGBT等への京都市の対応について質問します。LGBTとは、Lはレズビアン、Gはゲイ、Bは両性愛者のバイセクシャルで、Tはトランスジェンダーで、性同一性障害など、自分の性に違和感のある方等のことの略称です。
 この間、日本共産党京都市会議員団はゲイの方や性同一性障害の方など当事者の方と懇談し、積極的に取り組みを始めている自治体に調査を行ってきました。LGBT等の方々は13人に一人の確率でおられるということが研究者などの調査研究で明らかになっており、カミングアウトされていないだけで、身の周りに必ずおられるということです。そして、性的少数者についてに悩み、自殺を考えたり、自ら命を絶ってしまった方もあるということに心が痛みます。しかし、京都市の自殺対策計画には、LGBT等や性的少数者の対策の記載はありません。ありのままの自分で生きられる社会を作ることが必要だということです。つまり、カミングアウトできる社会、しなくても生きやすい社会を作ること、多様な生き方を認め合う社会をつくることが求められています。
 渋谷区では男女平等条例第4条に性的少数者の人権の尊重を盛り込み、「性的少数者に対して理解を深め、当事者に対する具体的な対応を行う等の取り組みがされること」と明記されています。さらに、パートナーシップ条例を制定し、同性婚の証明書を発行し、公営住宅の入居を認めるなども進めています。
 性同一性障害の方などトランスジェンダーの方にお聞きすると、日常困られるのが、トイレの使用だということです。このパネルの写真は東京都渋谷区の公衆トイレの表示です。多目的トイレに男女両方のマークを入れたり、「どなたでも使用できます」という表示があると使用しやすいということです。
 京都市として、京都市男女共同参画推進プランや人権文化推進計画にはLGBT等の課題があることや啓発、環境整備の必要性は記載されています。しかし、人権啓発イベントや講座の開催などの啓発活動の取り組みが中心となっているのが現状です。教育委員会においては、教職員への研修会の実施や教育としての取り組みは始まったところという状況です。
 8月31日付けには厚生労働省保険局保険課などが、性同一性障害と診断された方の被保険者証の氏名表記に「通称名」の記載を可能にする旨の通知を出しました。京都市としても国民健康保険証などにおいて、早急な対応が求められます。検討状況をお示しください。先進自治体が進める多目的トイレにおける「どなたでも使用できます」という表示や男女共用トイレの整備、市営住宅において、同性婚の方もパートナーとして認めることなど、すぐにでも取り組めることは実施すべきです。自殺対策にもLGBT等の対応策を盛り込むべきです。教育委員会では全教職員への研修の実施や児童生徒に対する教育プログラムも早急に検討し実践すべきです。以上具体的提案について答弁を求めます。
 そして、これらの施策を具体的・総合的に実施するために、当事者や支援団体の意見を聴き、京都市として、プロジェクトチームを作り、窓口を明らかにすること、自治体としてできることを積極的に計画し、実行に移す体制をつくるべきです。いかがですか。
(村上副市長)国民健康保険証への通称名表記については関係機関との調整が整えば対応する予定。自殺相談窓口は性的少数者も含めた対応を行っている。当事者である子どもたちがありのままの自分でいられるよう、教職員を対象とした研修を実施している。トイレについては事例を調査し、多目的トイレの案内表記等研究する。市営住宅は戸数が限られており高齢者・子育て世帯など低所得の住宅困窮世帯を優先する。
 今後、人権教育、啓発を充実するとともに、国・他都市の動向、支援団体の意見も踏まえ、人権文化推進会議等で関係局の連携を図り必要な施策の検討を進める。
大宮交通公園再整備と北消防署移転について
 次に、大宮交通公園再整備と北消防署移転について質問します。
 市長が京都市都市緑化審議会に諮問された「大宮交通公園のあり方」について、8月25日に審議会から答申がありました。私は審議会での議論を傍聴しましたが、元々緑化を推進する立場の会議であるにも関わらず、公園内に北消防署が設置され、公園面積を3000㎡も削減することを前提とした交通公園の在り方を検討することになっていました。当然、審議では「削減される公園の緑地の確保をどうするのか」ということが議論になり、委員から、「消防署移転を反対している住民の方々の主な反対理由」を尋ねられ、「公園面積が減ることです」という説明を建設局がしなくてはならない場面もありました。大宮交通公園がある京都市北区は、公園面積は市内でワースト2でもあります。
 そもそも、都市公園法において、公園内に消防署は建設できません。本来は、大切な公園の1/7にあたる3000㎡を北消防署の移転地として、提供すること自体の是非を含めて審議すべきものです。
 そして、その在り方もパブリックコメントで市民の意見を聞かれ、北消防署移転を伴う交通公園整備について、賛成が多いと説明されています。しかし、地域住民の皆さんが独自に実施された公園利用者や地域住民へのアンケートでは700人を超える声が寄せられ、「消防署移転に反対」が74%、「別の最適地を探すべき」が72%となっていました。より、周辺地域や何よりも交通公園を利用し、ゴーカートを利用している子どもや保護者の声を大事にすべきではないでしょうか。私も実際、利用者の声を聞きましたが、「市内には子どもを連れて遊べる施設が少ない。ここは安くてゴーカートに乗れて、子どももとても喜んでいる。公園の敷地が狭くなり、ゴーカートのコースが短くなったり、なくなるとおもしろくなくなる」とのことでした。ゴーカート等の乗り物に乗り、遊びの感覚を取り入れた学びができるところに、大宮交通公園の魅力があると断言できます。審議会やまちづくり委員会では、ゴーカートをやめると決まったわけではないと答弁もされています。そして、「交通ルールに触れ、楽しい交通公園」というコンセプトを継続させるためにも、子どもの意見を直接聴く取り組みも必要ではないでしょうか?公園面積を削減する消防署の移転は中止し、他の土地を今からでも探すべきです。その上で公園のあり方は再検討すべきです。お答えください。
(植村副市長)北消防車は老朽化、現地建て替えが困難であり、大宮交通公園敷地に移転する。広域避難場所であり、避難者への救護や災害情報提供など防災機能を強化する。
大宮交通公園は施設老朽化や、交通学習施設利用者低迷の課題を抱えている。消防署の移転をきっかけに再整備する。緑化審議会から答申を得た。市民意見は、子育て世代の40歳代以下からも多くの意見があり再整備の方向に8割が賛成。
自転車の安全教育を中心とした交通学習ゾーン、すこやかゾーン、御土居ゾーン、防災機能強化ゾーンを効果的につなぎ、地域にひらかれた安心安全のモデルとなる公園として整備に取り組む。
市バス特37号の延伸と増便を
 次に、市バス特37号の延長と便数増大について質問します。
 今年4月から、本格運行となった市バス特37号は目標としていた一日乗車数110人を超えました。
 3月18日のから上賀茂・西賀茂地域のバス運行の均一区間化による市バス乗車の利便性の向上なども乗車数の増加に繋がっていると思います。何よりも地域住民にとって、必要とされていた市バスの運行であり、モビリティマネージメントの取り組みも評価できます。柊野自治連合会の夏まつりでの『特37号系統の利用促進のキャンペーン」として、市バスの職員さんによるゲームなどの取り組みや、『柊野地域・市バス特37号系統沿線だより』の発行などの取り組みが行われてきました。
そして、7前からバスを走らせる取り組みを粘り強く行って来られた『住みよいまちづくりを考える会』の皆さんによるアンケート活動や署名活動で住民の要望を聞き、交通局への要望活動の取り組み等により、住民の意識が高まってきていると考えます。
 7月5日に開催された利用促進会議においても、増便とルート拡充の要望が多いことが議論されています。地域住民に喜ばれ、愛される市バス路線とするためには、通勤通学に利用しやすい朝や夜の時間帯の増便と、西賀茂北部へのバスルートの拡充が必要です。西賀茂北部への延伸は困難としていた高橋西詰付近の段差については、建設局北部土木事務所が一年前に現地調査を行い、舗装のかさ上げ等でバス走行を可能にする改良はできると判断されています。延伸のための改修は交通局の決断次第です。
 2010年7月に『住みよいまちづくりを考える会』の皆さんが実施された西賀茂北部の地域アンケートでは、バスが走れば利用すると回答した方が一日あたり約280人ありました。本数が増えバスルートが延伸されれば、必ず利用者数はさらに伸びることになります。
 市バス特37号の増便と延伸の決断の時ではないでしょうか。お答えください。以上で第1質問を終わります。ありがとうございました。
(交通局長)平成26年3月に試行運行を開始した。地域の熱心な活動で乗客が順調に増加、本年本格運行に移行した。延伸については高橋周辺の段差だけでなく、道路の舗装や停留所設置の可能性などの検証が必要であり、現時点では困難。増便については、利用状況を注視する必要がある。引き続き公共交通利用促進会議と連携し、さらなる増客に取り組む。
 敬老乗車証の現行制度の継続や大宮交通公園の再整備のあり方、市バス特37号の増便と延伸は市民の切実な要望であり、市に届けられている声に耳を傾け、応えるべきです。
 LGBT等の対策については、さっそく、当事者や支援団体の皆さんの要望をしっかり聞き、京都市としてできることを早急に進めることを強く要望し私の質問を終わります。

議会開催年月別目次

開催議会別目次

ページの先頭へ