日本共産党市会議員団は、わが党以外の全会派が提案している国への意見書「ギャンブル等依存症対策などの抜本的強化を求める意見書(案)」に反対していますので、その理由を述べ討論を行います。
京都市はギャンブル依存症対策講座を開くなどさまざまな啓発活動を強化し、民間の活動をサポートするなど、依存症対策の強化を強調しています。しかしギャンブル依存症による自己破産、家庭崩壊、犯罪などの深刻な問題は後を絶ちません。日本は世界最悪のギャンブル依存症大国であり、ギャンブル依存症対策は喫緊の課題です。
ところが本意見書案は、ギャンブル依存症被害を減らすどころか、逆に増やす「特定複合施設区域の整備の推進に関する法律」いわゆるIR法の施行を前提としているものです。
「IR法」は、カジノ(賭博場)を中核とする「カジノ解禁推進法」です。カジノ容認の諸外国の実態をみても「カジノ」の設置がギャンブル依存症患者を増やし、国民の苦難を増やしていることは明らかです。容認することは出来ません。 メディアの全国世論調査でもカジノ解禁反対は6~7割を占めます。わが国はすでに500万人を超すギャンブル依存症被害を抱える国です。形ばかりの「依存症対策」を持ち出し、それをカジノ合法化の方便に使うのはあまりにも無責任です。「ギャンブル依存症対策」をいうなら「カジノ解禁推進法」自体をまずやめるべきです。
加えて カジノは刑法が禁ずる賭博であり、他人の不幸の上に成り立つビジネスです。カジノで依存症患者を増やしながら、カジノのもうけで対策を採るというのはいわゆる"マッチポンプ"との批判は免れません。カジノ解禁推進法はカジノ施設の目的を「財政の改善に資する」としていますが、カジノを財源としては国や自治体がますます"ギャンブル依存体質"になり、依存症対策とは相容れません。
日本共産党市会議員団は、以上の問題を指摘し、「カジノ解禁推進法」の廃止を強く求めて、反対討論とします。