核兵器禁止条約に賛同することを求める意見書に対する賛成討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

核兵器禁止条約に賛同することを求める意見書に対する賛成討論

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終了本会議討論
やまね智史議員
 私は日本共産党京都市会議員団を代表し、「核兵器禁止条約に賛同することを求める意見書(案)」への賛成討論を行ないます。
 広島・長崎への原爆投下から70年余り、ようやく人類は「核兵器のない世界」への画期的な一歩を踏み出しました。昨年末の国連総会において、113カ国、圧倒的多数の賛成で「核兵器禁止・廃絶のための国際条約の交渉を行う」ことが決議されました。今年3月の国連会議・第1会期では、参加国は115カ国を超え、核兵器禁止条約への合意がつくられました。さらに、この5月22日には、エレン・ホワイト議長によって核兵器禁止条約の草案が発表されました。この草案は、6月15日から行なわれる国連会議・第2会期で議論され、7月7日までに核兵器禁止条約が採択される予定です。可能な限り多くの国連加盟国の賛同を得て採択されることを強く期待します。
 条約の草案は、その前文で、核兵器がもたらす人道上の破滅的結果を強調し、「核兵器使用の被害者(ヒバクシャ)および核実験被害者の苦難に留意」すると述べています。さらに、核兵器廃絶のための「市民的良心の役割」「多数の非政府組織およびヒバクシャの取り組み」を強調しています。被爆者をはじめ、日本と世界の草の根の運動、その願いを正面から受け止めた草案が起草されたことは、大きな意義を持つものと考えます。
 また、草案は、核兵器の「開発、生産、製造、取得、所有、貯蔵、移転、受領、使用、核実験」などを禁止し、締約国は、「その領土と管轄地域への核兵器の配置、導入、配備などを禁止する義務を負う」とされ、文字通り核兵器を違法化する内容となっています。
 核保有大国からは、「そのような条約をつくっても核兵器の削減に結びつかない。意味がない」との声が聞こえてきますが、そんなことは決してありません。かりに最初は核保有国の参加が得られなかったとしても、国連加盟国の大多数、その政府の賛成によって核兵器禁止条約を締結することができれば、核兵器は人類史上初めて「違法化」され、あらゆる兵器のなかで最も残虐なこの兵器に「悪の烙印」が押されることになります。そのことにより、核兵器を保有し、使おうとする国は、政治的・道義的責任を大きく問われることになります。
 ところが日本政府は、昨年10月末の国連総会第一委員会において「核兵器禁止条約に関する決議案」に反対しました。3月の国連会議では「交渉に参加しない」と表明し、その理由を「核保有国と非核保有国の分断を深めるため」と弁明しています。
 しかし、分断を深めているのはどちらでしょうか。核保有大国は、2000年のNPT(核拡散防止条約)再検討会議で「自国核兵器の完全廃絶を達成するというすべての核保有国の明確な約束」に合意しました。2010年のNPT再検討会議では「核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みをおこなう」ことに合意しました。ところが、これらの国際社会への約束を実行するどころか、「段階的アプローチ」の名で核兵器廃絶を永久に先送りし、自国の核軍備を近代化・強化する態度をとっています。全会一致で確認した『核兵器のない世界』への約束を自ら破り、核軍備増強に走る。『分断』をつくっているのは核保有大国とそれに追随する一部同盟国の側ではありませんか。
 唯一の戦争被爆国である日本政府が、核兵器禁止条約の国際交渉、「国連会議」の開催に反対する態度をとり、核保有国に追従していることに、国内外で失望と批判が広がっています。国連会議の場で演説された被爆者の藤森俊希さんは、日本政府の姿勢について「心が裂ける思い」と語りました。サーロー節子さんは、「母国に裏切られた」「交渉に全面的に参加する能力のない日本政府を糾弾したい」「日本国民の意思に応えて自主的な立場をとるべきです」と訴えられました。
 国連加盟国の圧倒的多数の諸国が求めている核兵器禁止条約に、核保有大国の協力を迫ることこそ、被爆国政府のなすべきことではないでしょうか。
 京都市においては、門川・京都市長が、昨年、ヒバクシャ国際署名に賛同し署名されました。2月議会では我が党議員の代表質問に、総合企画局長が「(ヒバクシャ国際署名は)被爆者が自ら始められた尊い活動。市長も趣旨に共感され、ご要請も受け、署名に至った」と答弁されています。京都市も加盟し、核兵器廃絶と恒久平和実現を訴える平和首長会議でも、昨年11月7日に開かれた国内加盟都市会議・総会において、ヒバクシャ国際署名に賛同・協力することを確認しています。
 いまこそ世界恒久平和の実現を目指す都市・京都市から、被爆者のみなさんと力を合わせ、「国に対し核兵器禁止条約への賛同を求める」、この声をあげることを心から呼びかけまして、私の討論と致します。

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