日本共産党京都市会議員団は、「家庭ごみ袋代の値下げ」を求める請願の不採択に反対の態度を表明しておりますので、私は議員団を代表し、その理由を述べ討論を行います。
本請願では、「市民生活の厳しさ」に加えて、家庭ごみ有料指定袋制により「京都市の収入は必要経費を差し引いても年間10億円以上」であることが指摘され、「市民の希望は展望台よりごみ袋代の値下げ」だと訴えられています。京都市の家庭ごみ有料指定袋制は、市民生活、地域経済が厳しいなか、税金とは別に市民・家計が毎年17億~19億円を負担するものであり、その負担は大きいと言わざるをえません。ごみ袋代を値下げし市民負担を軽減することが、いま必要ではないでしょうか。
さらに、市民のみなさんが払ったごみ袋代が、ごみ処理以外の事業や環境政策局以外の事業に使われていることに大きな批判が寄せられています。この間再三指摘しているように、京都市のごみ袋代は、地方自治法にもとづき「ごみの収集・運搬・処分に対する手数料」として徴収しているものであり、その使い道は当然ごみ処理関連経費に限られるべきものです。市当局も「法律上はそのとおり」と認めたうえで、「予算決算の処理上」「全額ごみ処理経費に充てている」と答弁してきました。だとすれば、ごみ袋代の売上げは、平成27年度決算で約17億7900万円であり、ごみ処理経費全体229億円のほんの一部ですから、余っているお金などないはずです。ところが、ごみ袋代収入から袋の製造経費を差し引いた額の同額を毎年「有料化財源」と名付けて様々な事業に使っているのですから、「事実上流用されている」「本来の目的と違う事業に使われている」と、市民のみなさんが批判することは当然です。
有料化財源活用事業として行われている「街路樹整備」「商店街の街路灯LED化」「省エネリフォーム支援」などが、本当に必要な事業であれば、産業観光局や建設局など、それぞれの局でしっかり予算化すればいいだけの話です。ましてや、2億5000万円もかけてクリーンセンターに必要のない展望台を建設するなど、市民の納得を得られるものではありません。
請願審査では、「ごみ袋代を値下げするとごみが増える」というリバウンド論についても、「明確な根拠はないが」とあいまいな答弁がくり返されました。条例も新しくなり、雑がみやプラ製容器包装の分別義務化など、さまざまな施策に市民が協力しているもとで、「値下げすればごみが増える」というのは、あまりに市民のみなさんを信頼していないということではないでしょうか。
京都市の資料を見れば、平成26年度から27年度にかけて、家庭ごみが5000トン減ったのに対し、事業ごみは1万7000トン減っています。事業ごみの減量対策に力を入れることでさらなる展望が開かれます。ごみ減量の基本は、市民への経済的負担を増やすのでなく、まずは徹底した分別・リサイクル、京都市も取り組んでいる2R・発生抑制、そして根本的には、商品を製造する企業の製造者責任を明確にすることが最も肝心です。
この1年、くらし環境委員会のなかでは、他会派の議員からも「市民のみなさんの負担だけが増えているのではないか。ごみ減量が達成できるのであれば、有料化も見直す時期に来ているのではないか」「ごみ袋10枚入りを11枚入りにしてお得感を出してはどうか」などの意見も出されました。このことからも、与野党を問わず、ごみ袋や有料化財源のあり方について、見直しが必要だという方がおられるのではないでしょうか。
あらためて、市民負担の軽減、家庭ごみ袋代の値下げを求めて、討論と致します。