TPP協定に関する意見書についての討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

TPP協定に関する意見書についての討論

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終了本会議討論
西村よしみ議員
 私は、日本共産党京都市会議員団が提案しています、「今国会でTPP協定を批准しないことを求める意見書」(案)に賛成し、民進党京都市会議員団が提案されている「環太平洋経済連携協定(TPP)に関する意見書」(案)に反対し、議員団を代表して討論をいたします。
 参加12か国による環太平洋経済連携協定(TPP)については現在、批准案と関連法案が国会に提案されていますが、政府は、国会での議論の前提である資料の多くを「のり弁」の様に黒塗りで提出し、他国との交渉過程も公開しないなど、国民に対して情報公開が全く不十分なまま国会通過をさせようとしており、国民の不安や懸念は増すばかりであります。
 TPPの内容は、農林水産物の関税を撤廃し、重要5品目についてもコメや乳製品など無関税輸入枠やTPP枠を新たに設定し、牛肉・豚肉の大幅な関税引き下げ、果実や野菜及びその加工品における関税撤廃なども含まれ、国会決議から明らかに違反するものであります。その上、「TPP対策」の前提とされる貿易関税障壁で「輸入米の偽装問題」が発覚し、TPP対策の大前提が崩れる問題も起こっています。
 また、国会に提案されている内容には、公共工事、医療・保険分野、食の安全、投資家・国家間紛争(ISD)条項、など各分野に大変大きな影響を与えるものが含まれ、国民にとっても京都市民にとっても悪影響が懸念され、国民、各界から撤回の声が上がっています。このもとで、国会でTPP協定の批准案や関連法案の通過は認められるものではありません。
 したがって、政府においては、各国とのTPP「交渉過程」の詳細と協定本文を速やかに全面開示し、国会・国民の議論を保障し、今国会でTPP協定を批准すべきではありません。
ところが事態は「強行採決」が懸念される極めて重大な状況です。
 自民党のある衆議院議員は会合で、「TPPの委員会で強行採決という形で実現するよう頑張らせていただきます」と発言し大問題となりました。さらに政府側の山本農水大臣も「私は内心思っております。強行採決するかどうかは、この佐藤さんが決める。ですから私ははせ参じた」と国会審議を無視するような全くひどい発言をしました。
 この事態の中、「強行許すな」と国民も厳しく批判しています。民進党の国対委員長は、「巨大与党のおごりと緩み以外の何物でもありません。国民に説明する気があるのか」と厳しく批判したのであります。同党議員のみなさんから今国会での対応について、TPPの「批准と内容の2つの面で問題がある」「今のところ是とするような内容で国会審議が進むとは感じていない」(民進党広報委員会ホームページ)と見通しを語っています。また、先日、開かれた、「TPPを今国会で批准させない京都大集会」には、市民のみなさんとともに、様々な政党からの連帯のメッセージが披露されました。
 このもとで、国民のみなさんの願いに応えるために、わが党が提案しているとおり、「今国会でTPP協定を批准しないこと」が必要であって、意見書への賛同を求めて、討論を終わります。

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