河合ようこ議員の代表質問 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

河合ようこ議員の代表質問

写真
本会議代表質問
河合ようこ議員
 西京区選出の河合ようこです。日本共産党議員団を代表して、質問します。
こどもの貧困の実態把握を

 子どもはみんな平等に成長し発達する権利があります。しかし、今、親の失業や病気、低収入など家庭の経済状況によっては、その権利が阻害される状況=子どもの貧困が、大きな問題になっています。2012年の子どもの貧困率は、16.3%、約6人に1人が貧困です。生まれ育った環境によって子どもの将来を左右させてはならないと、2013年国会において「子どもの貧困対策推進法」が全会一致で成立しました。貧困率の削減目標を盛り込まないなどの不十分さがありますが、子どもの貧困対策の総合的な策定、実施に対する国や地方自治体の責務などを明記しており、事態打開の第一歩であります。
 本市の子どもの状況は、どうでしょうか。十分に食事がとれず、学校の給食がない夏休みの後は、体重がかなり減っている子があるとの事例も報告されています。就学援助認定率が小学校で21%、中学校では26.4%、4~5人に一人が就学援助を受けている状況は注目すべきです。子どもの貧困問題の解決の具体的な対策をとるために、大阪府や沖縄県などでは子どもの実態調査が行われています。福岡市では来年度調査する予算が計上されています。本市も、まず、子どもの貧困に関して実態調査をすべきだと思います。いかがですか。
(藤田副市長)貧困家庭等の子どもの実態は、福祉事務所や保健センター、学校現場で、きめ細かく把握している。生活保護、「第2のセーフティーネット」の拡充、就学援助や学習支援、児童養護施設や母子生活支援施設入所児への進学支援事業の創設等、施策を充実している。今後も生活実態を把握しつつ、貧困家庭の子どもが希望をもって心豊かに育つことができる環境づくりに、全力で取り組む。
こどもの医療費を中学卒業まで無料に

 子どもの貧困対策の一つとして、また、子どものいのちと健やかな成長のために、子育て世帯の願いに応える施策として、子どもの医療費の無料化拡充と、全員制のあたたかい中学校給食の実施が不可欠だと考えます。まず子どもの医療費について質問します。
 子どものいのちと健康を守る、それは国や自治体の責任です。子育て中の方と話をすると、子どもの医療費無料化の要望が強いことを実感します。本市では昨年9月から 医療費助成の対象が中学校卒業まで拡充されました。しかし、3歳以上の通院について月3000円までの自己負担は変わっていません。月平均1件あたりの支給額は2178円ですから、3000円まで自己負担という制度は「お金の心配をせず、医療を受けたい」との願いに応えるものにはなっていません。本市の子どもの医療費助成が京都府内で一番遅れていることは、市長も認識されているはずです。子ども医療費助成をしている自治体の国保へのペナルティ廃止を国が検討するなど、子どもの医療費の無料化の位置づけが前向きに動いています。国や京都府を待つのでなく、子育て世帯を支援し、子どものいのちを守るために、一刻も早く中学校卒業まで通院医療費の無料化を実施すべきです。いかがですか。
(市長)子ども医療費を中学校卒業まで無料化することは、多額の経費が必要となり、困難。今後、限られた財源を重点的に配分し、市会決議も踏まえ、府とも協議を重ね、3期目の任期中に実現する大切な公約の1つとして、充実を検討する。本来全国一律に実施されるべきであり恒久的な補助制度の創設を、強く要望する。
全員制の中学校給食を計画的に実施せよ

 次に、中学校給食についてです。子どもの食事について「朝食を食べて来ない」「学校の給食が唯一の食事」「いつも孤食」という子どもの実態があり、この現状をなんとかしようと、地域で子どもと一緒に食事する「子ども食堂」のとりくみが広がっています。食は生きるために欠かせないものです。本市の小学校では自校式のあたたかい給食を全員が食べていますが、中学生の給食は選択制で、その喫食率は3割程度。他の生徒は家庭から持参したお弁当、菓子パン、コンビニ弁当、そして、何も食べないで過ごすなどさまざまです。中学生に必要な栄養が確保されているとは言えません。給食代は就学援助の対象ですが、就学援助受給世帯の生徒の喫食率は2010年で5割程度です。「給食は教育の一環」ですから、全員に平等に保障されるべきです。近年、全国的に全員制の中学校給食が広がっており、大阪市ではあたたかいおかずで分量調整、アレルギー対応もできる学校調理方式をすすめると予算化しています。川崎市では「学校給食は、子ども達に必要な栄養を補完するだけでなく、集団生活の中で友人や先生と一緒に昼食をとることを通じて社会性を身につけるとともに、食に関する正しい知識を習得し、...望ましい食習慣を形成するなど、中学生にとっては特に重要なもの」として来年度中に全員給食を実施しようとしています。府内でもあちこちの自治体で検討が始まっています。本市では和食文化が見直され、小学校では食器の改善など給食の充実が図られていますが、同じ義務教育でも中学校では食べているものがバラバラで、給食を通した食育は難しいと言わざるを得ません。一方で本市は「選択制給食」を基本としながらも、小中一貫校では自校式の全員給食を導入しています。それが望ましいと考えているからではありませんか。ぜひ全校で実施をすべきです。この間、委員会では「200億円もかかるので困難」と答弁されています。しかし、他都市では本市ほど多額予算がかかるという試算はでていません。学校給食施設を新設する際には国から2分の1の補助もあります。本市も計画的に進めることは可能ではありませんか。選択制の中学校給食開始から15年近く経過しています。子どもをめぐる状況も変わっています。生徒や保護者の意見も聞き、どうすれば実現できるのか、各校の状況を勘案し、全員でのあたたかい中学校給食を計画的に実施するよう求めます。いかがですか。
(教育長)手作り弁当か給食かを自由に選べる選択制を、15年間円滑に運営し定着している。給食の選択が70%近くから10%程度まで、学校により大きな幅がある。手作り弁当の教育的効果を生かすことを方針とし、学校と家庭で継続的に教育活動や生活指導に取り組む学校がある一方、弁当の持参が困難な家庭が多い学校では、給食の利用を積極的に進めている結果。学校現場や生徒・保護者の意見も聞きながら、選択制の中学校給食の充実に努める。
保育料の軽減を

 次に保育について質問します。まず保育料のことです。子育て支援新制度の下、昨年4月に保育料が改定され、本市では在園児の26.7%、8125人が値上げになりました。国が年少扶養控除の「みなし適用」を廃止し、子どもが多い世帯ほど高くなるという少子化対策に逆行する事態もおこっています。本市では個々の世帯の年少扶養控除を加味した再計算をしなかったため、「保育料が高くなった」という悲鳴が数々寄せられました。月3万円も上がった方や「療養等で年収が500万円以上減ったのに1万3500円も高くなった」という方もあります。 子育てにかかる負担の軽減が子育て支援の重要な課題であるにもかかわらず、保護者の負担が増えるとは重大です。しかも、来年度予算案では、更なる値上げが提案されています。保育料の最高は89700円、年間107万6400円にものぼり、3歳児11時間保育の課税世帯の中には、35600円から45600円に、ひと月1万円、年間12万円もの値上げになった世帯が多くあります。2年連続で値上げになった世帯もあります。負担割合は国の示す保育料負担の基準より本市は低いと胸をはりますが、保護者にとって軽いものではありません。本市の公費負担を増やして保育料の保護者負担を大幅に引き下げるよう求めます。いかがですか。
 また、今回、政府の多子世帯の保育料軽減策が示されました。しかし所得制限があるため、本市における保育料の軽減は2人目に留まり、3人目以降の無料拡充は提案されていません。国からの軽減分も拡充に充て、3人目以降の保育料を 所得制限なしで全員無料にすべきです。いかがですか。
(藤田副市長)国基準より大幅な軽減を図っており、39億円の公費を投入してH28年度も保護者負担総額を国基準の約64%に軽減する。
 全ての第3子以降の保育料の免除については、一定以上の収入がある方には応分の負担をお願いすることが現状では妥当である。
認可保育所を増やし保育所入所待機児をなくせ

 次に、保育所入所について質問します。保育所入所できるかどうかは保護者にとって死活問題です。市長は「2年連続で保育所の『待機児童ゼロ』を達成した」と強調されていますが、実際には、保育所に入れず、困っている方がたくさんあります。昨年10月1日現在で、入所申請したのに1199人もの子どもが入れませんでした。西京区では保育所に入所できなかったママたちが「西京区に保育所ふやしてチーム」をつくり、地域の保護者の実態や声を担当課に伝えておられます。「京都市は『待機児童ゼロ』と聞いて引っ越して来たが、「西京区は保育所入所の『激戦区』だといわれ、愕然とした」という声もあります。こういう現状があるにもかかわらず、繰り返し「待機児童ゼロ」達成したと、あまりにも実態を無視した発言に市民の怒りが広がっています。今議会への提案でも「『待機児童ゼロ』の継続」といわれています。今年1月のいっせい入所面接の時、「『フルタイムで常勤就労であれば必ず入所できる』という状況ではありません。積極的に希望施設の追加を検討してください」という貼り紙をされる所もありました。市長、あなたが「ゼロ」達成という数字に固執する姿勢が職員にこのような対応をさせたのではありませんか。これでは入所前から保護者の不安は大きくなるばかりです。大事なのは、安心して保育所に入所できることです。現状では申請しながら入所できず、職場復帰できないまま育休を延長している方や、希望する保育所に入れないためやむを得ず遠距離通所している方があることを市長は認めますか。はっきりとお答えください。
 また、小規模保育は家庭的な雰囲気が良いので選びたいが、3歳児以降の受入れ先が心配で、申し込むのを躊躇するという声があります。小規模保育の事業者からは近くの保育園に「連携保育園に」とお願いしても 3歳児の受け入れ枠が少なく、応じてもらいにくいと困っておられます。市長はこのことを認識されていますか。小規模保育の後、子どもの受け入れができる保育所がまだ足りません。認可保育所をもっと増やすべきです。いかがですか。
(藤田副市長)利用申込みがあり、保育が必要と認定された児童について、丁寧に入所調整を実施、国の定義に基づく待機児童ゼロを2年連続で達成した。今後も事業計画に基づき、受入枠の拡充等を着実に進め、引き続き小規模保育等から移行する3歳児の全員を受け入れる。保育を利用しやすいと実感していただけるよう.取り組む。
市営保育所の廃止撤回を

 次に、市営保育所の廃止についてです。保育の充実や保育所増設の要望が強い中、本市はたった25か所しかなかった市営保育所をすでに4か所廃止し民間移管しました。今議会にも2か所の廃止が提案されています。市営保育所の保護者からは「わが子は障害があり...運動会には当日の細かな段取りや練習時の様子、当日予想される子どもの様子など、十分に話し合う時間をとっていただいた。普段でも暖かく関わってもらっている」「いつも安心して預けられる」「先生の勤続年数が長い...のはやりがいを感じ、安心して働くことができるから。だから保育の質も上がる」と市営保育所の存続を求める声が寄せられています。1月22日には聚楽保育所の存続を求める署名5044筆が保護者から提出されました。市営保育所が1か所もない西京区の方からは「保育所が足りない西京区に市の責任で保育所をつくるべきだ」という声もあがっています。民間移管することを市民も保護者も納得していません。障害児の受入れ、アレルギー対応、地域の子育て支援等に果たしてきた市営保育所の役割が、以前にも増して大きくなっている下で、どうして廃止なのか。最大の理由を「公立はコストがかかる」とされていることに憤りがひろがっています。市長、子どもを育てる仕事を安上がりにしてよいとお考えですか。「子どもの最善の利益」を考えない、コスト削減のための市営保育所の廃止方針は撤回すべきです。いかがですか。
(藤田副市長)市営保育所の民間移管については、保護者の意見を尊重しながら、民間保育所の実践も生かし、丁寧な引継ぎ・共同保育を行う等、円滑に取り組む。
保育所の人不足解消へ、処遇改善を

 次に保育所の人不足について質問します。昨年11月市会では「保育士等の確保を求める」決議が全会一致で可決されました。決議は「保護者や地域への子育て支援に応えるために、...保育の質の向上が求められ...職員の安定した継続確保は急務である」と述べ、「業務責任の重さに見合った処遇の改善」を求めています。来年度予算案には、福祉人材確保の対策がもりこまれていますが、根本的には職員処遇の改善、給与引き上げが急務です。園長先生や主任保育士さんから伺った「給与引上げ、処遇改善を」の要望は切実でした。民間保育園が9割を占める京都の保育の質を守るために、長年京都市と保育関係者が協力して作り上げてきた民間保育所職員の処遇改善の制度『プール制』が根本から崩され、ポイント制や各保育園の裁量制が導入されてから、保育園によって給与に格差が生じています。保育現場に求められるものは大きくなっていますが、定期昇給の仕組みは崩れ、一時金削減や昇給停止などで、仕事のきつさに見合わない給与に先の展望をもてず、職員が泣く泣くやめて行くといわれています。市長、保育現場の職員確保、定着のためには、以前のプール制のように経験に応じて昇給するしくみにすること、給与を引き上げることがどうしても必要だと考えます。いかがですか。
(藤田副市長)職員の確保・定着を図るため、本市独自に毎年40億円を超える予算を確保し、国基準を上回る職員配置と職員の処遇改善を図っている。全国トップクラスの保育水準の維持に努める。
学童保育所、児童館を増やせ

 次に、学童保育について伺います。学童保育は入所申請者を全員受け入れ「待機児童ゼロ」とされていますが、申請前に断っている事例もあり、入所や就労をあきらめた方もあります。対象が6年生までに拡大され、登録児童はさらに増えています。70人を超える所が78か所、その内100人を超える所も23か所もあります。大人数の声が響き渡って騒然としている所、静養スペースが確保できない所もあります。学童保育併設の児童館では 学童保育の児童が膨れて、児童館事業への支障もでてきています。新たな学童保育や児童館を整備することなく、分室などを「施設外クラス」として正規の指導員を増やさない、新たな実施は地域学童クラブや放課後ほっと広場で、という安上がりの対応は問題です。これで子どもたちが放課後を豊かにすごす居場所だといえますか。放課後の子ども達の生活の場にふさわしく学童保育の整備と職員配置をすべきです。施設外クラスは臨時的措置とし、学童保育所、児童館を増やすよう求めます。いかがですか。まずここまでの答弁を求めます。
 子どもの医療費助成について、市長から答弁がありました。子どもの貧困が問題になっている中、お金のことを心配して子どもを病院に連れて行けない保護者があることを数々聞いています。子どもの命に関わることです。一刻も早い医療費無料の拡充を求めます。
(子育て支援政策監)学童クラブ事業は、130館の児童館での実施を基本に、放課後ほっと広場や地域学童クラブ等も含め169箇所で実施。子ども・子育て支援新制度の基準に基づいて、新たに114名の職員を採用、総数622名の職員体制に、また小学校の余裕教室や地域の集会所等を活用し、新たな面積を確保している。
 今後も、利用状況に応じた職員の配置や実施場所の確保、放課後ほっと広場や地域学童クラブの新設で待機児童ゼロを継続、放課後まなび教室とも連携し、放課後の児童の安心安全な居場所づくりに取り組む。
介護保険料の引き下げを

 次に、介護問題について質問します。
 安倍政権は、昨年の改定で介護報酬をひき下げ、要支援の方の生活援助やデイサービスを保険給付から外して総合事業への移行を進めています。さらに要介護1・2の方の生活援助を保険から外し、利用料負担の引上げなどを議論の俎上にのせています。社会保障審議会では「家族介護が必要となり、介護離職ゼロも達成できなくなる」「重度化を早め、介護財政を圧迫するだけ」「重度化を防いでいる軽度者の支援をやめるのは本末転倒だ」と批判が続出しています。この政府の改悪に抗議の声を上げなければなりません。
 まず、介護保険料の問題です。本市では昨年4月から基準額が6080円になり、政令市で5番目、値上げ幅は4番目の高さです。月6万7千円の年金から1割近くの保険料が天引きされ「保険料が高すぎる」「保険料を払ったら生活費がなくなってしまう」などの声があふれています。市長は、この介護保険料が高いと認識されていますか。高齢者の負担は限界です。介護保険料の引き下げ、本市独自の減免制度の充実が求められています。いかがですか。
(藤田副市長)第6期保険料について、低所得者の負担軽減策を国に強く働きかけた結果、公費を確保し、第1段階の保険料額を概ね据え置き本市独自の減額制度を継続している。
特別養護老人ホーム増設を

 「特養に入りたいけど、費用は高いし、入れる施設がない」と肩を落とされる高齢者。特別養護老人ホームの待機者は昨年7月現在で4616人にも上っています。本市の『長寿すこやかプラン』に掲げる2017年度までの整備目標は3年間でわずか577床。今の待機者からみてもたった12%程度で、全く必要な整備数になっていません。これでいいとお考えですか。目標を引き上げて、さらに整備を進めることが必要ではないでしょうか。いかがですか。
(藤田副市長)特別養護老人ホームの入所申込者数については、要介護4、5の在宅の方は1,601人。3か年で、特養577人分に加え、認知症高齢者グループホーム等の入所系サービスを含めて合計2,029人分を整備する。在宅サービスの充実も図り、入所・在宅の両面から高齢者の生活を支える。
介護職員の処遇改善はまったなし

 介護職場の人不足も深刻です。介護職には、高い介護の知識と技術、高齢者の人権を尊重する専門性が求められます。夜勤等の交代勤務や訪問活動などは、体力も忍耐も求められます。にもかかわらず、給与は他業種より月9万円以上低く、「夜勤をしても月20万円にもならない」という声も聞いています。志をもって介護職についた職員が「やりがいはあるが、賃金の低さに、結婚や子育てをしていけるのかと自信がない」と、次々現場を去っていき...職員募集をかけてもかけても応募がない、と施設長さんは困っておられます。介護士志望の学生が減り、市内でも来年度の介護福祉学科の募集を停止した学校がある程です。専門性を身につけた人がいなくては福祉の現場は成り立ちません。職員確保には、処遇改善が不可欠、まったなしです。自治体独自に介護職員確保、処遇改善に取り組むところも増えてきています。本市も、市内1万5千人の介護労働者に対し一人年間10万円の給付金制度を創設することを求めます。いかがですか。
(保健福祉局長)介護職員の処遇については、国において、今年度で月額12,000円、平成21年度以降合計で月額42,000円、年間約50万円以上の改善が図られている。更に取り組む必要があり、引き続き、国へ強く要望する。
65歳以上の障害のある方の問題について

 次に、65歳以上の障害のある方の支援について質問します。障害がある方が65歳になったとたん、それまでの支援が受けられなくなったり、負担が増えたという声をきいています。障害者総合支援法では非課税の障害者は利用料無料ですが、介護保険は原則1割負担です。実態に合わないという当事者の声もあり、厚生労動省は「一人ひとりの意向を把握した上で適切に運用するよう」市町村に求める通知を出しています。しかし、「支援の時間は減ったが、負担は0から1万5千円になった」という方があります。本市の対応が変わっていないからではありませんか。介護保険で足りない分は上乗せをといいますが、「京都市の上乗せの条件は厳しい」との声が上がっています。障害のある方が日々当たり前に暮らすために必要な支援の問題です。国では障害者総合支援法の見直しが議論されていますが、それを待つことなく必要な支援を受けられるように、直ちに本市の対策を求めます。そして、この問題の根本にある障害者総合支援法の第7条「介護保険優先原則」と応益負担をやめるよう国に求めるべきです。いかがですか。 
(保健福祉局長)65歳になられたら、福祉事務所、保健センター等で生活状態等を丁寧に聞き、可能な方は介護保険を優先して利用、不足する場合には、必要に応じて障害福祉サービスを上乗せするなど、適切に対応している。国の社会保障審議会障害者部会で「介護保険優先原則に合理性がある」「利用者負担は更に検討すべき」とされた。国の議論を注視し、上乗せする際の基準の明確化や、財政上の措置を求める。
敬老乗車証の応益負担方針撤回を

 さて、市長選挙では、敬老乗車証のあり方が市民の大きな関心となりました。本市は今年9月の制度見直しはしないと表明されており、安堵されている方が多くおられます。しかし、2013年10月に出された「基本的な考え方」の方向、すなわち「一定回数無料のあとは、乗るたびに決められた運賃を払う「応益負担」制度に変えるという方向はそのままです。「制度を持続可能なものにするため」ともいわれますが、「応益負担」にすれば、「高齢者の社会参加を支援し、もって高齢者の福祉の増進に寄与する」という目的や敬老という理念は「持続不可能」になります。年金引き下げ、介護や医療の負担増、消費税増税で、厳しさを増している高齢者に、新たな負担を強いることになります。「負担金を払って交付をうければ、市バス・地下鉄に無料で乗り降りできる敬老乗車証だからこそ出かけられる」「本当にありがたい」「乗る度負担となったら今のようには出かけられない」これが市民の声です。だからこそ、本当は負担金をもっとさげてほしいが、無理なら「せめて今の制度を維持して欲しい」という意見が市民意見で一番多かったのではありませんか。この市民の声をしっかり受け止めて下さい。応益負担方針の撤回を強く求めます。いかがですか。
敬老乗車証の共通化を

 敬老乗車証の全市平均の交付率は、昨年49.49%です。伏見区や南区、西京区はもっと低く、また学区によっても違い、西京区の大原野はたった27.7%です。低くなっているのは、乗れるバスが少ないからです。バスや地下鉄をもっと便利にして敬老乗車証が使えるようにしてこそ交付率もあがり、敬老乗車証の目的も果たせると思います。市内には大原野・上里地域のように市バスより民間バスの方が便利な地域もあり、民間バスにも敬老乗車証が使えるようにと市民の陳情や請願が何度も出されています。本市は「今の制度を変える時に、市バスか民間バスかを選択できるようにする」といいます。市民の願いは「どちらにも乗れるようにしてほしい」ということです。庁内での検討から6年以上も経過し、住民もそれだけ年を重ねられています。いつまでも待てません。現行制度でもできます。民間バスにもすべて敬老乗車証が使えるよう一刻も早い拡充を求めます。 
(保健福祉局長)高齢化が進展する中でも、社会参加を一層促進しつつ、世代間の負担の公平を図りながら、持続可能なものとしていく。より多くの方々に利用いただけるよう、一定回数無料、その後は利用ごとに相応の負担をお願いする。低所得者対策を講じ、民営バス事業者の協力の下、利用者の選択の幅が広がる方策を検討する。具体的な内容は、現役世代を含む市民や交通事業者等、多くの関係者の理解はもとより、ICカード化に伴う大きなシステム開発等も必要であり、引き続き充分時間をかけて検討を進める。
市バス均一区間の拡大を

 最後に、市バスについて質問します。市内周辺地域の市バスの運行本数・バス路線の拡充・運賃の要望は切実です。バスはくらしの足だからです。西京区では「バス停まで遠いのでシャトルバスの運行を」「区役所に行けるバス路線を」という要望や「バス代が高すぎる」「同じ税金払っているのに、なんで一日乗車券が使えへんのや」という声を多数聞いています。一昨年、嵐山地域で、この3月からは左京区の修学院・岩倉地域で均一運賃区間が拡大され、一日乗車券が使えるようになりました。500円で乗り放題の市バス一日乗車券は多くの市民や観光客に利用され好評です。ところが、均一運賃区間にしか使えません。住民の不公平感は大きいものがあります。例えば、阪急桂駅から大原野南春日町までの運賃は410円。区内の往復だけで一日乗車券より高いのですから当然です。また、学生のまちと言うなら、周辺部にある大学の学生さんの学び・暮らしやすい環境として高い運賃の解決も求められています。本市には多くの観光客が訪れられます。観光していただきたい場所は、均一運賃区間の外にもたくさんあります。観光客に「ここは一日乗車券が使えます」「ここは使えません」というのでは 国際観光都市を標榜する街としてはお粗末ではありませんか。市内全域で一日乗車券が使えるように、また運賃が最大でも均一料金区間と同じになるように、との声に応えるよう求めます。いかがですか。
(小笠原副市長)要望を実現するためには、基本的には市バス全線の均一運賃化が必要。競合する民間バス事業者との合意が、国の通達で求められている。民間経営への影響が大きく進展が見られなかったが嵯峨・嵐山地域に続き岩倉・修学院地域にも拡大する。西京区内では、多くの事業者が競合し、非常に困難だが、分かり易く便利な均一区間の更なる拡大に向けて、粘り強く協議を重ねる。
 以上で 私の質問を終わります。

議会開催年月別目次

開催議会別目次

ページの先頭へ