私は、日本共産党市会議員団を代表し、自民党、公明党、無所属の森川議員、清水議員提案の医療制度に関する意見書案には反対し、わが党日本共産党市会議員団提案の医療制度に関する意見書案に賛成する討論を行います。
意見書にある国民皆保険制度を堅持すること。医療・介護を提供するための適切な税源を確保することは重要です。又、医療機関の控除対象外消費税の問題の抜本的解決についても、日本医師会は、仕入れ税額控除が可能な課税制度に改めることや患者負担のないゼロ税率が理想的解決とされるよう、政府に要望されています。これらの点においては、我が党市会議員団の提案とも一致するところであります。
しかし、医療介護の現状と地域包括ケア等の取組に対しての評価には相違があります。
まず、国民の暮らしを圧迫し、医療機関の運営をも窮地に陥れている根源に消費税増税があります。増税をおこなうことは社会保障の原則を破壊して貧困と格差を拡大させ、いっそうの受診抑制が危惧されます。増税ありきの対策ではなく、消費税増税そのものを中止する立場に立つことが重要です。
さらに、自民、公明、無所属2名提案の意見書案には京都市版地域包括ケアシステムの構築等をあげられていますが、現在政府が進めようとしている地域包括ケアシステムは国民を医療や介護から追い出すものになっています。医療・介護総合法は、診療報酬改定とあわせ、高度急性期の病床を削減し、患者を在宅医療や介護へ、いわば川上から川下へと誘導する仕組みをつくるものです。そのための地域医療構想の策定にあたっては、新たに民間病院にもペナルティーを科して病床規制を行います。
さらに、地域医療は、医師不足や看護師不足が進み、医療崩壊といわれるほど深刻な危機にあります。政府は「重度でも在宅で」の掛け声のもと、医療行為を看護師に移す「特定行為」として、訪問看護でさせようとしています。
介護の分野でも、要支援者向けの訪問介護と通所介護を介護保険サービスから外し、市町村が行う総合事業で、ボランティアなどを担い手に、安上がりのサービスに仕立て上げるものです。
特養ホームへの入所を要介護3以上に限定しようとしていることは重大です。
この様に政府が進める医療・介護総合法の大きな柱となっている地域包括ケアシステムは、社会保障と税の一体改革の具体化であり、国民の安心できる医療や介護の願いに反し、国の責任を放棄するもので、認められるものではありません。
以上、政府が進める社会保障を後退させる政策を踏まえ、医療制度の改革を求めることが重要であることを述べ、討論といたします。