「市立病院院内保育所の運営の充実を求める」請願の不採択に対する反対討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

「市立病院院内保育所の運営の充実を求める」請願の不採択に対する反対討論

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本会議討論
河合ようこ議員
 日本共産党議員団は、請願第256号『市立病院院内保育所の運営の充実』の不採択に反対していますので、私は議員団を代表して、討論いたします。
 市立病院院内保育所青いとり保育園は、市立病院で働く看護師、医師の労働を支え、子どもたちの豊かな育ちを保障してきた保育園です。今回の請願は、保護者の方たちから出されており、京都市立病院の職員が安心して働けるように、保育園の運営について保護者や職員の声を反映させて保育水準を一層向上させること、保育園の職員が正規雇用できるような条件整備を行うこと、病児・病後児保育も含めた保育園の運営に京都市及び京都市立病院が引き続き責任を持って行うことを求めておられます。至極当然の声だと思います。
 青いとり保育園は、2011年に市立病院が独立行政法人化されるまでは、京都市も関わった運営委員会が運営に責任を持ち、保育所の運営は京都市民間保育所プール制に準じて職員配置や職員給与が保障されてきました。しかし、2011年4月からは病院が株式会社ピジョンハーツに運営を委託し、職員の雇用は、園長も含めた全員が非常勤の1年間契約、給与は3割カット、4年間有期雇用とされました。雇用が不安定になり、先の見通しが持てず、5人もの職員が辞めていかれました。
 保護者が安心して働けるのは、子どもが保育所で安定して過ごしているなあと実感し、保育所を信頼して預けられるからです。いのちの現場で働く看護師や医師の子どもたちを保育する院内保育所では、緊急のオペが入ったり、患者対応等で保護者が時間通りに勤務を終えられない場合もあります。産休明けの赤ちゃんを年度途中から受け入れることも多く、職員には保護者の仕事への理解と柔軟な対応が求められています。だからこそ職員が集団的に保育を積み上げられるよう、仕事を辞めずに働き続けられる雇用の安定が欠かせないことなのです。
 院内保育園の現状について、有期雇用になって職員がやめていっても「支障がないと病院から聞いている」「問題は起こっていない」と局は答弁していますが、実際に子どもを預けている保護者からの意見聴取はされていません。請願とともに寄せられた保護者の声には「0歳の娘が目をキラキラさせて登園しています。先生方も安心しておまかせできる方で、青い鳥に通わせて良かったと思っています」「働く母をほんとうに手助けして下さっていることに感謝です。安心して預けられるので、仕事もがんばれます」と書かれています。
 株式会社に委託され、処遇が悪くなった下でも、「子どもの育ちを保障しよう」「保護者が安心して医療現場で働けるように」という保育園の職員さんの頑張りがあったからではないでしょうか。けれども、現場の善意と頑張りだけで保育の質を守り続けるのは困難です。看護師、医師確保が喫緊の課題となっている下で、院内保育所の役割はますます大きくなっています。
また、保育士不足も全国的な課題になっており、保育士の処遇の安定が本当に重要です。職員さんの頑張りや院内保育所の役割を実感されている保護者の方が、今回の請願で声をあげられたのです。この声を聞くべきです。
 今年度3月末でピジョンハーツとの4年間の契約期間が終了となります。今後の院内保育所の運営や職員の雇用がどうなるのかは、子どもの保育、子どもを預けている看護師や医師が安心して働けるかどうかに関わってきます。そして、それは市立病院の患者さんや市民の命と健康を守ることに直結しているといっても過言ではありません。その役割を果たしている院内保育所について、京都市と市立病院が責任を負うべきであります。以上のような理由から本請願は採択すべきであることを述べまして、私の討論といたします。

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