二つの請願の不採択に対する反対討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

二つの請願の不採択に対する反対討論

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閉会本会議討論
河合ようこ議員

 日本共産党議員団は、請願第235号『洛西ふれあいの里保養研修センターの存続等』及び、請願第241号『全員制の中学校給食の実施』の不採択に反対をしています。私は議員団を代表して討論いたします。

 まず、第235号『洛西ふれあいの里保養研修センターの存続等』についてです。
 洛西ふれあいの里保養研修センターは、バリアフリーで、利用料が安く高齢者や障害のある方、地元住民の方に広く利用されてきた施設ですが、今年3月31日をもって廃止するという条例が、昨年5月議会において、わが党以外の会派・議員の賛成で採択されました。その後、土地・建物の売却について『 洛西ふれあいの里保養研修センター跡地活用計画検討委員会』で検討され、売却先を公募されましたが、応募は1社のみで、その1社も辞退され、当初10月に決定予定だった売却先はいまだ決まっていません。このような状況のもと、本請願は4月以降も市の責任において同センターを利用できるようにしてほしいという趣旨の請願です。売却先が決まらないもとで、建物は京都市の財産として管理されるのですから、当然の要請だと考えます。
 同センターの『今後のあり方に関する基本方針』で本市は、「大枝・桂坂学区の地域住民の皆様による各種同好会活動等の地域の自主的な高齢者の生きがいづくり活動が非常に活発に行われており、地域コミュニティの維持・向上に大きく寄与している」「地域コミュニティや健康づくりの維持・向上のためにも、大枝・桂坂学区において、その代替機能の確保に向け検討を進め」るという方向を示しました。そして、同センター『跡地活用計画検討委員会』では、地元代表の検討委員からも「これだけの利用実績がある施設を廃止してしまうと、その行き先に困ってしまう」「代替施設がないと、このような活動が保証できなく本当に困ってしまう」と発言があり、『独立した多目的スペースの確保』が売却の条件にされたのです。それを今になって、「センターがなくなっても学校や自治会館、区内の民間施設等が使えるから支障がない」という当局の答弁は全くのごまかしではありませんか。現に、参加者が100人を超える総会の場に困る、他の施設では会費が高くなり、行きにくい場所で「参加者が減るかもしれない」という声があがっています。「学校の中では時間、定員等、制約が多い」という意見や、請願者からも「なくてはならない施設」という声が寄せられています。同センターがなくなれば、これまで同様の活動はできないのははっきりしています。京都市はセンター存続を求める市民の要望書や請願があった中で、廃止を強行しました。しかし、その先は予定通りには進んでいない状況です。「廃止してほしくなかったが廃止は決まり、売却先は決まらない『最悪の事態だ』」と地元の方は言われています。関係局において次の募集方法も含めて検討中とのことですが、4月1日までに売却先が決まる見通しはありません。本市では機能を廃止した施設を住民が利用できるようにしてきた事例があります。代替機能確保が必要という本市の方針どおり、4月からも同センターを使用できるようにすることは京都市の最低限の責任です。

 次に、第241号『全員制の中学校給食の実施』について。
本請願は、現在選択制になっている中学校給食を全員制の給食にすること、小学校の給食調理室を利用した親子方式や自校方式などで温かい給食が提供できるようにしてほしいという請願です。成長著しい中学生の時期に、栄養のバランスが取れた食事をとることが大事ですが、家庭の事情で朝食を食べずに学校に行き、昼食はコンビニでパンだけを買って食べている生徒もおり、家庭からのお弁当で毎日バランスのとれたものを持たせるのは困難という実態もあります。こうした中で、どの子にもバランスよく栄養を保障したいというのは子どもに関わる人たちの願いです。
 2008年に改正された学校給食法の学校給食実施基準には「学校給食は在学する全ての児童又は生徒に対して実施されるもの」と規定されており、全員制の中学校給食は全国的に広がってきています。そして、食育は教育の一環と位置付けられ、「給食を教材にした食教育」が重要視されてきています。しかし、本市では学校の昼食に生徒が食しているものがバラバラで、全員制の中学校給食は小中一貫校でのみ、自校式で実施しています。委員会で、全員制の中学校給食の実施を求めたわが党議員の質問に「条件が違うのだからどこでも全員給食をせよと求めるのは無茶だ」と、当局からは答弁がありましたが、学校間の格差をなくしていくことは教育環境整備の基本です。
 給食の時間というのは、子どもたちにとって、友達と一緒にリラックスできる楽しい時間なのではないでしょうか。先日、視察した全員制の給食を中学校で実施している凌風学園では、「給食はあったかいし、全員給食はいいと思う」「おいしい」と言う生徒の感想と笑顔が返ってきました。みんなが同じ温かい給食を食べられるようにすることはとても大事な教育条件整備です。本請願に先立って2659筆の「全員制の中学校給食を求める要望書」も提出されています。全員制の中学校給食実施は、保護者や市民の切実な願いです。こうした願いに応え、全員制の温かい中学校給食の実施の検討に踏み出すべきです。

 以上、述べました理由から、請願第235号、請願第241号は採択すべきと考えます。同僚議員の皆さんの賛同を求め、討論といたします。

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