2012年度公営企業特別会計決算についての討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

2012年度公営企業特別会計決算についての討論

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閉会本会議討論
北山ただお議員
 私は日本共産党市会議員団を代表いたしまして、公営企業関係の議案について討論をいたします。わが党は、報第21号2012年度市バス事業決算については「認定せず」、他の議案6件については「認定する」との態度を表明していますので、その理由について申し述べます。
 市バス事業につきましては、バス停留所のベンチや上屋の設置、バスロケの拡充などのバス待ち環境を充実させ、乗客についても前年度より7千人増の32万人を達成しており、乗客増に対する取り組みやモビリティマネジメントによる地域との連携など進められています。
 しかし、次の2つの理由により認定できません。
 第一の理由は、事実上の市バス民営化に通じる「管理の受委託」を継続していることです。私が決算委員会でも指摘しましたように、京都市交通局は市バス路線の半分を民間バス会社に委託しているのが本制度ですが、委託によるコスト削減は一重に働く方の賃金や労働条件の引き下げと連動しています。交通局がその内容をつぶさに掌握して、賃金や労働条件の確保に責任を持つならばまだわかりますが、現状は委託会社に全面委託ですから議会にも市民にも報告もありません。かつて民間会社の乗務員の方からの告発があって、深夜の勤務から朝一番の勤務があり自宅に帰る時間もないため自分の車で仮眠していたことがわかり、私どもの指摘で改善されたことがありました。賃金におきましても、正式な資料が提出されていないために過去に提出された資料で見ますと、低いレベルにあることがわかります。市民や利用者を安全に輸送する交通事業において、事業に携わる労働者の生活をしっかり保障することは当然のことといわなくてはなりません。
 反対している第二の理由は、若年嘱託制度の存続です。希望を持って市バスの乗務員に採用されたにもかかわらず、短縮されたとはいえ4年間も嘱託の身分に置かれ、良好な成績のものはそこで採用になるという形ですから、今日の雇用形態から見ても異常な制度であります。理事者は、「技術の習得などを見極めるために必要」と答弁されていますが、採用時には技術試験もあり、面接等もされていますから4年間も不安定な身分に置く必要はありません。直ちに若年嘱託制度を廃止して正式採用として身分を保証するよう求めるものです。
 次に、地下鉄事業につきましては、烏丸線の転落防止の可動柵が設置されることになりましたが、国の補助制度が少ないために3か所の計画にしかなっておりません。烏丸線全駅に早期に設置することは安全輸送のかなめであるとともに、社会的要請であります。早期に国補助制度の改善に努めて全駅設置するように求めるものです。
 上下水道事業につきましては、古くなった配水管の取り換えが急務となりました。老朽管の取り換えや耐震対策をしっかり行うことは、「いのちの水」事業者の当然の仕事であります。当局の試算では総額1500億円もの経費が掛かるとされていますから、国の補助制度が大都市には不利な状況にあることの改善なしには解決できないことは明らかです。その改善なしに、市民生活が大変厳しい状況にあり京都経済も苦境にあるときに水道料金値上げでさらなる負担を押し付けることは許されません。
 最後に、消費税増税についてです。市長総括質疑や各局質疑におきましても、「消費税は料金に適正に上乗せする」と答弁され、増税にあえぐ市民生活を何ら顧みない態度でありました。私が指摘しましたように、交通局と上下水道局での公営企業では、総額47億円もの消費税負担をしています。これが8%、10%と転嫁されていきますと100億円近い負担となり、利用者と事業に多大な負担を押し付けることになります。私は、事業に多大な困難を与える増税はストップすることを求め、少なくとも市長は公営企業には適用除外することを求めるべきだと質しましたが、残念ながら同じ答弁に終始し、国言いなりの態度でした。
 消費税増税の中止を求め、市民の暮らしや公営企業にしっかりと責任を持つことを強く指摘しまして、討論といたします。

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