国民健康保険事業特別会計補正予算についての討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

国民健康保険事業特別会計補正予算についての討論

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閉会本会議討論
玉本なるみ議員

 日本共産党市会議員団を代表し、議第77号平成25年度京都市国民健康保険事業特別会計補正予算案について討論を行います。
 わが党議員団は、今補正予算案は平成24年度国保会計の不足額を繰上充用するもので、必要なものであり賛成いたします。その上で、いくつかの問題点について指摘します。

 第一に、単年度の黒字決算が続く中、市民の国民健康保険料の負担を軽減する為に、国民健康保険料を引き下げる必要があるということです。
 H20年度決算から、単年度黒字決算になっています。予算では、単年度の収支均衡を目標にしているはずですが、毎年、黒字決算を繰り返し、H24年度は24億円も黒字の見込みとなっています。見込み違いが続きすぎです。さらに、単年度の黒字分を市民に還元すべきなのに、国保料は高止まりの状況です。市民の負担は限界に来ていることは、これまでの本会議での答弁でも認められているところです。保険料の引き下げに踏み出すことを求めます。

 第二に、徴収率向上対策の名のもとに行われている、財産の差し押さえによる徴収の問題です。
 黒字の傾向になったH20年度と同じく、国保の財産の差し押さえ件数、金額共に右肩上がりになっています。差し押さえ実施件数は平成23年度は1639件であり、平成19年度の392件と比べても4倍以上に急増しています。
 重要なことは財産の差押によって、その世帯が生活困窮や営業の運営困難に陥らないかという観点で、事前の調査が必要ということです。さらに、差し押さえ後の調査も実施されていませんが、市民の暮らしの実態を知る必要があります。とりわけ、学資保険の差し押さえについてですが、平成23年度は22年度の37件からさらに増やし、43件となっていることは問題です。これは子どもの学ぶ権利を差し押さえるような行為であり認められません。年金や児童扶養手当など、差し押さえを禁止されているものに対しても、預金口座に振り込まれた後は財産とみなして、差し押さえをすることは、ただちにやめるよう強く求めます。
 国保料滞納者のなけなしの財産を差し押さえて、一時的に滞納を解消しても、経済的に立ち直りがなければ、結局、また滞納が生まれます。生活保護受給をせざるを得なくなる場合も起こります。滞納処分の緩和施策を行うことが必要です。

 第三に、資格証明書の発行を増やしていることの問題です。昨年度は過去最高の4709件です。平成19年度は3080件でしたので、なんと6年で1600件以上増やしています。資格証明書は「医療が必要な人は、10割で払いなさない」というものであり、市民を医療から遠ざけるものです。資格証明書発行はやめるよう強く求めます。

 第四に、国保の広域化についての問題です。
 すでに、国保法の改定により、平成27年度から、財政の都道府県単位化の実施が可決・成立されていますが、これまで、各市町村が市民負担の軽減の為に実施していた一般会計からの繰り入れなどの独自努力がやりにくくなります。国保に対する国庫負担率の引き上げがない限り、広域化を行っても、自治体や市民の負担軽減にはなりません。結局、国の財政責任をあいまいにして枠組みだけを変更しても、そのしわよせは保険料値上げに帰結するだけです。国に対し、減らされた国庫負担割合を直ちに元にもどし、引き上げることを真正面から求めることこそ必要です。
 以上、申し述べて討論といたします。

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