「大飯原発の稼働停止を求める意見書」の提案説明 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

「大飯原発の稼働停止を求める意見書」の提案説明

閉会本会議討論

 日本共産党より提案しております、大飯原発の稼働停止をもとめる意見書について、提案説明を行います。
 本市議会では、5月28日、「現時点では,原子力発電の安全性や国民の理解が十分に得られていない状況」と厳しく批判し、「第三者による専門的な機関による新たな安全基準を確立」なども強く求める決議を行っていました。ところが政府は、その安全性を徹底的に確保するという責任を放棄し、政府自身が必要とした「安全対策」さえ取らないまま大飯原発の再稼動を強行いたしました。
 安全性の問題で自己矛盾におちいった政府が、大飯原発再稼働の最大の口実にしたのが、電力不足による国民生活への影響でした。ところが、今年の夏、実際にはどうだったでしょうか。関西電力や国の受給検証委員会の思惑をはるかに上回る規模で、家庭・企業の節電・省エネの取り組みが進みました。電力ピークとなった8月3日でさえ、大飯原発の再稼働がなかった場合でも電力供給に十分な余力があったことが示されました。関西電力に電力を融通可能な北陸・中部・中国・四国・吸収を含む電力6社の管内である中・西日本全体では754万キロワットの余力がありました。もはや電力不足を口実に原発を稼動し続ける口実は成り立ちません。
 先ほど紹介した市議会決議が強調した安全性に関しては、どうでしょうか。原子力規制委員会による新しい安全基準の策定作業はまだ途上であります。当然、その基準に基づく大飯原発の再検査はもっと先になるでしょう。福島第一原発事故の原因究明もまだの段階で政府が緊急に必要とした対策は何年も先にならなければできないといいます。たまたま今事故が起こっていないだけで、いざ事故があったら原子炉内に放射能を封じ込めることができなくなる危険があるのです。 
 では、原子炉から放射能が漏れた場合への備えはあるのでしょうか。24日、政府原子力規制委員会が発表したマックス2を利用した放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果が公表されました。京都市北部も、一週間で100ミリシーベルトという非常に危険なレベルの汚染地域になる確率が高い地域に入る可能性が示されました。京都府が公表しているスピーディによる高浜原発による放射能拡散予想のデータを併せて考えれば、もし大飯原発で事故が起これば、京都市全域が深刻な放射能汚染にさらされる恐れが生じます。国の原子力災害対策指針と同指針に基づく各自治体における地域防災計画の策定もこの京都市も含め、まだまだこれからというのが率直な現状です。
 国民の生命と健康を第一に考えるならば、大飯原発の稼働を即時停止する決断を行い、電力会社に対し、大飯原発の停止とそのもとでの電力供給計画を早急に確立するように強く指導し、エネルギー政策を大きく転換すべきです。心からご賛同を呼びかけて趣旨説明といたします。

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