2012年度一般会計補正予算に対する賛成討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

2012年度一般会計補正予算に対する賛成討論

写真
本会議討論
くらた共子 議員

 私は、日本共産党市会議員団を代表して討論を行います。
 今回の補正予算は、不活化ポリオワクチンの導入、京町家・木造住宅の耐震改修支援、通学路の安全対策、子育て支援や高齢者福祉に要するものであります。また、修正案は、議員報酬の削減により生じた7,900万円を活用して、京町家・木造住宅の耐震改修に係る支援事業の経費をさらに、2,000万円増額するとともに、通学路の安全対策に係る財源の更正を行い、市債を5,900万円減額するものであります。日本共産党市会議員団は賛成の態度を表明しております。その上で2点について指摘します。

 まず1点目は、産業技術研究所の地方独立行政法人に移行するための費用を補正することについてです。
 わが党市会議員団は産業技術研究所の独立行政法人化については反対の立場を表明してきました。産業技術研究所を独立行政法人に移行したら、これまで研究所が担ってきた公的責任はどうなるのでしょうか。産業観光局は「独立行政法人に移行しても公共性は保てる」と言い切っています。しかし地方独立行政法人法には「法人の業績に応じて給与及び退職金を決める」と明記しており、構造的に対象が一部の研究資金を持っている企業の研究に偏ることが危惧されます。一方で京都経済の基礎である地場産業、中小零細企業への技術的支援は弱められることにつながります。

 2点目は、京都マラソンについてです。
 わが党は京都で走りたいと願う市民や参加者の希望に応える京都マラソンを否定するものではありません。しかし、今回の補正は、交通規制や沿道を含めた安全対策のため、実行委員会への負担金を増やし、大会運営の財源づくりにチャリティランナーの寄付金や協賛金収入をあてようとするものです。京都マラソン第一回大会で、多額の赤字が発生したことについて京都市は「見込みが甘かった。安全第一に臨んだ結果」と答弁しましたが、もともと交通規制による安全救急対策など市民生活に与える影響や警備上の問題点が指摘されていました。ところが、その大会運営から、協賛金や警備などすべての対策が株式会社電通に丸投げされました。こうしたやり方が4億8千万円という多額の費用の発生につながったことは明らかです。第2回大会からは電通以外にも分割発注するとしていますが、大会運営や協賛金など主要な部分は引き続き電通との契約になっており、根本的な解決になっていません。またチャリティランナーの募集についても、10万円の寄附があれば優先的に大会参加できることとしていることも問題です。更にチャリティとしながら、その寄付金はすべて大会運営費の財源ですから、チャリティの主旨も損なうものです。審議の中で理事者から「京都はフルマラソンをするには大変厳しい条件であると言われている」との発言がありましたが、あまりにも無責任です。これではランナーや市民の希望に応えることはできません。京都マラソンは本市のスポーツ振興の理念に沿い、市民と関係者が一体となり成功させている全国の取組みに学ぶことを求め、私の討論といたします。

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