「関西電力・大飯原子力発電所の再稼働を行わないよう求める意見書」の提案説明 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

「関西電力・大飯原子力発電所の再稼働を行わないよう求める意見書」の提案説明

閉会本会議討論

 日本共産党市会議員団は、「関西電力・大飯原子力発電所の再稼働を行わないよう求める意見書」を提案しておりますので、提案説明を行います。
 関西電力・大飯原子力発電所3号機・4号機の「ストレステスト」の1次評価について原子力安全・保安院が「妥当」と審査し、原子力安全委員会も「検査手法は問題ない」としたのを受け、首相は「政治決断」で再稼働を認め、地元自治体の同意を迫ろうとしています。
 しかし、今回の原発事故によって、これまで原発の「安全神話」の根拠とされてきた安全設計審査指針・技術基準そのものが誤りであることが明らかになりました。今回の事故の原因究明もまだまだ行えていない現状で、何を根拠に安全などということができるのでしょうか。経済産業大臣自身が「ストレステストをやったから安全性が確認されるというものではない」と認め、原子力安全委員会の委員長も「総合的安全評価として不十分」と、ストレステストの一次評価をもって安全性の根拠にはならない趣旨の国会答弁を行っています。
 原子力安全・保安院専門家会合では、原発周辺の3つの断層が連動して地震が起こる可能性があることも考慮すべきことが指摘され、場合によっては関西電力自身が限界とした揺れに達する地震に襲われることも考えられるきわめて危機的な状況です。過去に若狭湾を襲った大津波についての調査も不十分です。東京電力は原発事故の三年前に今回の大津波と同程度の15メートルを超える津波が原子力発電所を襲う可能性を把握していたにもかかわらず、安全対策を怠り原発事故をより深刻なものにしたことが明らかになっています。過去の津波に関しては、徹底的な調査を行うべきです。
 そもそも、ストレステストの1次評価を審査した原子力安全保安院にしても安全委員会にしても、今回の原発事故によって国民の信頼は完全に地に落ちています。原発の安全性の評価については原発推進機関や電力会社から独立し、強力な権限と体制もつ規制機関をつくって行うべきです。
 さらに、いかに万全と考える対策をとってもなお、想定外の事態で過酷事故が起こりうるのが地震列島日本における原発の現実であり、その備えはきわめて重要です。ところが、原発で過酷事故が発生した場合の防災計画については、国の方針すら案の段階にすぎず、本市も含め各府県・市町村の住民避難計画などの防災計画の見直しも全く間に合っていません。先日行われた京都府防災会議で、若狭湾・高浜原発で事故が起こった場合のSPEEDI・緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムによる被害予想が公表され、ひとたび原発事故が起これば、政府が現在検討している30km圏や50km圏などという線引きを超えて放射能汚染が広がる危険性が改めて明らかになりました。大飯原発についても、このまま再稼動して、もし過酷事故が起これば、まともに避難することもできず、市民の安全も全く守れません。
 政府は、「再稼働先にありき」という立場から、事故原因の究明も規制機関もなしに、新たな安全神話をつくりあげ、強引に再稼働を進めようとしていますが、これは国民の安全を顧みない許しがたいものであります。
 議会としても、147万京都市民の命と健康を守るために、再稼動について明確な反対の意思を表明すべきです。
 以上、関西電力・大飯原子力発電所の再稼働を行わないように求める意見書案への各会派の皆さんの賛同をもとめて提案説明とします。

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