「教科書の適切な採択を求める請願」の採択に対する反対討論 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

「教科書の適切な採択を求める請願」の採択に対する反対討論

閉会本会議討論

  日本共産党市会議員団は、請願第320号については採択に反対しておりますので、その理由を申し述べます。

 第一に、教育の内容や教科書の中身については、こどもたちの教育に責任を負う現場にゆだねるべきであって、議会や一般行政の関与は慎重にすべきです。我 が党は慎重に検討するために教育福祉委員会において必要な資料要求をしているさなかであり、拙速な採択はきわめて問題だと考えます。

 第二に、この請願が、改正教育基本法や学習指導要領の趣旨を踏まえた教科書採択をもとめている点です。

 改正教育基本法では、「わが国と郷土を愛する」ことを教育目標に掲げています。しかし、愛国心や郷土を愛する心というものは、よりよい国づくりを していけばおのずと芽生えるものであって、本来は個人の思想信条の自由に属する問題です。一般論として、郷土を大切に思う心を子ども達が備えることがよい ことであったとしても、それを上から押し付けるということは、思想信条の自由をそこなうことになり、適切ではありません。教科書採択にあたっては、思想信 条の自由を定めた憲法や、現場教師の教科書採択の権利をうたったILO・ユネスコ「教員の地位に関する勧告」を前提にして、行われるべきであります。

 以上、二つの理由をのべ、反対討論とします。 

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