トピックス: 2021年9月アーカイブ|日本共産党 京都市会議員団

2021年9月アーカイブ

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 日本共産党京都市会議員団は、議第92号令和3年度一般会計補正予算に賛成、議第107号不動産の処分については、反対の態度を表明していますので、私は議員団を代表して、その理由を述べて討論します。
 議第92号9月市会一般会計補正予算は、全体で100億8300万円の規模で、地方創生臨時交付金の範囲いっぱいを使うものとなっています。そのうち、感染拡大を防止する観点を中心に各種事業を行うとしています。保健所体制の強化や濃厚接触者等への宿泊施設利用補助事業、休日の診療・検査体制整備にかかる支援金などは、感染拡大防止、感染対策として必要な予算措置であります。
 また、本市所管の施設に対する維持管理やキャンセルに伴う利用料の還付など本市の所管施設の公的役割が失われないように行う事業は必要なものです。
 京都市中小企業等再起支援補助金「応援金」については、補助金を受けることが前提ではありますが、「給付金」の性格を持つものであり、2月市会追加補正予算の際にも修正提案を出すなど、わが党議員団が一貫して求めてきたものです。京都の99.7%を占める中小・小規模事業者への本格的支援が今こそ必要です。コロナで影響を受けた全事業者を守るためにさらなる拡充を求めておきます。加えて、文化芸術関係者やスポーツ関係者についても事業が継続できるよう措置すべきです。
 「商店街等消費喚起緊急支援事業」は、商店街以外の中小企業団体にも広げたものです。個人商店や支援を受けられない商店街への支援もさらに必要です。「伝統産業製品市場拡大支援事業」は、個々の伝統産業従事者を対象に支援するものであり、前進といえます。

 次に、新型コロナウイルス感染症の拡大が、長期化しているもとでの問題や課題を申し述べます。
 マイナンバーカードの普及促進については、重大な情報漏洩の危険性があります。これまでから情報セキュリティについては、ハッキングされ漏洩し、そのあとにセキュリティが強化されることの繰り返しであり、マイナンバー制度に様々な情報を紐づけることで情報漏洩の危険性は高まります。そして、マイナンバーカードの普及を理由に、来年3月には4つの証明書発行コーナーを閉鎖しようとしています。明らかに市民サービスの低下であり、断じて許されません。

 GIGAスクール構想のさらなる推進では、教員用端末を一人1台再購入することなどが挙げられています。確かに教育環境整備にとって新しい端末のもとで、スペックの高いものが必要かもしれませんが、必ずしも教員一人ひとりに必要なものでしょうか。各学校の実態に沿った活用の在り方にすべきであり、そのことを求めておきます。

 新型コロナウイルスから命を守る観点で、ワクチン接種の推進とともに、検査戦略が必要です。今回、MICE参加者へのPCR検査補助は、社会活動、経済活動を進める上での検査とし行うものであり、これまでよりも一歩踏み込んだものです。また、大学、学校施設、保育所、交通事業者など感染者が出た場合はもちろん定期的に全員の検査を行うことです。保健衛生体制として、健康観察や疫学調査など、保健所を区役所単位に再構築すべきです。

 議第107号不動産の処分に関する議案は、京都高度技術研究所ビルを大阪ガス都市開発株式会社に売却するものであり、行財政改革計画を先取りし、市民の財産を売却するものであり、認められません。

 今回の補正予算は、市民の皆さんの切実な要求が、一定反映したものであります。また、新型コロナウイルス感染症が長期化するもと、市民・事業者の方々に求められる対策が更に必要であるということを申し述べて賛成討論とします。

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 日本共産党京都市会議員団は、請願第1103号「敬老乗車証の現行のままでの存続を求める請願」について不採択に反対し、採択すべきという立場を表明しておりますので、その理由を述べます。

 第一に、今回の敬老乗車証制度の改悪が、間違った行財政改革の一環として強行されようとしているからであります。市長は、「10年以内に財政破綻する」と称して、赤ちゃんからお年寄りまで全世代にわたる住民福祉の大幅削減方針を押し通そうとしており、敬老乗車証制度の今回の改悪はその一環であります。しかし、「10年以内に財政破綻」といいながら、一方で北陸新幹線など巨額の財政負担をともなう巨大プロジェクトは推進すると断言するなど、整合性のかけらもありません。京都市に入ってくるお金を少なく見積もり、出ていくお金を多く見積もるなど、財政危機を実際よりも大きく見せかけて市民を脅し、大型事業は温存しながら市民サービスを削ることは許せません。

 第二に、敬老乗車証制度の改悪を正当化するために「受益と負担のバランス」なる考えが持ち込まれていることも重大です。高齢者福祉の受益者は果たして高齢者だけなのでしょうか。高齢者福祉を含む福祉全般、社会保障というものは、たとえ年老いても、たとえ病気や怪我をしても、たとえ失業しても、人生のあらゆる場面で常に社会全体で支えてくれるという安心感を提供し、社会全体を安定させる役割を果たしています。それこそが、日本国憲法下における国あるいは地方自治体の原点でもあります。その一環として行われる敬老乗車証制度の受益者を高齢者のみであるかのように矮小化し、社会保障としての豊かな性格を否定することは、地方自治体としても自己否定につながるのではありませんか。

 第三に、京都市が行おうとしている敬老乗車証制度の見直しが、「制度を持続可能」なものにするものではなく事実上解体するものだからであります。市長は、①対象年齢を現在70歳から75歳に引き上げ、②負担金について3倍から4.5倍に引き上げる、③700万円以上の所得のある方を制度から排除する、④バスのみ利用できる回数券方式を導入する、としています。この提案に対し市民からは「3倍になったら敬老乗車証をあきらめるしかない」「生活が年々厳しくなる中で重たすぎる負担」などの切実な声があがっています。現に、京都市の推定では、この制度改悪を進めれば、現在の交付対象者のうちの35%に相当する70歳から74歳の方を排除したうえで、なおかつ、75歳以上の方に限っても従来の敬老乗車証を交付される方は30%にまで低下するとしています。まさに、今回の提案は、多くの方を従来の敬老乗車証の制度から排除し、制度そのものを解体するものであります。

 第四に、コロナ禍において、請願者も指摘するように「市民の命と暮らし、雇用がますます危うくなる中、京都市の住民福祉サービスの充実をはかる」必要があり、そうした中で、高齢者の暮らしを支えている敬老乗車証の制度を後退させるべきではないからであります。「敬老乗車証は高齢者の生活向上に大きな効果があり」「買い物に不可欠」、敬老乗車証を守ろう連絡会が行った調査では「敬老乗車証があることで外出の回数が増え、高齢者の健康や、外出先での買い物や食事などで507億円の経済効果がある」と試算されています。さらに、高齢者の活動が制限されることは、孫の子守りや保育園への送り迎えなど、これを頼りにしている子育て世代の生活にも影響を与えることになります。敬老乗車証は、まさに「市民の宝」であり、これを一歩も後退させるべきではありません。

 最後に申し上げます。この間、本請願とあわせ、474件の陳情が7月市会に提出され、存続をもとめる署名はすでに6万776筆が提出されています。この切実な声を、市長も議会も重く受けとめるべきであり、請願は不採択ではなく、採択すべきであることを述べて、討論とします。

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 日本共産党市会議員団は、「いきいき市民活動センターの利用料金値上げの中止」を求める請願の不採択について反対であり、採択すべきという立場を表明していますので、議員団を代表し理由を述べます。
 3月の条例改正で提案された、いきいき市民活動センターの利用料金制の導入と利用料金の値上げの条例改正については、日本共産党以外の会派によって賛成し議決されました。しかし、引き続き利用料金の値上げはしないでほしいという市民の願いが寄せられていることは、重く受け止めるべきです。
 いきいき市民活動センターは、市民活動や趣味の活動、また芸術活動の場となり市民の豊かな暮らしに大きく貢献してきました。2013年の開設当時の利用者約15000人に比べ2019年の利用者約46000人と約3倍にも伸び、京都市も認めるように多くの市民に認知されています。
 公共施設をお金に心配なく利用できることは「住民の福祉の増進」そのものであり、また、市民活動が活発に行われるという京都のまちの活性化につながってきました。
 請願者が請願の趣旨で示した「年金生活の高齢者や、非正規などで収入の少ない女性たちが少しでも積極的に生き生きと過ごしたい」という切実な願いにこたえるべきです。
 しかしながら、京都市は、いきいき市民活動センターの安価な利用料が市民活動の保障となっていることの意義について認識があまりに不十分で、「受益者負担」「利用料金の適正化」の言葉で、最大6倍もの利用料金の値上げを正当化しており、大きな問題があります。市民負担増と予算削減ありきですすめる行財政改革計画の方針は、このような判断さえ誤らせています。
 市民の活発な活動を保障するためには、京都市は今からでもいきいき市民活動センターの利用料金の値上げは中止すべきです。
 以上、本請願の採択を求めて討論とします。

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 本市会に北陸新幹線京都延伸計画への不同意の決議を求める請願について、わが会派は不採択に反対し、採択すべきと考えておりますので、理由を述べます。
 本請願者の請願趣旨は全くもって妥当なものであります。なぜなら、第一に、本延伸計画が環境に及ぼし得る影響について何らまともな検討・検証が行われていないからです。
 熱海市の土砂災害で大問題になった建設残土についてはどうでしょうか。京都府の環境影響評価委員会によると、8割がトンネル区間であるこの計画で発生する建設残土は880万立米。240人以下の規模の小学校のグラウンドにこの残土を積み上げたら富士山ほどの高さになるような量になると言われています。住民団体が鉄道運輸機構に質問状を出されたら、驚くべきことに「残土処分計画はない」との回答であったとのことであります。どこに残土を捨てるというのでしょうか。本市の山々の谷筋に捨てれば、重大な事態を招きかねません。
 気候危機のもとゲリラ豪雨災害が相次ぐなかで、自然に手を加えて巨大なトンネルを掘り進めることの影響は計り知れません。ヒ素などの重金属が環境に放出される問題、水盆と呼ばれる豊富な地下水・水循環に与える大きな影響、東京都調布市で発生した大深度工事による地上での陥没事故など、まさに課題山積です。
 鉄道運輸機構任せ、あとは野となれ山となれという市長の姿勢は重大です。市民の命や安全にかかわる問題を何ら検討することなく突き進む計画にものをいうのは本市会の責務ではありませんか。
 第二は、費用負担について、請願者の危惧は当を得ているからです。
 まず、延伸を進める根拠法である全国新幹線鉄道整備法の規定について述べます。同法では、費用負担について「当該新幹線鉄道の建設により利益を受けるものに対し、負担金の一部を負担させる」と規定しています。利益を受けるから負担金が発生する。すなわち、負担金が発生しないということは利益がないということであって、いうまでもなく、京都駅に接続させる計画である以上、京都市に負担が発生するわけであります。ましてや、都道府県に費用負担がなくなるというようなことはあるのでしょうか。市長は京都府と一緒に費用負担の実質ゼロ、極小化を国に求めておられますが、費用負担が消えてなくなるかのような話は全くのミスリードだと言わなければなりません。
 先例である金沢敦賀間の福井県の負担は、駅設置市の負担金も含めて1700億円の負担総額となっています。与党プロジェクトチームは再来年にも着工を目指していますが、再来年とは、私どもが撤回を求めている本市の行財政改革計画の集中改革期間の真っただ中であります。請願審査にあたって、財政破綻という一方で矛盾していると質しましたが、行財政改革計画との関係においても「北陸新幹線についても対応をはかっていくべきもの」、「国家プロジェクトに対して協力することは自治体の責務だ」とまで当局は述べられました。市長、わが亡き後に洪水よ来たれとはこのことではありませんか。こうしたことの繰り返しが、自治体の債務増大の要因であることは明らかです。
 行財政改革計画のパブリックコメントでも、北陸新幹線延伸について、意見は269件、その内3件しか賛成はありませんでした。市民の意見に耳を傾けるべきです。
 新たな国土軸、東海・東南海・南海地震により影響を受ける東海道新幹線の代替機能などと、災害時対応が言われていますが、本市でこの夏発生した豪雨の災害復旧すら「お金がない」と財政難を理由にままならない状況で何を言っておられるのでしょうか。活断層を横切る延伸計画の安全性はどう担保されているのでしょうか。
 また、このコロナ感染症のもとでライフスタイルをかえようという時代にあって、新たな国土軸・大量輸送鉄道が莫大な費用負担と環境負荷を加えてまで、社会に要請されていることなのでしょうか。また、日々の暮らしに必要な、JR西日本の既存路線の本数減など論外です。
 財政破綻を叫びながら、福祉や住民サービスは削る一方で、財政上巨額の費用負担を強いる北陸新幹線延伸計画に同意できないと、議会が責任ある決議をと求める請願趣旨は全くもって妥当であります。
 よって、本請願は採択すべきであることを重ねてのべて討論とします。


9月27日に、2020年度の決算など、9月市議会に提案された議案や補正予算などについて、市政報告会で加藤あい市議が報告しました。

行財政改革の問題などわかりやすく報告しています。
ぜひ、ご覧ください。

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