25日、2020(R2)年度2月市会の一般会計補正予算について審議されました。
党議員団を代表して、山田こうじ議員が討論にたち、補正予算に賛成の立場で、討論を行いましたので、下記をお読みください。
2021年2月市会 補正予算の討論
山田こうじ
日本共産党京都市会議員団は、議第181号、201号に賛成し、188号に反対しています。その理由を述べ討論します。
議第181号・201号、2020年度一般会計補正予算については、コロナ入院患者受け入れ医療機関への支援や、公共施設のキャンセル料、緊急事態措置協力金、融資制度預託金の積み増しをはじめとする事業者への支援など、全体として必要なものであり賛成します。
以下、問題点について述べます。まず、感染症対策についてです。
新型コロナ感染症の特徴は、無症状感染者が感染拡大の一因となっていることから、日本共産党京都市会議員団は、高齢者施設や医療機関をはじめとした、社会的検査を一貫して求めてきました。京都市は2月12日に、高齢者施設494施設約17,000人の検査を実施すると発表されました。一歩前進ではあります。
しかし、一度限りではなく、定期的実施が必要です。そして、通所系訪問系や、医療機関での実施が必要です。また、新型コロナ感染症の最前線で、懸命に奮闘されている医療機関の減収は医療崩壊を招きかねない事態です。医療機関への減収補填、検査をはじめ、予算の追加提案も含め、一層の支援を求めます。
第二に、中小企業支援についてです。京都経済を支え、雇用を守り、市民の暮らしにとって、なくてはならない存在が中小小規模事業者です。新型コロナ感染症発生から1年以上が経過する中、中小小規模事業者への支援は待ったなしです。東京商工リサーチの京都府企業倒産状況によると、倒産件数・負債総額ともに前年を上回り、倒産全体のうち55.3%が個人企業他となっています。
産業観光局補正予算、合計21,578,000千円の大半を占めているのは、融資預託金の充実:20,000,000千円です。実質無利子・無保証融資の5月以降の承諾実績は23,571件・4,364億円となっています。コロナ収束までの運転資金として、何とか無利子融資で事業資金をつないでいるのが現状です。コロナ感染症の長期化の下、融資を受けた事業者の体力が奪われています。今後、返済が求められるなか、倒産・廃業に追い込まれることのないよう、融資に止まらない、京都市独自の直接支援こそ必要です。
制度の対象から外されている事業者も多く残されています。飲食店の中でも、8時までの営業をされている事業者もあり、また、緊急事態宣言に基づく時短要請の影響は、飲食店だけではありません。
西院のお風呂屋さんでは、「8時以降全く人が通らない。飲食店で食事をした帰りに風呂に入る若
い人があったが、今は全然いない。8時に閉めるので給付が欲しい」と訴えておられました。委員会では、「中小企業や小規模事業者に広く行き渡る施策について検討している」との答弁もありました。一刻も早く具体化することを求めます。
「新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金」については、申請期間が短く、期間が延長されましたが、零細事業者にとっては申告要件などで申請書類がそろわず、時短に協力した事業者が申請されないケースもありました。申請受付一カ月以上経過した時点で8,700件の申請に対し、審査終了は4,800件に止まっていることも問題です。体力のない、現金商売である零細事業者にとって1か月の運転資金は、死活問題です。かつて京都市には、「中小企業センター」が産業会館内にあり、京都市職員が経営診断を行い、同時に業者団体等にも経営審査の権限も付与しながら、「あっせん融資」を実施していました。業界団体や同業組合、業者団体等の協力も得て、速やかな給付を求めます。
また、「助かるという声もある一方で、十分でないとの声も聴いている」との答弁があり、新型コロナで影響を受けている全ての事業者を対象に、減収に応じた補填、家賃支援など固定費補助が今こそ必要であることを指摘しておきます。
「新しい生活スタイル対応のための衛生対策支援」は、業界団体を通じた案内を強化したこともあり、当初の予想を大きく上回る申請があり、幅広い業種に広がりましたが、組織されていない業界や、組合に加盟されていない事業者が、取り残されないよう、支援が必要です。
第三に、不要不急の大型公共事業については、見直しや凍結を行うべきです。市立芸大の移転整備事業に係る費用の繰り越しが含まれていますが、コロナ禍で住民の暮らしや経済が大変な状況にある下で、不要不急の大型公共事業については、いったん凍結し、生活支援や小規模事業者支援を優先し、予算を振り向けるべきです。
議第188号、京都市公共下水道事業特別会計補正予算は、下水道事業への出資金を休止するものです。国の通知に基づいて、雨水処理負担金など下水道予算に繰り入れてきた正当なものであり、休止すべきではありません。住民の福祉の増進を図るという、公営企業の役割を真正面から果たすことこそ必要です。
以上、日本共産党京都市会議員団は、コロナ禍の下、市民の命と暮らし、営業を守るために全力で頑張ることを表明し討論とします。