2021年度京都市予算案発表にあたって - トピックス|日本共産党 京都市会議員団

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17日、党市議団は、京都市の2021(R3)年度予算について、団長談話を発表しました。
本文は、以下の通りです。

2021年度京都市予算案発表にあたって
日本共産党京都市会議員団
団長 井坂博文

一、本日、2021年度京都市予算案が発表されました。予算規模は一般会計1兆5億円、特別会計6,254億円、公営企業会計2,618億円、全会計で1兆8,877億円となっています。

一、2021年度予算案の特徴は、昨年来のコロナ禍の下、「コロナ対策と市民の命と暮らしを守りぬく」として、「今年度2月補正予算と一体の14ヵ月予算を編成した」と言いながら、深刻な実態に見合った支援になっていません。医療現場は引き続きひっ迫した状況が続いています。入所系高齢者施設のすべての職員と新規入所者へのPCR検査の実施が決まりましたが、定期的ではなく、医療機関や通所系や訪問系の施設は対象外となっています。補正予算とセットのコロナウイルスワクチンに関しては、安全性の確保と情報開示を行い、接種にあたっては本人の意思が尊重されるべきです。
制度融資の限度額が引き上げられましたが、府市協調の時短協力金はいまだに支払らわれていない事業者が残されています。事業者の望む減収補填や固定費補助についても拒否したままであり、深刻な状況にある非正規労働者への支援がないなど、市民が直面する苦難にはまったく向き合おうとしていません。

一、 重大なことは、コロナ禍と財政危機を「改革の契機に」と惨事に便乗し、「今の施策を    
続ければ財政再生団体になり、国保料や保育料が値上げ、敬老乗車証が廃止になる」と市民を脅かし、「受益と負担の公平」「将来世代へ負担の先送り」を強調し、市民間や世代間に分断と対立を持ち込んでいることです。
2021年度予算案は、市長が諮問した「持続可能な行財政審議会」の審議と連動する集中改革期間(2021年~23年)の初年度の予算案でもあります。その根本には「社会的な問題の解決を、税金で、公務員が、行政がやらなければならないという時代はもう終わっている」という財政健全化推進本部会議(昨年9月)での市長訓示があり、「民間活力の推進」と自治体の責任を放棄するものです。
 2021年度予算案と集中改革方針には、国基準や他都市水準を上回る本市施策を対象に「赤ちゃんからお年寄りまで」の市民生活全般にわたる制度の見直しと負担増が盛り込まれています。2021年度予算案で市独自の被災者住宅再建等支援制度の廃止、重度障害者支援特定施設への独自助成の廃止などが盛り込まれ、国民健康保険料は保険料率を据え置きとしたものの一般会計繰り入れを前年度から18億円も減額して値下げに背を向け、介護保険料基準額の値上げ(200円)を計上しています。
 2022年度は「さらに大きな改革を本格化」すると表明し、今後、敬老乗車証の制度見直しで対象年齢引き上げと負担金の値上げ、学童う歯対策(小学生の虫歯治療費無償制度)の廃止、保育料・保育所運営補助金の見直しによる削減、市民活動センター条例改正による利用料金の大幅値上げ、など狙っています。さらに、人事委員会勧告制度を無視して、2021年度の市職員給与を14億円カット、3年間で50億円もの給与カットを計画しています。

一、その一方で、財政が厳しいと言いながら北陸新幹線延伸(総事業費2.1兆円以上)、堀川地下バイパストンネル(総事業費1,200憶円)など大型事業計画は「聖域」にされていますが、ムダで不要不急であり中止すべきです。また、鴨川東岸線第三工区建設は凍結したものの、3施設(地域リハビリテーション推進センター、こころの健康増進センター、児童福祉センター)一体化整備事業、芸大の移転整備、小栗栖・西陵の小中一貫校建設に多額の建設費が計上されています。
大企業の法人市民税に関して、全国の14政令市が法定最高税率(8.4%)まで課税しているにもかかわらず京都市は8.2%にとどまり、4.5億円も減収となっています。また、大企業が補助金交付の6~7割を占める企業立地促進制度補助金が増額されています。
さらに、国による地方交付税の削減を正面から批判する立場に立っていません。

一、日本共産党議員団は、「持続可能な行財政改革」の名による市民大リストラ計画に反対する市民のみなさんの運動と連帯し、2021年度予算案の組み替えを求め、予算委員会等で論戦の先頭に立ちます。さらに今年は必ず衆議院総選挙が執行されます。日本共産党も含む野党共闘の躍進で政権交代を図り、菅政権による「自助」の押しつけと地方自治破壊を終わらせ、住民が主人公の地方自治体の実現をめざして全力を上げます。


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