京都市聚楽保育所及び京都市じゅらく児童館を廃止し、施設の所有・運営を丸ごと民間に移管しようとする議案が、一旦9月市会に提案されていましたが、10月27日、終了本会議で市長が自ら撤回するという異例の事態が生じました。
このことについて、見解を発表しましたので、下記本文をお読みください。
聚楽保育所及びじゅらく児童館を廃止する条例案の撤回に関する見解
2020年10月30日
日本共産党京都市会議員団
団長 井坂 博文
9月議会に提案されていた「京都市保育所条例の一部改正」及び「京都市児童館及び学童保育所条例の一部改正」議案を市長が撤回するという事態が生じました。これらの議案は、京都市聚楽保育所及び京都市じゅらく児童館を廃止し、施設の所有・運営を丸ごと民間に移管しようとするものです。
京都市は「市営保育所の今後のあり方に関する基本方針」を策定した2012年以来、25ヶ所あった市営保育所のうち11ヶ所を廃止してきました。京都市方針は国がすすめる公務の市場化と行政リストラに追随するものです。聚楽保育所について、京都市は民間移管ありきで16年度と19年度に公募しましたが応募がなく、3度目の公募で一法人のみが応募した結果、委託先をその社会福祉法人きらきら福祉会に決定しました。
そもそも、保育は一人ひとりの子どもが成長発達する権利を保障する社会の土台であり、児童福祉法は「地方自治体は児童が心身ともに健やかに育成されるよう児童の福祉に関する支援に係る業務を適正に行う」と明記しています。とりわけ、市営保育所は対応に特別な配慮を必要とする重度の障害等を有する子どもの保育をはじめ、保育実践や地域の子育て支援など大きな社会的役割を担っています。
市営保育所の民間移管に対して、これまで保護者から「市営保育所が民間移管されることに不安がある。民間移管しないでほしい」との声が寄せられてきました。今回、受託法人が辞退を申し出たことで議案が撤回されることとなりましたが、これは京都市が市営保育所の民間移管を強引にすすめてきたことの矛盾の現れであります。子どもの生命を守り育む大切な事業に対する公的責任を後退させてはなりません。市営保育所の民間移管をすすめる方針そのものを撤回することを求めるものです。
以上