国民健康保険料の均等割・世帯平等割の廃止に向け、国費の大幅投入を求める意見書案について、井上けんじ議員が提案説明 - トピックス|日本共産党 京都市会議員団

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井上けんじ.jpg 20日、2月市会本会議で行われた「国民健康保険料の均等割・世帯平等割の廃止に向け、国費の大幅投入を求める意見書(案)」について、井上けんじ議員が提案説明を行いました。提案説明の内容は、以下の通りです。

国民健康保険料の均等割・世帯平等割の廃止に向け、国費の大幅投入を求める意見書(案)の提案説明
井上けんじ議員

 日本共産党市会議員団は、国民健康保険料の均等割・世帯平等割の廃止に向け、国費の大幅投入を求める意見書(案)を提案しておりますので、私は、その趣旨について、議員団を代表して説明させていただきます。

 意見書案が述べております通り、国民健康保険については、全国的にも本市でも、他の健康保険、特に被用者保険と比べ、被保険者の所得が低いのに、保険料は高いという構造的な問題を抱えています。京都市では、被保険者のうち、所得割基礎額200万円以下の皆さんが90%も占めています。最近、短時間労働者にも職域保険加入が少し改善されそのことが被保険者数減少の要因にもなっておりますが、ここにも入れない低賃金非正規労働者が国保の3割、おそらく年金収入だけの無職の高齢者が55%を占めています。
 国民年金だけでいえば、市民の年金額は月5万数千円程度の低年金となっています。一方、保険料はといえば、モデル世帯で介護保険料を除いて、所得200万の場合年26万円以上、300万で36~37万円、400万で47万円等々と、いずれも所得の1割を超える負担となっています。
 一方、協会けんぽでは、同じ所得での保険料はざっと15~16万円、21~22万円、28万円余り等々、大まかに言って国保料の約6割前後となっています。職域保険では家族数は無関係ですが、国保の場合、このモデルでは2人世帯ですから、家族の被保険者数が増えればもっと高くなっていくことは言うまでもありません。即ち、国保料が高い要因は、職域保険での事業主負担がないこととともに、所得に無関係の均等割・世帯平等割がかかってくることであります。生まれたての赤ん坊でも、被扶養者ではなく被保険者でありますから、とりわけ均等割は少子化対策にも逆行することは明らかであります。ご承知の通り、国保料は応能割、応益割、各50%に按分して逆算され計算されていますから、応益割の均等割・世帯平等割をなくせば、法定減額の仕組みがある等一概には言えませんけれど、理論上ざっと半額への値下げが実現できることになり、これは、前述の協会けんぽの保険料水準への横並びが可能になるということであります。

 こういう方向で国保料の引き下げを図ることは、まず第一に、同じ住民間で加入する医療保険の違いによって保険料が大幅に違いがあるという現状を是正し、平等化に近づけること、第二に、国保被保険者の暮らしと医療を守ること、第三に、国保の破綻を防ぎ国民皆保険を守るという大きな意義を持つものであります。 高すぎる保険料を引き下げるために、細かい計算は必要ありません。均等割・世帯平等割をなくせば、ざっと、いろいろな健康保険の各被保険者の保険料水準との格差を是正することができますし、当然大幅な国保料値下げが実現できます。 また合わせて、税金や国保料を集める大原則である、高い所得からは高い税金保険料、低い所得からは低い税金保険料という、本来の実質的平等、累進性に基づく集め方への改善となる意義をも合わせ持つものでもあります。
 さて、これらの主張は、日本共産党だけのものではありません。むしろ私たち自身が、自治体関係者の皆さんから学び、示唆を得たものであります。本市を含む全国市長会は、昨年11月15日、「国民健康保険制度に関する提言」の中で「子育て世帯の負担軽減を図るため、子どもに係る均等割保険料(税)を軽減する支援制度を創設すること」と、「国の積極的な措置」を求めています。全国知事会は、既に2014年6月2日、当時の山田啓二会長と、社会保障常任委員会委員長、この方は今も栃木県の知事をされておられる方ですが、連名で、「国には...国保の被保険者の負担が限界に近づいていることを改めて認識し...抜本的な財政基盤強化の具体策を一刻も早く提示するよう、強く要請する」との要望とともに、特に「きわめて大きい被用者保険との保険料負担の格差をできる限り縮小するような、抜本的な財政基盤の強化が必要」と指摘しています。更に、この社会保障常任委員会委員長は同年7月4日、与党の医療プロジェクトチームの関係団体ヒアリングの中で、国民の保険料負担の公平性と将来にわたる国保財政の基盤強化の観点から、総額1兆円の公費投入の必要性を訴えられました。均等割・世帯平等割をなくせば、全国的に、ほぼ職域健保並みに保険料を下げることができ、その為の財源が1兆円という次第であります。
 第一歩ですが、既に、一般会計繰り入れで均等割の軽減に踏み出している自治体も生まれています。

 さて、今年度から、都道府県も国保の運営に加わっておりますが、政府は、その目的について、被保険者同士の助け合いとともに、これからは自治体間での助け合いも必要との趣旨のことを言っています。一般会計からの繰入についても、その種類によって廃止すべきとも言っており、実はこの繰入廃止こそが都道府県化の目的だとも言われています。
 本市の方針でも「現在の保険料水準をいつまでも継続できる状況にはない」と、今でも高すぎる保険料について、傷口に塩を刷り込むような布石が打たれています。高い保険料を押し付け、払えない人には差し押さえ強化、保険証取り上げなどの方向を強めるか、それとも政府に対し、抜本的な国費投入を求め市民の命と国保制度を守るのか、自治体と自治体議会にとって、そのことが今問われています。 大企業と富裕層への行き過ぎた減税をやめ、以前の税率に戻して、利益にふさわしい応分の負担を求めれば、財源は可能です。
 専守防衛には議論があったとしても、少なくとも海外へ攻めていく為の軍事費は削るべきです。思いやり予算は米軍言いなりの象徴です。財源がないわけではありません。
 全国の自治体と自治体議会が力を合わせ、声を挙げて政府に迫るべきであります。提案へのご賛同を求め、提案説明とさせていただきます。
 ご静聴ありがとうございました。

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