公営企業予算案について、平井良人議員が討論 - トピックス|日本共産党 京都市会議員団

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 20日、2月市会本会議で行われた「公営企業会計予算案」の採択について、平井良人議員が討論に立ちました。討論の内容は、以下の通りです。

公営企業予算案についての討論
平井良人議員
 日本共産党市会議員団は、議題14号~議第17号及び91号~97号について反対の態度を表明していますので、その理由を述べます。
 議第14号~17号に共通しているのは、政府の10月実施予定の消費税10%増税を前提とした料金値上げの予算案であります。反対の最大の理由は、消費税の転嫁を行い、市民の負担を増やすものだからです。
 消費税は、所得の低い人ほど負担が大きい、逆進性の税金であり、このことは格差と貧困をさらに広げ、弱いものをいじめる税金です。消費税が5%から8%に上がった時にも負担が大きく、国民消費支出は下がったままです。消費税の10%の増税は、あらゆる分野で市民に耐えがたい負担を押し付け続けることは明らかです。
 市バスや地下鉄、水道、下水道の各事業は、市民生活に直結しており、ライフラインそのものです。消費税増税を料金に転嫁し、市民生活と京都経済に打撃を与える京都市の姿勢は、ただちに変えることが必要です。増税を押し付ける政府に「増税はやめるべき」との声を挙げ、国に増税中止を迫ることが、市民生活の防波堤として自治体の役割です。加えて、政府は増税を決定したわけではありません。それは、菅官房長官の発言からも明らかです。これまでの議論から増税を転嫁しなくてもペナルティがないことは、理事者答弁でも認めてきたことです。大前提となる増税の根拠も勤労統計の不正・ねつ造でその根拠が崩れています。
 増税により、消費全体の6割を占める個人消費を冷え込ませることは、市民生活の苦しみを増やすことは明白です。

 水道事業では、2018年度の「水に関する意識調査」でも、水道料金について「高い」「やや高い」の比率は51.3%と過半数を超える人が現在の生活の中で料金が高いと感じています。それは、年金が減り続けていること、働いている人の所得が減り続けていることなど低所得で多くの人が苦しんでいることにほかなりません。これに消費税が転嫁されれば、命の水としての役割を放棄するものとなることは明らかです。
 次に、下水道事業についても使用料値上げの消費税転嫁が含まれています。「住民の福祉の増進」を掲げる公営企業の役割に背くものです。
また、国の交付金、補助金が先行き不透明のもとで、国の財政負担を減らそうとしています。今後、老朽化する管路や災害対策としての耐震化などの費用負担が大きくなります。国への強力な要望を行うことを求めておきます。
 水道、下水道ともに民間活力の活用を掲げていますが、実質的な公営を堅持し、市民生活への支障がないように検討すべきです。また、国の水道法改正によって広域化が進められていますが、これを入り口に民営化を推進する狙いがあります。国の流れのまま事業を進めることがあってはなりません。地方自治体の判断で命の水を守ることが必要です。

 次に、バス事業です。調整区間運賃の引き上げ、定期券料金の引き上げの消費税転嫁が含まれています。周辺部の交通機関の運賃を引き上げ、学生や労働者にとって欠かせない定期券料金の引き上げは、市民生活に負担を押し付けるもので、撤回すべきです。軽減措置などあらゆる手段を取り、市民生活を守るべきであり、国に求めるべきです。
 管理の受委託についても、京阪が事実上の撤退を表明し、直営化によって費用負担が増え、これまでの15年間黒字会計から赤字予算となっていますが、もともと国の規制緩和により、運転士の給与を極限まで抑え続けてきた結果、全国的にも運転士不足が顕著となり、現在の状況を招いています。そのため、全国的には交通事業に対して、一般会計からの繰入を行っています。京都市は、任意の補助金を受け取らないとの態度に硬直していますが、一般会計からの繰り入れを行い、市民の足を守るべきです。
 地下鉄事業では、消費税増税の転嫁を初乗り運賃や4区、5区運賃の値上げと定期券の引き上げを含む予算編成となっています。これでは、初乗り運賃は日本一高いままであり、定期券は他の政令市と比べても10%も低い割引率です。定期券割引率を改善して「大学のまち、学生のまち京都」として、学生のみなさんを応援することを求めます。
 また、事業の中で、地下鉄烏丸線ホーム可動柵の全駅設置に向けた車両計画を来年度につくるとしています。計画策定で全駅設置の目途が見えてきましたが、視覚障害者の方々から求められているのは、早期全駅設置です。みなさんの要望に応えられるよう計画そのものを早期に実施することを求めておきます。
 以上を申し述べ、討論とします。

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