京都市中央保護所の廃止・移転問題について、以下の通り見解を発表しました。ぜひ、お読みください。(写真:京都民報社撮影)
【見解】京都市中央保護所を廃止し、民設民営の救護施設を京都市伏見区羽束師地域に設置することについて ――救護施設及び施設整備計画の抜本的な見直しを――
日本共産党京都市会議員団
団長 山中 渡
京都市は、2016年11月に、2020年度から中央保護所を民間の救護施設として整備する方針を公表しました。さらに、2017年2月市会では、京都市中央保護所の指定管理者に、「社会福祉法人みなと寮」を指定する議案(2017年4月1日からの3年間)が出され、この議案に党議員団は反対し、中央保護所を廃止せず、機能強化を行い、民間救護施設に移管しないよう求めました。
2018年3月、京都市は民設民営による救護施設として公募を開始し、同年8月10日に選定事業者を「社会福祉法人みなと寮」とし、建設予定地について、法人が確保した「伏見区羽束師菱川町423番地」であることが公表されました。
今回、当該建設予定地が向日市に隣接し、利用者が向日市内の鉄道駅等を利用することが想定されることから、向日市の住民に対しても丁寧な対応が求められていました。しかし、向日市民対象の2回の説明会では、京都市が民間による救護施設としたことへの不安、工事着工直前の説明会などへの抗議の声が出され、計画の撤回を求める発言が相次ぎました。救護施設の建設・運営は、近隣住民の理解や協力なしにはありえませんが、建設着工直前になっての、京都市と法人の建設予定地周辺地域への対応は不誠実であり、理解を得られるものではありません。
そもそも、ホームレス支援を行うためには、支援者や被支援者にとって、施設の設置場所の利便性は重要な要素であり、京都駅や福祉事務所から近い位置にあることが必要です。ホームレス支援が引きつづき実施でき、救護施設の目的を果たすためにも、計画中の救護施設はいったん白紙に戻すこと、現中央保護所を拡充する等、建設予定地を含め、計画の全体を見直すことが必要です。