「小学校のような全員制の中学校給食の実施」請願の討論 ほり議員 - 市会報告|日本共産党 京都市会議員団

「小学校のような全員制の中学校給食の実施」請願の討論 ほり議員

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本会議 討論
ほり信子議員
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 日本共産党京都市会議員団は、請願第1130 号「小学校のような全員制の中学校給食の実施」を採択すべきとの態度を表明しておりますので、 私は議員団を代表し、その理由について述べます。

 今回の請願は、「京都市の遅れている子育て支援策の一つとしての中学校給食を、選択制ではなく全員制の小学校のような中学校給食を」と署名7304筆を提出して求めています。

 2000年から始まった京都市の選択制の中学校給食は、今や時代の要請に逆行しています。なぜなら、西日本の政令指定都市の中で、選択制だった3つの政令市が、2026年までに全員制の中学校給食へと移行することを表明しており、京都府内でも、宇治市や亀岡市が全員制の中学校給食の実施を表明していることから、京都市が唯一の「選択制の中学校給食」となり、取り残される結果となっているからです。

 全国では、今や全員制の中学校給食は当たり前、給食費の無償化や一部補助をする自治体さえ出てきている状況です。全国の状況を鑑み、だれ一人取り残さないために、すべての中学生に、小学校のような全員制の中学校給食を実施することを京都市は決断すべきです。

 すでに、施設一体型の小中一貫校では、全ての学校で、自校調理方式での中学校給食が実施されています。なぜそうなっているのか。それは、お弁当では行き届かない栄養のバランス、みんなと同じものを食することでの学習効果、児童生徒にとっての心身の成長発達に欠かせないものとして給食を位置づけているからではないでしょうか。請願者が、施設一体型の小中一貫校だけが全員制の給食を享受するのではなく、すべての中学校へ改善をと求めていることは、当然の主張です。

 給食を食べている生徒は24%。京都市が三年前に行った実態調査でも、「学校での昼食時に何も食べていない生徒」が7.7%もいます。コロナ禍で、家庭でも食べ物を満足に取れていない生徒がいる中、「学校に行けば、みんなと一緒に給食が食べられる」そういう安心感が全員制の中学校給食にはあります。全員制の中学校給食を実施し、セーフティネットとしての役割を発揮すべきです。

 次に経費の問題です。昨年の教育福祉委員会に示された資料によれば、小学校のような全員制の中学校給食を実施するために必要な経費は用地確保も含めて、親子方式の場合、総事業費で169億円とのことです。しかし、そこには、当然、国からの財政支援もあります。一方、選択制の給食を利用している生徒は四分の一ですが、これを全員が利用しようとすれば、21億円かかりますが、親子方式で中学校給食を実施した場合の人件費増加分は12億円にとどまります。国庫補助も受けることができる小学校のような全員制の中学校給食の方式の方が現実的ではないでしょうか。

 今回、請願者本人が要望した趣旨説明もかなわず、わずか40分足らずの一回の審議で不採択にするのは、あまりに理不尽です。付託された委員会として、請願者の思いに寄り添って、色々な角度からもっと慎重に審議すべきです。

 採択に当たって、我が党以外の会派は、「現時点では不採択」と判断されました。地域政党京都党・日本維新の会市会議員団が、「小学校と同様の温かくて美味しい中学校全員給食の実施を実現しよう」と言っておられることと、今回の態度は、整合性があるのでしょうか。小学校のような全員制の中学校給食を実施することを前提に、あらゆる方法を検討するのが行政のみならず議会の責務です。

 小学校のような全員制の中学校給食の実施の必要性は、コロナ禍と物価高騰の中で、さらに大きくなっていることから、本請願を採択し、小学校のような全員制の中学校給食の実施にむけて舵をきることを求めて、討論とします。

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