新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大への対応を求める意見書案に反対し、新型コロナウイルス感染症の急激な感染症拡大(第7波)への対応を求める意見書案に賛成する討論
くらた共子
日本共産党議員団は自民党、公明党、日本維新の会、民主・市民フォーラム、京都党、立憲民主党、無所属議員による「新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大への対応を求める意見書案」に反対し、共産党議員団提案の「新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大(第7波)への対応を求める意見書案」に賛成しております。わたくしは、議員団を代表し、その理由を述べて討論を行います。
自民党、公明党、日本維新の会、民主・市民フォーラム、京都党、立憲民主党、無所属議員提案の意見書案は、新型コロナウイルス、オミクロン株の新たな新生株BA.5系統への置き換わりによって、第6波を上回る驚異的なスピードで感染が拡大していること、軽症者への速やかな対応が困難な場面があるなど、保健所設置市として、現場がひっ迫を極めているとしています。
ところが、このことへの具体的な対策にあげているのは、新型コロナウイルス感染症を感染症法上の位置付けを変えて、感染者の全数を直ちに届け出る扱いを見直し、これをもって「柔軟で実効性のある」対策としています。さらに、その根拠に7月28日に開催された全国知事会で「感染症法上の位置づけを2類から5類に見直す意見も相次いで出された状況」としていますが、これは、そうした声が出たということだけであって、全国知事会が示した「新たな変異株の感染急拡大に対する緊急建議」には、感染症法上の位置づけを変えるなどとの文言は一切、記述されていません。また、感染者の全数を直ちに届け出る扱いの見直しも求められていません。
全国知事会が緊急建議の中で求めているのは、「保健所の機能強化、医療ひっ迫の懸念を踏まえた医療提供体制の充実や感染対策の強化をはじめとする保健・医療提供体制の維持・確保に対する抜本的な支援を含め、迅速かつ効果的な感染対策に積極的に取り組むこと」であり、京都市会においても感染症対策の基本に立ち返り、このことを正面から国に求めるべきであります。現場が回らないからと、感染症対策の基準を変えることは国民の命の軽視につながります。
そもそも、季節性インフルエンザと危険性が変わらないとの議論があることについて、実際は高齢者の重症化率・致死率はインフルエンザよりもかなり高いこと、変異株への警戒が必要であることが指摘されています。政府は根拠のない過小評価に与するべきではありません。さらに、政府は6月から入国制限と空港検疫を大幅に緩和し、入国時検査数も1日1万件から1日数百件に減少させています。また、医療機関に対しては、新型コロナ対応の診療報酬を次々と減額措置するなど、国民の命に対する責任すら放棄する対応であることを共産党議員団提案の意見書は厳しく批判しています。
いま、大事なことは「第6波」で、救急搬送困難事例は過去最多、死者数も1万人超という最悪の事態となったことを直視し、医療・検査・保健所等の体制強化に真剣にとりくむことです。そのために国に対して、1、発熱外来の体制強化、高齢者施設等での頻回検査、無料PCR検査を抜本的に強めること。2、医療全体の体制強化、臨時的医療施設・療養施設が機能するよう対策を講ずること。3、保健所の抜本的な機能強化を支援すること。4、ワクチン接種について、必要とする人への接種が円滑に進むよう対策をとること。5、空港検疫を抜本的に強化し、まともで適切な水際対策を行うこと。6、なりゆきまかせの対応をあらため、BA.5系統への対策を明確に示すこと。以上の対策について国が危機感をもって行うよう強く求めるものです。
以上をもちまして、わたくしの討論といたします。ご清聴ありがとうございました。