10年5月28日(金)
[声明]5月定例市会を終えて 市会を終えて
1.5月定例市会は本日、26件の議案を可決し閉会しました。日本共産党市会議員団は、必要な繰上げ充用を行う国民健康保険事業特別会計補正予算、552人の臨時雇用を盛り込んだ雇用対策事業特別会計補正予算など17議案に賛成し、市立看護短期大学の廃止条例、指定管理者制度を導入する中央保護所条例の改正など9議案に反対しました。また、「岩倉出張所の存続」を求める請願を全会一致で採択しました。
今議会で、正副議長と監査委員の議会3役がわずか1年で辞職し、改選が行われました。市会第2会派の日本共産党を不当に排除し、与党3会派が3役を独占したことは、民意を踏みにじり与党によるたらい回しを行うもので、党議員団は抗議声明を発表しました。
1.市長は、3月に否決したばかりの市立看護短期大学の廃止条例を無修正のまま再提案するという議会の議決を無視した暴挙を行い、市民や関係者に大きな怒りを広げました。佛教大学との確認書が白紙撤回されたもとで、「民設での市立看護短期大学の4年制化」の根拠も崩れ、コスト論だけで廃止を強行しようという提案に、3月に会派として反対した自民党の態度が問われましたが、最終本会議で党議拘束をはずしたため、半数の議員が賛成し可決されました。自民党市会議員団は会派としての当事者能力の無さを改めて露呈しました。結果として廃止条例を可決させた自民、民主・都みらい、公明の責任は重大です。党議員団は、市民の声にも耳を貸さない市長と、廃止に賛成した議員の責任を問うとともに、引き続き看護短大の存続、公立の4年制化とあわせて京都市の看護師養成に対する公的責任を果たすよう求めていく決意です。
1.党議員団は本会議や委員会で、国民健康保険の加入者の深刻な事例を取り上げ是正を求めました。5月20日には高すぎる国保料の滞納者に、差し押さえを強行する京都市を告発する文書を発表しました。6月には値上げされた国保料の通知が届き、市民の怒りがさらに広がることは明らかです。払いたくても払えない国民健康保険料の値下げは市民の切実な要求です。党議員団は、世論を広げて国の責任を果たさせるよう全力をあげる決意です。また、子育て支援の充実では、民間保育所プール制を元に戻すこと、保育所増設や学童保育の拡充を求めて奮闘しました。国が社会福祉施設の最低基準を大幅に後退させようとするもとで、京都市は市営保育所の廃止・民営化の方向を示すなど、2月議会に引き続き、福祉施設の民営化に拍車をかけようとしています。福祉行政の公的責任を放棄する姿勢に厳しい批判が広がっています。
4月30日、京都市は試運転中の焼却灰溶融炉の排水から、基準の42倍ものダイオキシン類が検出されていた事を公表し、6月からの本格稼動の延期を表明しました。党議員団は発表に先立つ4月23日、現地調査を行いダイオキシンの曝露防止対策の不備を指摘し、委員会でも対応を追及、安全性も不確かで不要不急な焼却灰溶融炉の稼働中止を重ねて求めました。
1.市長は、市民の反対の声を押し切って5月14日、水族館の設置許可を出しました。与党からも「認められない」と指摘されていたにも関わらず、使用料を半額程度にする提案もセットで行いました。さらに公園の七条入り口広場をつぶして駐車場を増やす計画には、与党会派からも批判が相次ぎました。市民の声も議会の声も無視し、オリックス最優先で突き進もうとしています。党議員団は、「梅小路公園に水族館はいらない」という市民のみなさんと力を合わせて、梅小路公園を市民の公園として守る取り組みを強めます。 オリックスに対する水族館設置許可の情報提供を、日本共産党には遅らせるという不公平な扱いをしていた事が判明し、党議員団の指摘を受けて、市会運営委員会として「公平な情報提供を求める」と厳重に抗議しました。肝心な問題では、特定政党排除という京都市の隠ぺい体質が改めて露呈しました。
1.意見書では、政権交代後さらに前向きな変化が確実に進んでいます。福祉施設の最低基準をなくし、国の財政責任を大幅に後退させる「地域主権改革一括法案」の廃案を求める意見書(共、自)、「子どもの医療費の無料化を国の制度として実施することを求める」意見書(共、自、公)、「B型・C型肝炎ウィルス患者の救済に関する」意見書(全会一致)、「小沢一郎民主党幹事長の国会証人喚問を求める」意見書(共、自、公)を可決したことは大きな成果です。その他に「口蹄疫の感染防止に向けた対策の充実強化を求める」「小規模グループホームの防火体制強化を求める」意見書を全会一致で可決しました。自民党は「ばらまき政策を排し、財政の健全化を求める」意見書を提案しましたが、自公政権時代に借金を拡大したことには全く無反省のまま、民主党批判に終始し、他会派全てが反対し否決しました。一方、党議員団が提案した「普天間基地の即時無条件撤去を求める」意見書に対して、自民、民主・都みらい、公明が反対し否決しましたが、世論の批判は免れません。
1.6月24日公示、7月11日投票で参議院選挙がたたかわれています。政権交代させた国民の新政権に対する期待が失望から怒りへと変わっています。しかし「政治を変えたい」との国民の願いは、政治の逆戻りも許しません。日本共産党は、国民が主人公の立場を貫き、アメリカにも大企業にもモノが言える政党として、国民の願いに応える政治を前にすすめるために全力をあげる決意です。