10年5月14日(金)
[声明]京都水族館の設置許可強行に抗議する 高速道路・まちづくり
本日、京都市は、オリックス不動産株式会社に対し、梅小路公園内に水族館を設置することを許可しました。日本共産党京都市会議員団は、6月の着工を前提とした、設置許可の強行に断固抗議するものです。
京都水族館の構想は、一昨年の7月、オリックスからの提案を市長が受け入れて発表され、当初から「梅小路公園になぜ水族館か」「環境都市にふさわしくない」など、市民の疑問や反対の声が出されていたものです。市長は、こうした批判を受け設置の是非を第三者による検討委員会に諮問し、市民意見も募集しました。ところが寄せられた249通、467件の市民意見のうち、反対意見が7割にのぼる事実を最後までひたかくしにして、検討委員会から「設置が妥当」との答申を引き出しました。
市民の運動と世論が高まる中、京都市は昨年7月にJR西日本の鉄道博物館とセットにした水族館建設を盛り込んだ新たな「梅小路公園再整備の方向性(案)」を発表し、一体のものとして扱うことで、水族館に対する市民の批判を抑え込もうとしましたが、世論と運動はいっそう広がり、「考えるつどい」などが多数開催され、議会では市民に対する説明責任を果たすよう求めた請願が全会一致で可決される事態となりました。市民や議会から追及されてようやく開催した説明会でも、建設反対の声が多数出されました。
こうした市民の声や市民から示された対案のまともな検討も行わないまま一方的に設置許可を行ったことは、オリックスの水族館建設ありきの姿勢を改めて示すものであり、このような市長の強引な市政運営を厳しく批判するものです。
さらに、民間の営利企業であるオリックスに対し、様々な優遇措置を取ることも明らかになっています。建設予定地を公園区域に拡大し、使用料を半額程度にする要綱も制定、道路整備などの周辺整備も含め、至れりつくせりの支援です。
梅小路公園は下京区で唯一の広域避難場所であり、市民の貴重な憩いの場です。年間200万人の集客が予想される娯楽施設の建設は、公園機能を大きく損なうだけでなく、七条通をはじめ周辺道路に交通渋滞を引き起こし、周辺の住環境に悪影響を及ぼすことは明らかです。さらに七条入口広場の半分を駐車場にする計画を突然発表したことは住民の怒りを広げています。建物だけで年間4800トンもの二酸化炭素を排出する水族館は環境モデル都市に逆行するものであり、イルカショーを目玉にした展示は、生物多様性の観点からも問題点が指摘されています。
市長は、建設ありきの強引なやり方を改め、ただちに設置許可を撤回すべきです。日本共産党市会議員団は、「梅小路公園に水族館はいらない」という市民のみなさんと連携して、建設計画の撤回を強く求めて奮闘する決意です。