10年3月19日(金)
[声明]2月定例市会を終えて 市会を終えて
1.本日、2月定例市会は2010年度一般会計予算など93議案を可決し、閉会しました。日本共産党京都市会議員団は、市民サービスの後退と、市民負担増、市職員リストラを強行する一般会計予算、国民健康保険料の値上げを押し付ける国民健康保険事業特別会計予算、保健所統合を進める保健所条例の改定、市立病院の地方独立行政法人化、運賃値上げを盛り込んだ地下鉄財政健全化計画など「未来まちづくりプラン」を具体化する37議案に反対し、その他の議案には賛成しました。
1.市立看護短期大学の廃止条例は、党議員団と自民党議員団が反対し否決されました。同窓会など関係者の粘り強い運動と、議会での党議員団の論戦で追い込んだ成果です。廃止条例が否決されたことは、4年制の看護大学に発展させるとした市民の期待を裏切り、説明責任も果たさない市政運営への痛烈な市民の批判を反映したものです。同時に医療従事者の養成が求められている時に、公立の看護短期大学を廃止することは時代への逆行であり当然です。
1.市長は、予算について「市民のいのちとくらし、安心安全を支える未来へのトライ予算」と胸を張りましたが、その内容は市民の命の危機と暮らしの不安をいっそう拡大するものであることが審議を通じて明らかになりました。2年連続の国保料の値上げは全世帯に及ぶものです。今でも高すぎて払えず、病院にも行けず手遅れとなっている人の年金を差し押さえている事例を突きつけた質問に対し、副市長が「徴収率をあげることが至上命題」と答弁し、市長は「最小限の負担」だと開き直りました。保育料は「3年間は値上げしない」としていた約束も反故にして国基準の変更を理由に、値上げを合理化しました。党議員団は動物園入園料、産業技術研究所の手数料などの値上げ、入湯税の導入に対し「不景気な今、なぜ値上げか」と怒りの声を示し、撤回を求めるとともに、中小企業の固定費補助、住宅改修助成制度の実現などを求めてたたかいました。
1.今議会では、市長の強引な市政運営に、議会内外で大きな批判の声が広がりました。京都水族館建設については、市長は設置許可を未だに出せずにいるなど市民の運動が追い込む中、6月着工時期を明記した中高層条例に基づく看板設置を強行するなど、市民との矛盾が深まっています。公園の設置許可を出す前に、「市民の賛否を問うべきだ」との党議員の質問に対し、市長は、「決断する時は決断しなければ何も進まない」「京都の未来はない」と断言し、何が何でも建設を推進する姿勢を明らかにしました。
保健所を1ヵ所に統合する提案も、「事前に説明もなかった」と府医師会から異例の要望が行われ、各地区医師会からも反対の声が相次ぎました。市立看護短大の廃止には、自民党議員も「ボタンの掛け違い」「お金がないから廃止すると説明すべき」などと批判しました。
「市立病院のままで存続を求める」署名が2万6千筆寄せられた市立病院と市立京北病院の地方独立行政法人化について、公的責任の後退を指摘し、撤回を求めました。民間保育園プール制を事実上解体する提案に、反対する声と運動はかつてなく広がり、議会を36時間包囲する抗議行動、2万6千筆を超える署名が寄せられるとともに、青いとり保育園の存続を求める署名など、世論は大きく広がりました。
1.市民の運動と議会の論戦で、要求の前進と貴重な成果も生み出しています。高校奨学金支度金の創設や精神障害者へのタクシー助成、分譲マンション共用部分バリアフリー改修助成制度の創設、旧エコクリーン焼却炉解体などが予算に盛り込まれました。質疑で、私道舗装助成制度の拡充を検討すること、ゴミ袋の有料化財源を市民に還元するよう求めた質問に「使い方と指定ゴミ袋の値段も含めて審議会で検討する」との答弁を引き出しました。
「介護保険制度の改善を求める」「若者の雇用創出と新卒者支援の充実を求める」「児童虐待を防止するための親権制限を求める」「国会の自浄能力発揮と政治的・道義的責任の追及を求める」意見書、「『歩くまち・京都』憲章を積極的推進する」決議が党議員団も賛成し採択されました。党議員団の「民間保育園プール制、新制度の四月実施見送りを求める」決議案に対し、与党会派は「円滑な試行を求める」決議を提出してきました。党議員団は討論で問題点を指摘し、合意のない実施の見送りを求めました。一方、自民党は「選択的夫婦別姓法案提出について慎重な対応を求める」、「永住外国人に対する地方参政権に反対する」という反動的な意見書を単独で提案し否決されました。
1.今議会開会中に、京都市都市計画局職員が収賄容疑で逮捕され、市役所に家宅捜索が入る事態となりました。市長就任以来逮捕された職員は5人となり、職員不祥事を1年で根絶するとした公約は破たんしています。また、環境政策局が説明資料を与党議員にのみ事前配布し、公正な審議を妨害しました。党議員団の抗議に、当局は謝罪し二度とこうしたことがないようにすると約束しました。
1.市長は、総選挙で国民の審判が下ったにもかかわらず、「未来まちづくりプラン」を推進する構造改革路線を突き進む姿勢をあらわにしています。市民の世論を踏みにじる強引な市政運営は、さらに市民の反発と怒りを広げるばかりです。日本共産党市会議員団は、市民のみなさんの運動と結んで、切実な要求実現に全力をあげてがんばります。「政治を変えたい」との市民の願いは、国政の転換にとどまらず、地方政治の転換にも向かっています。
3月25日告示の京都府知事選挙は、京都から政治を変える絶好のチャンスです。党議員団は、門ゆうすけさんとともに、府民のくらしを守る京都府政の実現に奮闘する決意です。