10年2月10日(水)
[団長見解]2010年度京都市予算案について~地方自治体の役割放棄は許されない~ 予算案について
1.本日、2010年度予算案など98件の議案が発表されました。「生活安心・未来へのトライ予算」と銘打ちながら、市民生活の安心を奪う内容が容赦なく盛り込まれています。
2年連続の値上げとなる国民健康保険料は、すべての所得階層で約5億3200万円の負担増であり、一昨年「3年間は値上げしない」としていた保育料は1億4100万円の値上げとなっています。さらに、市立病院事業を廃止し、民間経営の手法を持ち込む独立行政法人化、行政区の保健所機能を低下させる保健所統合、市立看護短期大学の廃止、公立保育所や学童の廃止条例などに加え、事務事業の見直しでは、保育士養成所の廃止や看護師養成所の運営費補助削減など、福祉の公的責任を大きく後退させる提案が目白押しです。さらに、地下鉄健全化計画には5%の運賃値上げを盛り込みました。
発表された予算は、構造改革の地方版である従来型の「行政改革」の流れを一層強化するもので、住民の福祉の向上を目的とする地方自治体の役割を放棄するものに他なりません。
1.深刻な不況が長期化する中で、市民税が大きく落ち込んだものの、臨時財政対策債の増額によって実質的な交付税総額は前年度を上回り、公債償還基金の一部を取り崩して財源を確保しています。 それでも財源不足を口実に、予算編成段階から財政再生団体に転落すると危機感をあおり、市民には負担増、市職員には賃金カットと210人の定員削減を押し付けています。また、「公共投資のあり方を転換する」として、90億円の規模で大規模公共事業を抑制したとしながら、高速道路斜久世橋区間で新たに50億円、焼却灰溶融炉の整備・運営に28億5000万円もの予算を計上するなど聖域扱いし、無駄遣いにはメスを入れないままです。
1.「市立病院・京北病院の独立行政法人化に反対する」、「市立看護短期大学の存続を求める」、「水族館建設反対」など、この間、京都市政をただす市民のたたかいが大きく広がっています。昨年の総選挙で、国の構造改革路線に明確な審判が下りました。政治を変えたいとの国民の願いは、京都市政においても同様です。
日本共産党市会議員団は、住民運動とも結んで、市民のくらしと中小企業の営業を守り、地方自治体の役割を発揮させるために、建設的野党として奮闘する決意です。