09年3月26日(木)
[申し入れ]市立看護短期大学廃校の白紙撤回を求める 医療・福祉
1.市長は昨日、「佛教大学との協力による市立看護短期大学の4年制化の取組」について記者会見で発表しました。その内容は、市立看護短期大学の来年度以降の募集を停止し、今期の入学生の卒業(2011年度末)と同時に廃校するというものであり、到底容認できません。市立看護短期大学は、1954年の開設以来、市内医療機関への看護職員の人材供給にとどまらず、保健師や助産師、看護教育者など幅広い人材を養成する看護教育機関としての役割を発揮しています。看護師不足が社会問題にもなる中、今回の廃校方針は暴挙と言わざるを得ません。
1.「市立看護短期大学の4年制化」の内容は、佛教大学の保健医療技術学部看護学科の新設(2011年度予定)にあたって、市立看護短期大学の教員の再就職と市立病院を実習病院として提供するというものであり、京都市の看護師養成の公的責任を全面的に放棄するものに他なりません。
この間の市立看護短期大学を4年制に移行すべきという大学内部の検討委員会の結果も、与野党が一致して移行促進を求めてきた議会の意思をも無視するもので、全く容認できないものです。
1.19日に閉会した2月定例市会では市立看護短期大学に関する質疑がされたにもかかわらず、いっさい廃校についてはふれず、議会が終わった途端に提案するというやり方は、議会軽視といわざるを得ません。さらに、大学職員には発表前日に突然知らせるにとどまり、在校生はもちろん、合格が決まった新入生に対しては、なんの説明もされていません。こうした一方的な方針決定を受け入れることはできません。
さらに公立として抑えてきた学費水準が維持される見通しは全くありません。学費を決めるのは佛教大学であり、京都市は現在、大学に対する補助金等の支援策を講じる考えはないと説明しています。学生に対しては、成績等を勘案した奨学金制度を京都市が創設するとしていますが、内容は明らかにされておらず、他の私立大学も対象としなければ不公平を拡大しかねません。
看護短期大学の職員及び学生はもちろん、市民や議会に全く説明のないまま、看護短期大学の廃校を強行することは許されません。日本共産党市会議員団は、公的役割を放棄する市立看護短期大学廃校の方針の白紙撤回を強く求めるものです。