08年12月16日(火)
[声明]11月定例市会を終えて 市会を終えて
1.本日、11月議会が閉会しました。日本共産党京都市会議員団は、平成19年度一般会計決算については、市内高速道路建設を進める一方で、国の税制「改正」による住民税の増税、ごみ有料化の通年化など、市民負担増をさらに増大させたものとして認定しませんでした。母子寡婦福祉資金特別会計決算など特別会計決算10議案は認定し、高すぎる国民健康保険料の国民健康保険特別会計、給付制限が広がった介護保険特別会計決算、ムダ遣いの付け払いとなっている駐車場事業特別会計についても認定しませんでした。また、中小企業融資枠の拡大のための預託金の増額や納所排水機場の工事による被害復旧の費用などを盛り込んだ平成20年度一般会計補正予算など31議案には賛成し、同和特別扱いである奨学金の一律返済免除を行う条例には修正案を提案、市立病院の民営化に道を開くPFI手法を導入する病院事業特別会計補正予算など8議案には反対しました。
1.深刻な経済危機が市民や中小企業に深刻な影響を及ぼす中、議員団は切実な要求実現に向けて、くらしと営業を守る論戦を行いました。本日、市長を本部長とする「京都市緊急経済・雇用・生活対策本部」を設置することを発表しました。これは、議員団が本会議や市長総括質疑で、市長が対策本部長になるべきだと求めていたものです。中小企業の制度融資の拡充については、3月末に終了期限を迎える原油価格高騰等対策特別支援制度の延長を求め、「ご指摘のように考える」と副市長の答弁を引き出しました。保育料の3年間の凍結や地上デジタル波の電波障害に対する独自の対応、UR住宅の耐震補強について「市としても協力したい」との答弁がありました。一貫して求めてきた介護保険料の引き下げの表明や、子どもの無保険の解消は大きな成果です。
また、「保育制度改革に関する」意見書と「京都の保育水準の維持拡充を求める」決議を全会一致で可決しました。さらに「危険な気候を回避するために『気候保護法』の制定を求める」、「雇用政策の拡充を求める」、「原油・肥料・飼料の価格高騰に対し更なる対策を求める」、「安心の介護サービスの拡充を求める」意見書は全会一致で、「定額給付金の見直しに関する」意見書は日本共産党と民主・都みらいの賛成多数で可決しました。これらは、市民の運動と日本共産党の議会論戦が結んだ成果です。
1.同和奨学金の返済を肩代わりしてきた自立促進援助金制度の廃止を決めた市長は、今議会に2000年度以前に返還を開始した奨学金については、返済能力を問わず一律に免除する条例を提案しました。これは市民の財産でもある18億円もの債権を無条件に放棄するもので、議員団は、地方自治法に反するもので、市民理解は得られないと、返済能力に応じて返還を求めるべきとの修正案を提案しました。しかし自民、民主・都みらい、公明が修正案に反対し原案が成立しました。自治体の債権を議会の議決により放棄するもので京都市会の歴史に汚点を残すものです。コミュニティセンターの廃止に続く、学習施設、保健所分室などの廃止、部落解放同盟一部幹部の特別扱いの中止を求めました。
1.今議会開会中の8日、市長は市民サービスの切り捨てと負担増を盛り込んだ「京都未来まちづくりプラン」(案)を発表しました。「プラン」は「本市単独で実施している事業の見直し」として、「プール制」(民営保育所職員給与等改善制度)への補助金削減、各種補助金の削減に加え、学童クラブ利用料の値上げなど、大幅な使用料・手数料の見直しも盛り込みました。さらに単独事業の見直しに加え、「国や他都市の基準以上のもの」を見直すとしており、連結決算での赤字を口実に国保料の値上げも示唆しています。議員団はプランの撤回を求める声明を発表するとともに、議会論戦でも撤回を求めて奮闘しました。一方、保育料の据え置きや、京都市独自の少人数学級の継続など、市民要求の一部を反映させました。未着工の市内高速道路3路線について「凍結、凍結と言わなくても事実上凍結している」と市長が凍結宣言を行いました。議員団は引き続き、市民と力を合わせて、切実な要求の実現に全力をあげる決意です。
1.市立病院の建て替えとその後18年間の運営と維持管理をPFI事業として行うために、906億円の債務負担行為を設定する議案に対して、議員団は、高知市や近江八幡市での病院PFI事業の失敗例も示して反対し、公的病院としての役割発揮を求めました。また、開会中に示された「市バス・地下鉄事業経営健全化計画(案)」は、財政危機を理由に市民にさらなる地下鉄料金値上げを押し付けるもので、到底認められるものではありません。
1.門川市長の下で、京都市行政の公平性、中立性が問われる事案が続発しています。市長が教育長だった当時に、教育委員会事務局職員によるタクシーチケットの不正使用が、住民監査請求によって判明し、教育委員会は不正使用分の返還に応じざるを得ませんでした。さらにこの調査を通して、年間5万時間にも及ぶ違法なサービス残業の実態と実労働時間の管理を裏帳簿で行っていた事実も判明しました。議員団は、法令遵守はもとより、世論と結んでこの体質をただす取り組みを強めます。さらに公費である市長や市幹部職員の交際費を、日本共産党以外の会派や議員の飲食を伴う懇親会などに支出していたことが明らかになり、政治家との交際費に公費を支出しないよう交際費の使途基準の見直しを求めました。
また、オリックス不動産株式会社による梅小路公園内の水族館構想を容認する検討委員会の答申案が取りまとめられましたが、多くの市民の建設反対の意見を無視し、議会も軽視する「建設ありき」の強引な方針決定は認められません。
1.年末を目前に、非正規労働者の派遣切りが広がり、中小企業に対する下請け切りという事態も深刻です。かつてない経済危機に対し、国も地方自治体も市民のくらしと中小企業の営業を守るために総力をあげて取り組まなければなりません。日本共産党市会議員団は国会、府会議員団と連携し、この未曾有の危機突破に全力をあげる決意です。
自民・公明政権はもはや崩壊寸前です。経済危機の打開策は全く打ち出せず、政界再編の先にも打開策は見えません。早期の解散・総選挙に追い込んで、真に国民の要求を実現する国政の実現へ力を合わせましょう。