08年8月 4日(月)
[見解]政務調査費の監査結果に対する対応について その他
日本共産党京都市会議員団(以下・党議員団)は、政務調査費をその目的である議会活動の充実と市民の願いを実現するために積極的に活用してきました。執行にあたっても法と条例に基づき、適宜、市会事務局との協議も行い、適正な執行となるよう努めてきました。さらに、政務調査費の使途公開に向けて、すべての領収書を公開するよう他会派にも働きかけを行い、2008年度からは全会一致で1円からの領収書公開が実現しました。
政務調査費の使途については、説明責任と透明性を高める努力が常に求められます。党議員団は、今回の監査結果について、政務調査費の今後の改善に資する内容が含まれていることや改善すべきは改善するとの立場から、その対応を検討してきました。
党議員団は検討を重ねた結果、人件費として支出した政務調査費のうち、議員団控え室で勤務し政務調査活動に専念する事務局職員については10分の1、行政区で政務調査活動を行う地域政務調査員については支出した政務調査費の半分を、人件費以外で指摘された事項の全額とあわせ、自主的に返還するものです。
(日本共産党京都市会議員団の人件費について)
監査結果は党議員団の人件費について、会派で雇用する事務局職員については政務調査費の全額充当を認めました。しかし、議員が共同で雇用し、議員団控室で政務調査活動に専念している事務局職員7人については人件費の2分の1を政務調査費での支出を認め、また、各行政区で政務調査活動を行う地域政務調査員12人の人件費については認めないとしました。こうした判断のもとに監査結果は政務調査費による人件費の7割を返還すべきとしました。
これまで党議員団は、議員団控室を執務場所とし、政務調査活動に専念している事務局職員については、「議員個人が調査研究のために雇用した職員は全額充当できる」(2001年の全国都道府県議会議長会の通知)との見解に基づき、議員が共同雇用し、人件費の全額を政務調査費から支出してきました。
こうした支出に対し、監査結果は党議員団の事務局職員について「政務調査に資する側面がある」と活動の実態を認めつつ、人件費の支出の判断基準として「議員が自主按分していない場合は、2分の1を政務調査費と認める」としました。また、監査結果は事務局職員の「雇用の実態がない」としていますが、これらの職員の源泉徴収票は党議員団が発行しており、「実態がない」としたのは当たらないと考えます。
同時にこの間、政務調査費の使途について行政・司法の判断の進展もあります。京都市でも2008年度から按分の考え方を採用した運営基本指針が施行されています。また最近の他議会の監査結果でも、議員が共同雇用する事務局職員の人件費について10分の9の按分を認めた事例もあります。こうした点からも党議員団控室に勤務する事務局職員の人件費については、10分の9の按分で政務調査費の支出を認めるのが適当と考えます。
監査結果は地域政務調査員について、政党職員であることを理由に、政務調査費の全額を目的外使用としました。党議員団は、前述の全国都道府県議会議長会通知の質疑応答で「会派にいる職員(政党から派遣されている者)について、政務調査費を人件費として支出できるか」との質問に、「雇用全体が会派でなくても、会派の政務調査活動の実態により判断することになる」として、政務調査費の支出を「負担割合を2分の1以内とする考え方もある」との見解をもとに、2分の1の按分を採用し執行してきました。地域政務調査員の政務調査活動の実績は、年間500ページを超える報告書にも集約されています。こうした実態について監査結果も、「全く議員の調査研究と無縁の支出とは言えない」としています。また、監査結果は、議員の活動についての分類をおこない、「議員・政党、後援会活動」が2分の1、「政務調査活動」が2分の1の按分が認められるとの考えを示しています。前述の見解や監査結果の按分の考え方を採用するなら、行政区で議員活動を補佐する地域政務調査員についても、党議員団が政務調査費で支出した半額を認めるのが適当と考えます。同時に、政党職員が地域政務調査活動を行うことは可能とはいえ、雇用の形態については誤解を生むものであり改善が必要と考えます。
党議員団は、今回の監査結果を踏まえ、政務調査費の使途の透明化を高め、議会の活性化と市民の暮らしを守ることに資するよう政務調査活動について不断の点検を行い、いっそうの充実に努める決意です。