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見解・声明

08年6月 5日(木)

[声明]5月定例市会を終えて 市会を終えて

 日本共産党京都市会議員団

 

1、5月定例市会は市長が初めて自らのマニフェストを盛り込んだ肉付け補正予算をはじめ、32件の議案を可決し本日閉会しました。日本共産党市会議員団は、必要な繰上げを行う国民健康保険事業特別会計予算、今後の負担軽減効果が認められる地下鉄第三セクターの直営化など件に賛成、市税条例の改正など必要な報告議案を承認しました。

 補正予算には、児童館整備設計や高齢者等の木造住宅部分改修助成など市民要求を反映させた施策が盛り込まれた一方、鴨川西ランプを含む高速道路関連で約32億円(骨格予算と合わせて73億円)が計上されました。高齢者配食サービスの補助を一食100円切り捨てるなど、事務事業の見直しで32億円を削減する行財政改革路線を踏襲し、高速道路など引き続きムダ遣いを継続している補正予算、住民合意の不十分な東山小中学校の統合に関する議案など7議案には反対しました。自民、民主・都みらい、公明党のオール与党はすべての議案に賛成しました。道路特定財源をめぐって、民主党は国政では反対しながら、今回の道路特定財源の補正に賛成し、公明党は暫定税率復活で予算が組めたかのような議論を行いました。

1、京都高速道路の油小路線(斜久世橋工区)及び、鴨川西ランプの予定地で難航していた旧浜口染工跡地の買収手続きをめぐる疑惑が浮上しています。買収額も非公開のまま、代替地として京都市の市有地3箇所(二条駅五角形用地、太秦天神川用地、内職補導センター跡地の合計1万平米超)を市民や議会にはからず約62億円で提供し、さらに億単位の上乗せをしていたことも判明しました。副市長は「適正な手続き、適正な価格で譲渡した」と開き直りの答弁を繰り返しました。党議員団は、引き続き全容解明に全力をあげるものです。

 市長は京都高速道路未着工3路線について、市長選挙では「4年間は着工しない」としていたものの、今議会では「総合的な交通体系構築、財政状況等を勘案し、必要性も含めあり方を再検討する」との答弁にとどまり、中止するとは表明しませんでした。

1、市長が補正予算に盛り込んだマニフェストの中身の不十分さも明らかになりました。妊婦健診に対する助成は5回に拡充されたものの、助成額は実質2回程度で2回目以降はごく一部の助成にとどまり、3人目の保育料等の無料化についても幼稚園も含めて対象者はわずか600人程度であり、与党からも拡充を求める発言がありました。耐震診断及び改修助成制度では部分改修や保育所等の特定建築物、分譲マンションへの助成制度が実現しましたが対象はごくわずかで、自ら定めた耐震化計画の目標達成には程遠い内容となっています。党議員団は、問題点を明らかにするとともに、いっそうの拡充を求めました。

 また、京都高速鉄道株式会社の直営化については、改めて地下鉄東西線の建設費膨張を招いた情報非公開と巨額の税金投入を厳しく批判し、情報公開の必要性を教訓とするとともに、国の劣悪な補助制度の抜本的な改善を強く求めました。

1、市長は先の市長選挙に際して、自らのインタビューが掲載された市販本の購入と配布をめぐって、公費の不正支出およびぐるみ選挙の疑惑に加えて、日本共産党には配布しないという差別的扱いをした問題に対して、最後まで自らの責任については触れず答弁を避けました。さらに長年の慣行として行ってきたことが発覚した一民間企業である京都報道センターに情報提供してきたこと、校長等が現金を渡していた問題についても、まともな説明をしませんでした。市政運営の根幹にすえるべき行政の中立性・公平性を無視する姿勢をとり続けたことは、市長としての政治姿勢と資格が問われます。

 1、「職員不祥事に関する調査特別委員会」において、党議員団は「改革大綱」では、不祥事は根絶されないこと、依然として同和運動団体幹部への特別扱いが不祥事の背景にあることを指摘し、調査と審議の継続を求めましたが、与党の反対で調査終了となりました。市長公約でもある「同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会」が発足し、委員会はすでに2回開催され、自立促進援助金に関する専門委員会も設置されました。不祥事問題の審議を通じて明らかになった、不祥事の背景にあるいっさいの同和特別扱いの中止が求められています。

 また、「子宮頸がん予防ワクチンに関する」意見書など4件の意見書を全会一致で可決しました。自民、民主・都みらい、公明は、問題を労働者の意識改革にすり替える国が制定した憲章を推進する「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)のまちづくりに関する」決議を提案し、党議員団は労働者派遣法の改正や長時間労働の規制など抜本的な雇用対策の充実を求める決議を提案し、討論で問題点を明らかにしました。

 今議会で、議会三役人事をオール与党が「たらい回し」を強行しました。過去25年間にわたって市会第二会派の日本共産党を不当に排除することを繰り返しているもので、党議員団は抗議の声明を発表しました。また、海外出張の自粛、費用弁償の廃止など議会運営の改善の申し入れを行いました。

1、後期高齢者医療制度廃止の世論が高まる中、国会では野党4党による廃止法案の審議が始まっています。日本共産党は廃止の一点で共同を呼びかけ、署名の取り組みを進めています。政府は、秋の税制論議を前倒しして、社会保障の財源を口実に消費税の増税に突き進もうとしていますが、暮らし・営業破壊の消費税増税は絶対に認められません。
 日本共産党市会議員団は、引き続き市民のみなさんと力を合わせ、切実な市民要求の実現に全力で奮闘する決意です。