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見解・声明

08年3月25日(火)

[声明]2月定例市会を終えて 市会を終えて

日本共産党京都市会議員団 

1、本日、市長選挙後初めての2月定例市会が閉会しました。日本共産党市会議員団は、低所得者と多人数世帯など加入世帯の9割が負担軽減となった国民健康保険事業特別会計など59議案には賛成し、市民サービス切捨てと職員削減につながる「行財政改革」を引き続き踏襲し、市立高校授業料の値上げ、ムダと環境破壊の高速道路、焼却灰溶融炉の建設費用などが盛り込まれた一般会計予算、高齢者に差別医療を持ち込む後期高齢者医療特別会計、引き続き給付減となる介護保険事業特別会計、管理の受委託をいっそう強化する市バス事業特別会計、京都経済界からの登用となった副市長人事など13議案には反対しました。自民、民主・都みらい、公明党のオール与党の賛成ですべての議案が可決されました。今議会では常任委員会が新たに再編され、日本共産党議員団は経済総務常任委員会委員長と三つの常任委員会副委員長、公営企業等予決算特別委員会委員長などの役職を務めることになりました。また、政務調査費に係る領収書等の全ての公開及び使途基準の明確化、費用弁償日額5千円への減額が決定しました。

1、今議会では、951票差の結果となった市長選挙のたたかいと日本共産党議員団の論戦が結んで、貴重な成果があがりました。18万2千筆を超えた署名の力と、公約として引き下げを掲げた中村和雄候補の善戦が、国民健康保険料の引き下げを実現させました。選挙戦で大きな争点となった同和特別扱いの自立促進援助金は当初予算に計上できなかったばかりか、07年度分の執行も停止することとなりました。教育格差の問題では、本会議でわが党議員が取り上げたその日に、教育委員会が学校給食に強化磁器を一部拡充することになり、新しい机・椅子の予算を確保しました。耐震改修助成制度についても、対象地域の全市域への拡大と助成率を2分の1に引き上げることに加えて、部分改修に対しても前向きな答弁を引き出しました。原油高騰に対応して借り換えが可能となる融資制度も実現しました。未着工の市内高速道路3路線の中止・撤回については「必要性も含めて検討する」と、「事業化推進」というこれまでの答弁を変更せざるを得ませんでした。
 さらに、「温室効果ガス排出量10%削減目標達成に関する」決議、「福祉・介護の人材確保と待遇改善を求める」「農地・水・環境保全向上対策事業対象地域の拡大に係る」意見書など5件の意見書を全会一致で可決し、「後期高齢者医療制度の廃止を求める」意見書は自民・公明が反対して僅差で否決されました。

1、市長選挙直後に上下水道局職員が勤務の「中抜け」で懲戒免職となったのに続いて、環境局部長の職場離脱が発覚しました。不祥事が集中した環境局で職員の服務規律徹底をはかる役職にある幹部職員の不祥事は、この間の取り組みの根幹が問われるものであり、「大綱」では不祥事が根絶できないことが明らかになりました。また、この部長は部落解放同盟元幹部であり、同和特別扱いの根深さを露呈しました。その他にも建設局、会計室での「中抜け」や上下水道局職員の飲酒運転によるシャッター破損、駐車場の私的利用など11人の職員が処分、管理監督責任で6人、合計17人という大量の懲戒処分となりました。党議員団が呼びかけ、議会に新たに職員不祥事に関する調査特別委員会を設置することとなりました。また、1年以内に不祥事を根絶するとした市長の公約実行を求める「職員不祥事を根絶する決議」を全会一致で可決しました。党議員団は引き続き、不祥事の全容解明とあわせて、背景にある同和特別扱いの一掃を求めて奮闘します。

1、「構造改革」による痛みと京都市の相次ぐ市民負担増に厳しい審判が下されたにもかかわらず、市長は「市民の負担は避けて通れない」と、「行革」推進の立場を繰り返し表明しました。また、ムダな大型公共事業であるとともに、年間4万7千トンもの温室効果ガスを発生させ、温暖化防止対策の取り組みに逆行する焼却灰溶融炉の建設に固執しました。5月議会は、新市長が初めて編成する肉付け予算を審議する議会となります。日本共産党議員団は、市長選挙で寄せられた切実な願い実現へ、広範な市民のみなさんと力を合わせます。国政でも国民のくらしを守る政策へ、軸足の転換が今ほど求められている時はありません。福田内閣の支持率の低下に歯止めがかからないのは当然です。国の政治の大本からの転換へ全力でがんばります。