07年10月18日(木)
「木造住宅耐震改修工事費助成条例」の提案にあたって 条例提案
阪神・淡路大震災による約6400人の死亡者のうち88%は、家屋の倒壊による窒息や圧死が原因でした。しかも、検視によると、直接死の約60%は地震から15分以内に絶命した「即死」とみなされています。
日本共産党市会議員団は、2004年11月議会に木造住宅耐震改修工事費助成条例など2条例の提案を行いましたが、二度の新潟県中越(沖)地震によっても、耐震化の遅れを打開することの重要性がいっそう明らかになっています。
京都市にも制度がありますが、対象となる建物の要件が厳しいなど大変利用しにくく、制度開始後の3年間でわずか8件の利用にとどまっています。
国は「2015年までに現在75%の住宅耐震化率を90%にする」との目標・方針を昨年1月に決定し、これを受けて京都市も本年7月に「京都市建築物耐震改修促進計画」を策定しました。その中では、「段階的な改修」「部分的な補強工事」等が耐震化にむけての取り組みで有効とされ、「今後、検討する課題」と位置づけされています。
耐震化の遅れを打開することは緊急の課題です。対象の要件や助成額などを大幅に見直すとともに、「段階的な改修」「部分的な補強工事」などを新たに助成制度の対象とすることが求められています。
日本共産党市会議員団は、「木造住宅耐震改修工事費助成条例」を市民のみなさんに提案するものです。ぜひ、ご意見をお寄せください。
「木造住宅耐震改修工事費助成条例」(案)の内容
(1)条例の目的
木造住宅等の耐震改修工事等に要する費用の一部を助成することにより、地震に対する木造住宅等の安全性の向上をはかり、震災に強いまちづくりを推進すること。
(2)申し込み資格
①京都市内に居住している方。
②助成の対象となる木造住宅を所有または借用しており、居住または居住予定の方。(借家の場合は、所有者の同意が必要)
③市民税及び固定資産税を滞納していない方。
(3)助成対象住宅
①昭和56年5月31日以前に着工された3階以下の住宅(長屋、共同住宅等を含む)。
②木造住宅耐震診断の結果、総合評点1.0未満と診断されたもの。
(4)助成対象工事
①市内中小工事業者が行う工事の結果、総合評点が1.0以上となる「耐震改修工事」。
②住宅の寝室または居間等の部分的改修により、耐震評価が改修前に比較して向上する「簡易改修工事」を新たに助成の対象とする。
(5)助成金の限度額
助成金は助成率ではなく、金額で定めることとし、耐震改修工事等に要した費用のうち、次表にもとづく助成金額を上限として助成する。
(イ)耐震改修工事
助成区分 |
助成限度額 |
府市民税(一般世帯) |
150万円 |
同上(非課税世帯) |
225万円 |
(ロ)簡易改修工事
助成区分 |
助成限度額 |
府市民税(一般世帯) |
50万円 |
同上(非課税世帯) |
75万円 |
※非課税世帯とは、世帯全員が当年度・前年度の2年間、課税を受けていない世帯。