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見解・声明

07年10月 5日(金)

[声明]9月定例市会を終えて 市会を終えて

  日本共産党京都市会議員団

 1、本日、9月定例市会は公営企業決算8件、その他29件を与党会派の賛成多数で全て可決し、閉会しました。党議員団は市バス事業決算については管理の受委託を推進するものであることなどを理由に認定せず、その他繊維技術センター統合につながる工業技術センター売却等5件に反対し、その他の議案には賛成しました。

1、参議院選挙で自民・公明が歴史的惨敗を喫し、市長選挙が目前に迫る中で各会派の政治姿勢が問われました。代表質問で自民党は「おごりと失態に鉄槌が下った」と発言し、民主・都みらいは参議院選挙で掲げた「生活第一」の中身にはほとんど触れずじまいでした。公明党も含めて与党会派から市長続投の声はあがりませんでした。党議員団は、「構造改革」による負担増、「戦後レジームからの脱却」を正面から批判し、市長の12年間を総括して、くらし最優先の市政への転換を求めて論戦を行いました。

 市長は、消費税増税を事実上容認し、市民に負担増の行財政「改革」を「成果を挙げている」と開き直りました。また、財政破たんにつながる未着工の市内高速道路3路線の事業化を市長が改めて表明したことは重大です。議員団は、特定事業所の温室効果ガス削減計画の実態が一部大企業では「増加計画」になっていることを暴露しました。

1、職員の犯罪・不祥事の続発を受けて「信頼回復と再生のための抜本改革大綱」策定から1年、その実効性が問われましたが、今も、職員の服喪休暇の不正取得や運動団体に対する特別扱いが続いていることが明らかになりました。市民団体が同和奨学金返済を一律無審査で肩代わりするのは不当だと訴えた裁判で、9月25日、最高裁は京都市の上告を退け、「裁量権を逸脱し、違法」として、市長などに2千万円の支払いを求めた大阪高裁の判決が確定しました。今後23年間、 40億7千万円の税金を注ぎ込む自立促進援助金支給の根拠は大きく崩れています。さらに、党議員団は、地下鉄駅構内清掃業務で予定価格に対する落札率が13件中9件で100%となっているなど、談合疑惑を暴露し追及しました。理事者は繰り返し「入札は適正に行われている」と開き直りましたが、与党会派からも「市民に説明できない」との意見が相次ぎました。談合疑惑は地下鉄にとどまらず、京都市全体に及んでいる可能性もあり、引き続き全容解明と談合根絶に全力をあげます。さらに、教育委員会が模範教師として認証していた「スーパーティーチャー」が数度にわたり、体罰・暴力行為を行っていることが開会中に明らかになりました。体罰は許されないとの党議員の追及に理事者は「体罰は指導の状況の中で大半おこる」とこたえ、教育長が「どんな人にも誤りはある」などと体罰を容認する答弁を行ったことは重大です。

1、公営企業決算審議を通じて、2012年まで水道料金は値上げしないこと、水道加入時に納付している予納金については廃止、還付すること、京北病院への内科医の常勤医師配置とともに引き続き医師・看護師確保の決意を表明させたことはこの間の論戦の成果です。

 被爆者の粘り強い運動を反映し、「原爆症認定と被爆者救済対策強化について」が、また医師会の請願採択を受け、「国民皆保険制度等に関する」意見書が全会一致で可決された事は大きな成果です。
 さらに「割賦販売法の抜本的改正に関する」「自立更生促進センター設置計画に関する」意見書を全会一致で可決し、その他に「地上デジタル放送の難視聴解消のための施策を求める」意見書など2件が可決されました。「嫡出推定に関する民法改正と更なる運用見直しを求める」意見書は自民だけの反対で可決、「テロ特措法の延長及び新法に反対する」意見書は自民、公明、無所属議員が反対、党は独自の意見書も提案して討論に立ちました。「障害者福祉制度の充実に関する」意見書は否決されましたが、僅差に追い込むことができました。参議院選挙を受け、与党会派も動かし同時に亀裂も生まれていることが明らかになりました。

1、9月議会開会中に、参議院選挙で審判を受けても辞めなかった安倍首相が、テロ特措法の延長というアメリカとの公約が守れる見通しが無くなったもとで、政権を無責任に投げ出し、新たに福田内閣が誕生しました。看板は変わりましたが、新首相自ら「背水の陣内閣」と呼ぶなど自民党政権は末期的症状を呈しています。一方、後期高齢者医療制度の負担の一部凍結、障害者自立支援法での応益負担の見直しの動き、沖縄戦での教科書検定意見の事実上の撤回など、世論が政治を動かしつつあります。党議員団は住民運動と結んでこの流れを加速させること、さらに日本政治の異常な大企業中心、アメリカいいなり、過去の侵略戦争を正当化する異常を根本から正す取り組みに正面から取り組みます。

  市長選挙まで4ヵ月あまり、党議員団は広範な市民のみなさんと力をあわせて、市民の命とくらしを守る運動をさらに前進させ、市政転換に向け奮闘するものです。