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見解・声明

06年9月15日(金)

[申し入れ]高齢者から福祉用具を取り上げないよう求める緊急の申し入れ 医療・福祉

京都市長 桝本頼兼 殿

日本共産党京都市会議員団団長 山中 渡

 昨年の国会で、自民党・公明党・民主党が賛成して可決された新しい介護保険法が、昨年10月から施設の居住費や食費の全額自己負担となって具体化され、さらに今年の4月からは、介護報酬の減額・利用限度額の引き下げ、ホームヘルパーの制限など、高齢者と介護事業者にいっそうしわ寄せする方向で、本格的に実施されています。発足当初の「介護の社会化」や、本来の「介護予防」などの理念に逆行し、「保険料は値上げされたが必要な給付が受けられない」という、一般の保険原理すら満たされない国家的詐欺ともいえる事態が拡がっています。

 中でも、「軽度認定者」から車イスや介護ベッドなど、福祉用具を取り上げることになる貸与の対象除外は、給付制限の典型ともいえるものです。その経過措置も、いよいよこの9月末が期限とされ、貸与を受けている高齢者の不安が募っています。

 「布団からの起き上がりは大変困難」、「体力の衰えでベッドのない生活は考えられない」など、私どものもとにも切実な声が寄せられています。

 ヘルパーの利用制限の撤回、「ケアマネ難民」「介護難民」を生まないこと、施設の居住費・食費の保険はずしの撤回、保険料・利用料の軽減、地域包括支援センターへの公的役割の発揮等、介護保険改善のための課題は山ほどありますが、当面、切実で緊急に対処しなければならない問題として、この福祉用具取り上げの問題を避けて通ることはできません。すでに東京都の港区や豊島区など、いくつかの自治体では、リースや購入の際の費用を助成するなど、独自の努力が始まっています。本市におかれても、緊急に改善策を講じられるよう、強く求めるものです。

 当面の緊急要求として、以下の諸項目について申し入れます。

一、9月末で福祉用具が取り上げられる高齢者が出ないよう、京都市の独自措置をとること。

一、軽度でも、福祉用具が貸与できるよう、早急に政府にはたらきかけること。