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見解・声明

06年5月23日(火)

市民とともに市政を動かす、日本共産党京都市会議員団の役割 市政評価

日本共産党京都市会議員団

はじめに

 〇七年四月、一斉地方選挙がたたかわれます。京都市会では桝本市政が、自民、公明、民主・都みらい(現在)のオール与党体制に支えられ十年間継続しています。この間、一貫して悪政に対決してきた日本共産党市会議員団は、常に自民党に次ぐ市会第二党の勢力を維持し、市民のみなさんとともに市政を動かし貴重な成果を勝ち取ってきました。改めて日本共産党市会議員団の働きを紹介するとともに、桝本市政と、オール与党の実態を告発するものです。

 今、二大政党制のもとで、小泉「構造改革」と京都市の行革路線が市民のくらしを痛めつけ、まったなしの切実な要求があふれる事態となっています。日本共産党市会議員団は、住民のくらしと命を守る地方自治体本来の役割を発揮させるために、いっそう力をつくす決意です。

常に、くらしと福祉を守る市民運動と結んで

 市長オール与党政治が増やした借金(市債残高)はこの十年間で三九一四億円、〇六年度末の残高見込み額は一兆一一〇四億円、市民一人当たり七五万円に達します。市長は財政危機を口実に、市民負担増を相次いで強行してきました。就任以来十年間で、国民健康保険料や介護保険料、保育料の値上げに加え敬老乗車証・大型ごみ・家庭ごみの有料化、上下水道料金や地下鉄運賃など、総額三〇二億円というかつてない市民負担増です。事務事業の見直しは千項目を超え、削った市民サービスは、市営葬儀事務所やちびっこプールの廃止など「ゆりかごから墓場まで」に及んでいます。こうした提案にすべて賛成し、市長と一緒に市民生活破壊の負担増を進めてきたのが自民、公明、民主・都みらいのオール与党政治です。

 党議員団は、市民の負担増、サービス切り捨てときっぱり対決してたたかいました。論戦と運動で市長と与党会派を追い込んで、障害者自立支援法施行に伴う独自の負担軽減措置の実現、国民健康保険料値上げの激変緩和措置、乳幼児医療費助成制度の拡充、介護保険料の減額措置の拡充、障害者施設・醍醐和光寮の建て替え検討などにつなげました。市民の足を守る運動と結んで、醍醐のコミュニティバスと敬老乗車証の適用拡大を実現しました。

 〇三年二月議会以後、京都市議会に提出された請願は一五一五件(〇六年四月現在)、「国民健康保険料の引き下げ」「家庭ごみ有料化の中止」など切実な市民要求が寄せられています。京都市議会の請願数は市民の運動の強さと大きさを表しています。その内一四七二件、実に九七・二%で日本共産党が紹介議員となっています。

京都経済再生へ、具体的な提案で市政を動かす

 二信金の破たんで京都経済に激震が走った二〇〇〇年、党議員団は「中小企業を倒産の危機から守れ」と新たな借換融資制度を提案し、〇三年のあんしん借換融資制度の実現に大きく貢献しました。この制度を利用した中小企業は一万四千五百三十七件、融資額は二千七百七十八億千六百万円と、倒産を未然に防ぐ役割を果たしました。中小企業の実態調査をかたくなに拒否してきた市長に、〇三年に「ものづくり産業調査」を実施させ、「商店街調査」にもつなげました。失業者の仕事確保のための緊急雇用創出事業について国が制度を廃止し、多くの自治体が廃止する中、独自の制度として存続させることができました。また、党議員団は、伝統産業振興条例案を九九年に発表するなど、一貫して制定を求めてきましたが、〇五年ようやく、京都市伝統産業活性化推進条例として実現に至りました。

 京都の商業、商店街を疲弊させた最大の要因は、大型店の出店に他なりません。ところが市長は大型店進出誘導策となる「商業集積ガイドプラン」と「まちづくり条例」を制定しました。そのため今日、市内小売店売り場に占める大型店の割合は五〇%に達する勢いです。さらに京都駅周辺への家電量販店の相次ぐ出店、キリンビール京都工場跡地や京都駅南口へのダイヤモンドシティ・ハナの数倍に匹敵する超大型店の出店構想も明らかになっています。党議員団は「これ以上の大型店はいらない」と主張し続けてきましたが、大型店規制を求める声に押された今日の国の「まちづくり三法」見直しはこの主張の正しさを裏付けるものです。

財政健全化へ、削るものをずばり提案

 市長は二〇〇〇年の京都市「市政改革大綱」で、改革の理念として「補完性の原理」と「NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)理論」をかかげ、市民に対し、自分でできることは自分でやり、自治体や国を頼るなとする一方、市民は代金を支払う「顧客」ととらえる民間企業の考え方を導入し、市民負担増と市民サービス切捨てを合理化し、自治体本来の役割を放棄する転機としました。これは、財界と政府が一体となった「行革路線」と完全に歩調をあわせるものとなっています。以後、〇二年の財政非常事態宣言、〇四年には財政健全化プランで今後五年間の財源不足が一六四五億円になるとして、市民を脅し、負担増とサービス切捨て、市職員の削減である「行革」を加速しました。〇六年には国の方針に忠実に集中改革プランを策定し、さらに目標を上積みしています。市長は「全国トップ水準」と自慢し、市民に与えている痛みを全く理解していません。同時に、市バス事業の半分まで民間に丸投げする「管理の受委託」を広げ、「公の施設」の指定管理者制度導入に民間営利企業を参入させるなど「民営化」を全国に先駆けて行いました。オール与党も一緒になって「行革」をもっと進めるべきだと応援する始末です。

 党議員団は、削るべきムダは京都市内高速道路や焼却灰溶融炉など不要不急の大型公共事業にあることをずばり指摘し予算の組み替え提案も行ってきました。京都市内高速道路が巨額の負担をもたらす実態を明らかにし、計画の凍結を真正面から求めてきました。五路線建設に固執してきた市長は「国策」と開き直り、未着工の三路線については与党議員が計画断念に言及するなど矛盾を深めています。

京都の景観破壊をストップ

 京都の景観破壊はバブル期にすさまじい勢いで進みました。歴代のオール与党に支えられた市長は、景観破壊に手をかしてきました。党議員団は九一年には景観保全計画を求める提言を行い、高さ規制緩和を批判し、都心部のダウンゾーニングを求めるなど、「景観論争」をリードしてきました。常に住民運動と結んで論戦し、この間ポン・デ・ザール橋計画を撤回させ、斜面地のマンション等を規制する条例の制定や、葬儀場も含め住民に対する事前説明を義務付ける中高層建築物等の条例改定に結実させました。今、市長は京都創生をかかげて、新たに建築物の高さ規制を打ち出しましたが、これも住民と日本共産党議員団のたたかいの成果です。市長はこれまでの景観破壊をまるで自然現象のように描きますが、オール与党とともに自ら、財界の後押しを受けて規制緩和と景観破壊をすすめてきた責任が改めて問われるものです。

子どもと保護者の願い実現、教育環境の改善へ

 中学校給食の実施、トイレットペーパーの設置、危険な校舎の改善、三十五人学級の実現は九六年市長選挙で争点となる中、党議員団の実態調査や論戦と世論で勝ち取った成果です。党議員団は、定時制高校の存続を求める生徒や保護者の願いを代弁するとともに、教師の過労死が続発する中、労働安全衛生の徹底と、労働時間短縮を求めて奮闘しました。市長は、公教育の中で御所南小、堀川・西京高、御池中など「先進」と称して数十億から百億円規模の校舎をつくる一方、いまだ多くの老朽校舎や体育館が手付かずとなっています。また、定時制高校の存続を求める声を踏みにじり、縮小・廃止を相次いで行ってきました。高校改革が進められる中、市内四つの通学圏で高校合格率に格差が生まれるなど、「個性ある学校づくり」の名の下に教育条件の深刻な格差が広がっています。こうした格差拡大に対しても、自民、公明、民主・都みらいのオール与党は、競い合って礼讃しています。

環境・ごみ行政の前進へ

 党議員団は大型下水管・地下貯留施設等の大型事業優先ではなく、雨水利用・地下浸透の雨水対策を一貫して求め、〇四年三月の「京都市水共生プラン」として策定されました。

 家庭ごみ有料化の市民的議論の中で、改めて京都市のごみ行政に対する批判が高まっています。未だに缶・ビン・ペットボトルはごちゃ混ぜで、混ぜた資源ごみを分別する工場など、ごみになるものを生産する責任は問わず、新たな施設建設を続けています。こうしたごみ行政は施設建設費にとどまらず維持管理費と巨額な費用負担をもたらしています。市長は、オール与党の賛成で有料化を強行しましたが、党議員団は分別収集の拡大充実と市民対話を強めることが、ごみ減量につながると有料化に反対してたたかっています。

不正・腐敗を絶対に許さない

 ゆがんだ同和行政は京都市行政に不正、腐敗がはびこる一つの要因となっています。党議員団の調査と事実に基づく一貫した追及は、与党も巻き込んで議会での度重なる決議へとつなげました。同和選考採用をやめさせ、同和補助金問題や上鳥羽建設業協同組合の不正な改良住宅施設の使用など、裁判や監査でも市長の責任が明らかになりました。最後の同和行政という返済無用の奨学金支給問題もいよいよ大詰めをむかえています。市長は、未だに同和行政は「社会正義の実現」と憲法二十五条を引き合いにしてまでその継続を宣言し、また、民主党は部落解放同盟の幹部を次期市会議員選挙候補者として公認までしていることは重大です。

 こうした、同和を特別扱いする不公平な行政体質が、京都市職員が覚醒剤、ヤミ金、買春、公金横領などと不祥事を続発させる温床となっています。不正・腐敗と無縁な日本共産党だからこそ、徹底した追及ができるのです。

市民に開かれた議会と民主的運営、活性化をリード

 党議員団は、現在、市議会第二党二十名、議席占有率二九%の議席を持ち、その内、女性議員は八名です。常任委員会の委員長一名、副委員長三名、市会運営委員会副委員長などを確保し、議会の民主的運営、市民に開かれた議会、議員特権の見直しへと取り組みを進めています。この間、常任委員会の月二回開催やモニターでの傍聴を実現し、退職議員も含めた優遇措置を廃止しました。政務調査費の領収書公開にも道を開きました。議員提案の議案としては戦後初めて、委員会付託され審議となった住宅改修工事費助成条例等の提案も行いました。阪神淡路大震災以来、一貫して求めてきたハザードマップは、「財産価値をおとすことになる」と拒み続けてきましたが、作成させることができました。

 日本共産党市会議員団は、昨年議員団結成五〇年を迎えました。市民の利益第一にたたかいぬいたこの伝統を受け継ぎ、さらに前進をめざします。来年の一斉地方選挙では、現有議席を確保するとともに、くらしと営業を守り、市政を転換する確かな力を強く大きくするために、過去最高の議席獲得をめざして全力で奮闘する決意です。

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