05年3月18日(金)
[声明]2月定例市会を終えて 市会を終えて
一、敬老乗車証の有料化、国民健康保険料・保育料・施設の使用料の値上げ、市営葬儀事業の廃止など市民サービス切り捨てで、市民に大幅な負担増を求める〇五年度予算案及び関連議案は、日本共産党以外の与党会派の賛成で可決成立しました。深刻さを増す市民生活にさらに負担を押し付ける予算を提案した市長はもちろん、自民、公明、民主都みらい、無所属議員の責任はきわめて重大です。与党会派は「高齢者にがまんをしてもらって子育て支援を」(民主)、「敬老乗車証有料化は改革であり、評価」(自民)「利用する人としない人の負担の公平性を確保せよ」(公明)など、値上げを容認、後押しする発言を行いました。市長が今回の値上げ提案の根拠としてあげた「受益者負担の適正化」「持続可能な制度」「公平性の確保」の本質は低所得者や弱者に負担をおしつけることを正当化するところにあり、「住民の福祉の向上」という地方自治の本旨を投げ捨てるものであり、市長公約にも反するものです。
一、党議員団は、議会開会前に「市民の暮らし・福祉守る闘争本部」を立ち上げ、独自の街頭宣伝や緊急市会報告ビラの全戸配布などに取り組み、値上げの内容を市民に広く知らせると同時に、「くらし・福祉削るな! 実行委員会」を軸にした各種団体や市民のみなさんとともに値上げの撤回を求めて奮闘してきました。議会開会中の予算報告懇談会や敬老乗車証懇談会には、多数の市民の参加と切実な要求が寄せられました。「敬老乗車証無料制度の存続を求める」「国民健康保険料の値上げ反対」などの請願は三二六件、短期間に五千名を超える署名が寄せられ、保育料の値上げに反対する保護者からのファクスやはがきでの要請も連日行われました。市長の地元の老人クラブ会長も請願者となったことをはじめ、各団体や個人による会派要請など、これまでにない運動の広がりが生まれました。
一、党議員団は、論戦を通じて小泉「構造改革」の痛みと合わせて市の値上げ提案が及ぼす影響を、市民の生活実態をリアルに示して明らかにしました。市長は敬老乗車証の負担金三千円について「出せないとは、わが国の常識からは考えられない」と開き直り、国民健康保険料についても「払っていただけるもの」と冷たい答弁に終始しました。しかし、世論と運動が与党会派を追い詰め、小児慢性特定疾患医療費助成の一部復活を引き出し、国民健康保険料値上げでは最終盤まで態度が決められないところまで追い込みました。与党間の意見の調整が深夜に及び、閉会本会議開会時間を延期する事態となりましたが、与党会派は付帯決議を提出し、新たな減免の手続きを申請ではなく、行政が事前に減免措置を行う職権減免の実施要望をするにとどまりました。与党は市内高速道路計画の未着工三路線について、これまで推進を求めてきたにもかかわらず、今議会ではとうとう一言も触れず、副市長は焼却灰溶融炉建設について「安全神話はない」「ひるむ事もある」と答弁したことも大きな特徴です。
公営企業予算では、市バスの「管理の受委託」をいっそう進める予算となっていることから反対しましたが、その他の公営企業会計では、任意の繰入金の確保を求めるとともに、問題点を指摘し賛成しました。「地球温暖化対策推進」の意見書など三件が可決され、「安心できる年金制度を求める」は与党会派が反対、「定率減税縮小の撤回を求める」意見書は共産・民主の共同提案で無所属は賛成しましたが、自民・公明が反対し否決されました。
一、今議会の開会目前に、京北町長が収賄容疑で逮捕される事件が発生しました。贈賄側は、市長が顧問をしている京都予防医学センターであることから、議員団は全容解明を求める申し入れを行いました。また、今議会の初日に「北朝鮮に拉致された日本人を救出する京都市会の会」が、日本共産党を除いて発足しました。先の十一月議会では全会一致で意見書を採択しており、この趣旨を生かすべきだと改めて党議員全員の入会の申し込みを行いました。また、今議会で、不十分さは残しながらも市会改革の取り組みが前進し、請願審議等を行う常任委員会のモニター傍聴が可能になりました。
同和事業にかかわる二つの地裁判決があり、自立促進援助金の違法性と返還されるべき補助金の実態が指摘されました。議員団は判決も踏まえ、同和特別対策の終結を求めましたが市長は同和行政を「社会正義の実現」だと強弁し、自立促進援助金の廃止を拒否しました。
一、国会で、自民・公明が強行した今後二年間で七兆円を超える国民負担増と、京都市による負担増があいまって今後市民生活を脅かすことは明らかです。日本共産党市会議員団は、国会議員団とも結んで負担増から市民のくらしを守るたたかいに全力をあげてがんばります。同時に来年に迫った知事選挙で、住民が主人公、住民の福祉と暮らしを守る本来の役割を発揮できる府政への転換を目指し、広範なみなさんとさらに要求運動を粘り強く取り組んでいく決意です。