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見解・声明

05年2月18日(金)

[団長見解]二〇〇五年度京都市予算案に対する見解 予算案について

日本共産党京都市会議員団団長 山中 渡

一、本日二月定例議会が開会され、〇五年度一般会計予算をはじめ、京北町との合併関連も含め過去最高となる二〇四議案が上程されました。市長は三期目・二年目の予算を「マニフェスト実行予算」と位置づけましたが、その内容は赤ちゃんからお年寄りまで負担増のオンパレードです。敬老乗車証の無料制度廃止、保育料・国民健康保険料の値上げなどにみられるように、福祉の後退は明らかです。同時に、「戦略的予算編成システム」二年目の予算を「安定的で持続可能な財政の確立にむけて大きな一歩」と自画自賛するものの、初めて実施した公債償還基金からの五九億円の借り入れを行っても、なお八二六億円を超える市債(借金)を発行するという借金頼みは相変わらずです。その一方、新たな負担増が明らかとなった市内高速道路建設や安全性が未確立な焼却灰溶融炉建設は強行し、返済不要の進路支援事業など同和特別扱いも継続されています。年度末の市債残高は一兆九百二十八億円と過去最高を更新し、持続可能どころか、財政をさらに破たんに導くものとなっています。

一、今回の予算案に盛り込まれた市民負担増は、国民健康保険料の引き上げで八億円、敬老乗車証の有料化で六億円にものぼります。加えて保育料の二億円、市立高校授業料の値上げを含む各種文化・スポーツ施設の使用料・利用料の値上げは総額七億円を超える規模となっています。事務事業の見直しによる事業の縮小・廃止は、五〇八事業の見直しで約五十六億円の削減です。その内容は市営葬儀事業の廃止、更生医療の独自の上乗せ制度の切り捨て、インフルエンザ予防接種の減免の大幅縮減、民間社会福祉施設に対する独自支援の中止など、市民生活に重大な影響を与える内容ばかりです。まさに、「福祉は後退させない」と繰り返し表明していた市長の公約違反にとどまらず、地方自治体の役割を変質させるものです。「財政健全化プラン」が市民の福祉・くらし切捨てプランであることがいっそう明らかになっています。

一、今回の予算案には市民の粘り強い運動と日本共産党の議会論戦の成果も一定盛り込まれました。放置自転車防止啓発事業や京の職人さん事業、防火・防災啓発事業など、今年度で国が制度を打ち切る緊急雇用対策のいくつかを市独自の雇用対策として継続すること。伝統産業活性化条例(仮)の制定、敬老乗車証の民間バスとの共通化を一部実施。水災予測システム整備、雨水貯留施設設置助成負担金の新設などです。さらに今議会でも具体的な提案も行い、市民の切実な要求の実現へ全力をつくします。

一、小泉自民・公明内閣がすすめる「構造改革」は、昨年度の「三位一体改革」に続き、地方自治と市民生活を破たんに追い込むものであることがいよいよはっきりしてきました。一連の控除の見直し、定率減税の廃止、介護保険の見直し、障害者保健福祉に応益負担の導入、医療制度の改悪と雪だるま式の負担増が、市民に押し付けられようとしています。京都市が悪政の防波堤の役割を放棄し、市民に痛みをさらに拡大することは許されません。

 敬老乗車証の見直しが検討された四年前も、市民の大きな世論で凍結を勝ち取りました。日本共産党市会議員団は、議会開会に先立って立ち上げた「くらし・福祉を守る闘争本部」を軸に、市民の皆さんと力をあわせて、こうした市民生活を破壊する予算の撤回・凍結を求めてたたかいぬく決意です。また、京北町との合併では、新しい市民のみなさんの生活が後退しないよう力をつくします。同時に、今国会で提案されている国民生活を脅かす負担増の予算を撤回するよう求めるとともに、憲法・教育基本法の改悪を許さないたたかいを大きく広げて奮闘します。