04年7月22日(木)
[声明]「京都のバス事業を考える会」(協議会)の発足にあたって 交通問題
一、京都市は昨日、「京都のバス事業を考える会」(協議会)を発足させ、「市バス事業のさらなる改革」方針を発表しました。
二、「バス事業を考える会」(協議会)は、その設置目的を「規制緩和実施下において赤字路線を含め市内のバス輸送の大部分を担う市バスと、ほかの交通事業者が協力して市民の足を守り、より利便性の高い公共交通網を目指すための方策等について協議を行う」としていますが、これは現在進行しているエムケイによる市バス事業への参入を意識したものであり、実際には商工会議所の仲介による京都市とエムケイの「対立」に対する和解が目的です。
「バス事業を考える会」の発足にあたっては、わが党議員団が再三求めてきたように、「公営交通を守るために交通専門家や学者、乗客代表、市民、交通局や労働者代表からなる『京都市公営交通問題懇談会』を設置し、市バスのあり方など協議し、市バス事業の展望をきりひらくこと」を中心におくべきです。
三、また、平成六年度以降の四次にわたる改革の成果として「職員数の削減」「給与の削減」「民間委託の促進」などをあげていますが、いずれも市民の足を奪い、市民に不便を強い、予想を大きく上回る乗客減を生みだす原因となっています。その結果、数字の上では「平成15年度決算は黒字になる見込み」となったものの、市バス事業は縮小・民営化が大きく進行しました。今後の方向として「市バス事業改革の四つの柱」を打ち出し、「市民から愛され、信頼される市バスを目指して公共交通網の構築」を掲げていますが「交通事業ルネッサンスプラン」を踏襲し「効率性」という合理化だけを追求するものであれば、これまでの失敗を重ねるだけです。
四、規制緩和のもとで、いま求められているのは、全車両の二分の一までという民間委託路線をただちに撤回し、人と環境に優しい公共交通を軸にした「総合交通体系」を京都市あげて一刻も早く確立することです。市民サービスの向上や路線の拡大、増車・増発、乗り換え自由な運賃制度の見直し、定時性の確保などいっそう便利な市バス、市民に愛される市バスとなるよう具体的に努力することこそ、公営交通の健全化のための確かな道です。
日本共産党京都市会議員団は、その実現のために全力をあげるものです。