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見解・声明

04年2月27日(金)

[団長見解]2004年度京都市予算案に対する見解 予算案について

日本共産党京都市会議員団団長 藤原 冬樹

 一、本日二月定例議会が開会され、〇四年度一般会計予算をはじめ、公営企業予算などが上程されました。一般会計は五年ぶりの対前年度比増加となったものの、八五〇億円を超える多額の市債(借金)に依存し市債残高は過去最高の一兆六〇〇億円を超えます。財政再建どころか財政悪化をさらにすすめる予算となっています。京都市は予算編成にあたって、新たに「戦略的予算編成方針」を導入し、「身の丈にあった予算」をめざすとしていました。ところが、財政健全化債、他会計からの繰入、公債費平準化など二七八億円を特別の財源対策として確保せざるをえず、「戦略的予算編成方針」の破たんが早くも明らかとなりました。

 今回の予算の最大の特徴は、「戦略的予算編成方針」により局配分枠を決め、四四の事業の休・廃止を含む四三〇の事業を見直し、一〇〇億円の事業費削減を盛り込んでいることです。生活保護世帯に対する夏季歳末見舞金、ちびっ子プール、保育バスなどの廃止、民間社会福祉施設の補助金の大幅削減など、削られたのは市民のくらし・福祉に直結する予算であり、市民いじめの冷たい予算案となっています。一方、財政非常事態を理由に凍結されていたものも含め、高速道路関連予算、関西国際空港への出資金の増加、総事業費二三〇億円の焼却灰溶融炉建設など、大型公共事業、箱物建設が目白押しであり、従来型の大型公共事業優先、市民サービス切り捨てをいっそう強めた予算となっています。さらに新たに地下鉄救済に、約五七億円の一般会計からの支援費が盛り込まれましたが、これは経営健全化と称して更なるリストラを前提に、今後十年間で六〇〇億円規模の一般財政を投入するものです。国は責任放棄し、財源の補填補償もせず、すべて市債でまかなうものであり、京都市財政の硬直化は避けられません。同和行政も終結とは名ばかりで、同和奨学金、自立促進援助金、市立浴場への財政支援も引き続き盛り込まれています。

 一、今回の予算案には、全小中学校の普通教室の冷房化、小学校二年生までの三五人学級の実施、中小企業への無担保無保証人融資の拡充、伝統産業活性化条例(仮称)の検討、耐震改修促進助成事業の新設など、市長選挙で広原盛明氏に寄せられた声や、市民の粘り強い運動と日本共産党の議会論戦の成果も一定盛り込まれました。日本共産党市会議員団は、子どもの医療費助成制度の拡充や国保料の引き下げ、介護保険料・利用料の軽減など市民の切実な要求の実現をめざしがんばります。くらし・福祉切捨ての予算に正面から対決し、大型公共事業、不要不急の事業を中止・凍結し、市民のくらし優先へ対案を示しながら徹底した論戦を行います。

 一、今回の予算をめぐって、小泉自民・公明内閣の「三位一体改革」が、地方自治体の財源を削るだけという本質が明らかになっています。政府案は生活保護費、保育所運営費など市民生活に直結する予算を削った上、京都市に対し前年度比一二五億円も地方交付税と臨時財政対策債を削減、さらなる補助金削減もすすめようとしています。小泉政権の痛み押し付けの政治は、京都市財政をいっそう破たんに追い込み、市民のくらしを脅かすものに他なりません。京都市が悪政の防波堤の役割を放棄し、市民に痛みをそのまま押し付けていることは許されません。

 日本共産党市会議員団は、政治を変えたいと願うすべてのみなさんと力をあわせ、市民のくらし・福祉を守る市政をめざすとともに、夏の参議院選挙勝利で、イラクへの自衛隊派兵中止・憲法改悪を許さず、社会保障を予算の主役にすえる政治の実現に向け、全力で奮闘するものです。