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見解・声明

03年2月24日(月)

[団長見解]二〇〇三年度京都市予算案に関する見解 予算案について

日本共産党京都市会議員団団長 藤原冬樹

一、二月定例議会が二十一日開会されました。提案された一般会計予算は対前年度比〇・四%減で、四年連続でマイナス、十年前と同規模の予算案となっています。

 今回の予算案は、七百三十億円の財源不足を補うため、前年度比一八・二%増の八四七億円の市債を発行するために、市債残高は一兆三百五十七億円となり、市民一人あたりの借金は、七十万六千円と前年度より一万五千円も増加しています。借金返済と利子払いである公債費は、九五三億円で歳出にしめる割合は一四・七%と過去最高であり、いつそうの財政硬直化をすすめるものとなっています。

 今年度の予算の特徴は、地下鉄東西線五大プロジェクト、市内高速道路に見られるような大型公共事業優先の市政運営など、財源不足を生んだ真の要因にメスを入れず市民と市職員に痛みと我慢をおしつけるものとなっていることです。

 福祉・教育最重点、使用料・手数料の値上げ見送りといいながら、今回の予算で介護保険料の大幅な値上げが提案されていることは重大です。政令市二番目に高い保険料であり、三割り増しの大幅値上げとなっています。学童保育の利用料も緩和措置の解除で十月からの値上げが押し付けられることとなります。一方最大のムダ使いであり、計画の破たんも明らかな市内高速道路建設には、出資金だけで一八億円も計上しています。あわせて、PFI手法や呼び込み型の新たな開発計画も盛り込まれています。高度集積地区を中心とした南部開発、キリンビール工場跡地開発など、大型公共事業・開発優先の姿勢は新たな展開を見せています。

 中小企業・伝統産業対策は、過去最悪の失業・倒産の事態に応えるものではなく、全く不十分です。独自の雇用拡大策が一部盛り込まれたものの、本格的な対策が求められています。

一、公共事業をめぐる贈収賄で逮捕者や自殺者まで生んだ昨年の教訓がどう生かされたのか、予算上は明らかにされていません。同和補助金の不正支出が明らかになりましたが、未だ返還命令さえ出されていません。引き続き、同和奨学金や自立促進援助金など計上しています。人権に名を借りた同和行政、部落解放同盟との特別な関係は継続するというもので、市民の同和行政終結の願いにも逆行するものです。

一、市バスは半分の民間委託への道をいっそう突き進み、市民の足をいっそう奪うものとなっています。公営企業への一般会計からの任意の繰出金は昨年に続き、二五億円のカットとなっています。市立病院での欠員補充もないまま新年度に入ろうとするもので公的医療の後退につながりかねません。上下水道では整備計画の縮小の一定見直しがされたものの、引き続く繰出金のカットは上下水道料金の値上げを誘導するものです。

一、今予算には、市民のねばり強い運動と日本共産党の議会論戦が結んで、乳幼児医療費助成制度の入院での就学前までの拡充、三十五人学級の実施、あんしん借換融資制度など貴重な成果が盛り込まれています。日本共産党市会議員団は、これらの成果をふまえ、介護保険料の値上げ中止、国保料の値下げを正面から求め、市民のくらし・中小企業応援の施策の充実を求めてがんばります。大型公共事業、不要不急の事業の見直し、不況・雇用対策、福祉・教育の充実を柱にした予算組み換え案を示し、徹底した論戦を行います。

 京都市の財政破たんを招いた、税金のムダ使いを進めてきたのが、自民・公明中心のオール与党です。小泉政権の痛みの押し付けに加えて、市民にその負担をいっそう負わせようとしています。今、全国で住民のくらし・福祉を守る、自治体らしい自治体が相次いで誕生しています。長野県では脱ダムで、特別養護老人ホームの建設予算を確保しています。日本共産党はオール与党政治と正面から対決し、この政治を変えたいと願う多くのみなさんと力を合わせます。住民が主人公の自治体らしい自治体の実現をめざし、目前の一斉地方選挙での勝利、一年後の京都市長選挙での市政転換をめざし、全力で奮闘するものです。

以上