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市会報告

さとう和夫 議員

11年3月15日(火)

京都駅南口駅前広場整備計画に関する請願についての討論 11年2月定例市会 閉会本会議討論

 請願第322号・京都駅南口駅前広場整備に関する協議会の設置について、および請願第453号から459号 京都駅南口駅前広場整備計画案の再検討について、日本共産党市会議員団は不採択に反対し、採択すべしとの態度を表明していますので、その理由を討論します。
 まず、第一に、駅前広場整備に係わる手続きが、拙速であり不十分であるからです。
今回、「歩くまち・京都」総合交通戦略の一つである京都駅南口駅前広場の再整備をすすめるにあたり、市民意見を募集するパンフレットでは、「リニューアル計画」の今後の予定として、「平成22年度は交通事業者等関係者が参画する協議会をつくり、同年度夏頃の整備計画の策定」をめざすとしていました。ところが、本市の公約に反してこの協議会はいまだに開かれていません。請願はそうした協議会の立ち上げを求め、関係者の知恵を持ち寄ることを求めるものであります。当然ではありませんか。
 委員会の審議では、窓口となったタクシー業界団体が整備計画の発表を了承したと報告されましたが、了承したのは市の事情で計画を発表する時期についてのみであります。業界団体の代表は、3月14日付けの業界紙において「京都市側のタクシー乗り場移設素案は明確に反対する」とのべています。内容についての関係者の同意は、ととのっていません。だからこそ、協議会の設置を求めているのです。
 第二に、ターミナルとしての京都駅が公共交通の結節をよくすることになるのかどうか、検証が不十分だからです。
 現在、京都駅を訪れる人々の8割以上が、「バス」や「タクシー」などの公共交通機関を利用しています。鉄道から路線バスや観光バス・タクシーなど、利用者にとって動線がどれだけ的確かつ効率的に配置できるかが、問われています。
 タクシーなどの交通施設の配置について、南北自由通路の東西で乗り場と送迎ゾーンに分けることは、利用者にとって分かりにくく、かつ長い移動となると指摘されています。
 第三に、もともとこの計画が、京都駅南口の「駅裏」のイメージを変えるための南部開発の起爆剤の役割をひきずっているからです。
 八条口の再整備計画は、当初はアーバンデッキ構想であり、次には南北自由通路が八条通をまたぐ構想など、南部開発の起爆剤と位置づけ、大規模商業施設の呼び込みを支援する役割をもたせるなど、文字どおり紆余曲折してきました。今回、マイカー依存をやめ公共交通優先のまちづくりに向け、駅前を平面整備することとなったことは、評価するものです。しかし、にぎわい空間としての駅前広場を生み出すとし、公共交通の結節点としての「乗り継ぎ」機能を阻害しかねない計画は抜本的に見直し、交通事業者等、関係者との協議を進め、英知を出し合うことこそが、ほんとうのにぎわいづくりにも資することになるのではないでしょうか。
 以上、不採択に反対の理由を述べ、同僚議員の賛同を求め、私の討論とします。